仲村宗悟

仲村宗悟

【仲村宗悟 インタビュー】
“仲村宗悟はこういう曲も
書くんだ!?”と思わせたい

これからもやりたいことは
どんどん出てくる

続いて『NATURAL』と同時リリースされるシングル「壊れた世界の秒針は」の話をしましょう。この曲はTVアニメ『RE-MAIN』のエンディングテーマですね。

タイアップですけど、曲調や歌詞に関してアニメサイドから細かい要望はなかったんです。言われたのは、エンディングだからとエンディングっぽさを意識しすぎなくていいということでした。テンポ感はゆったりじゃないほうが良くて、バラードにはしないでほしいと。本当にそれくらいだったので、自分なりにイメージを膨らませて曲作りに取りかかりました。意識したのは浮遊感でしたね。『RE-MAIN』は水球をテーマにした作品なので、Aメロは水に漂っている感じのメロディーにしたかったんです。この曲の歌詞は最後まで問題が解決しないんですけど、特に1番は問題を抱えたまま時間が流れていく様子を表現したくて。そういう世界観から始まって、サビで光が射すという構成になっています。あと、この曲はサビがファルセットから入るんですよ。トップの音からボン!と始まるサビというのをやってみたくてこのかたちにしたんですけど、いい感じになったんじゃないかと思います。

狙いどおりハッとするサビになっています。この「壊れた世界の秒針は」も新機軸ですね。

はい。僕は“仲村宗悟はこういう曲も書くんだ!?”と思わせたいんです。僕のことを応援してくれている人はもちろん、内側の人たち…音楽業界の人やスタッフ、音楽をやっているような人にも驚いてほしいという気持ちがあるので。

タイアップという場で新しいことに挑戦して、しっかりと結果を出す辺りはさすがです。「壊れた世界の秒針は」のカップリングはアンプラグド感を纏ったシャッフルチューンの「XXX」と、切ない味わいの「水槽の花」という2曲で。

今回のシングルは全体を通して“後悔”がテーマになっているんです。2曲目の「XXX」は“えっ? 後悔からは遠いじゃん!”と思うだろうけど、これは夢のことを歌っていて、夢の中の世界というのは目が覚めれば消えてしまうから、楽しい夢であればあるほど目覚めた時に寂しい気持ちになりますよね。そして、その想いは後悔につながるというところから「XXX」は書き始めたんです。この曲は最後に泡が弾ける音で終わるんですけど、そこも夢から現実に戻ってきたことを表現しました。

甘い曲かと思いきや、わりとシビアな曲なんですね。

そうなんです。アレンジに関しては、曲を作った時にファンタジー感のあるものにしたいと潤さんに話していたんです。そうしたら夢の中にいるような雰囲気で始まって、アコギとウッドベースを軸にしたサウンドで進んでいくというかたちに仕上げてくれました。ハープシコードやシタールも鳴っていて、独特な世界観ですよね。それに、イントロとかインターパートのちょっと狂気めいたコーラスは『チャーリーとチョコレート工場』で、♪ランランラン〜と歌うシーンみたいなイメージです。「水槽の花」は久しぶりに提供していただきました。候補曲が何曲かある中から僕が選ばせてもらったんですけど、いい意味で提供曲っぽくない感じだったんですよ。アコギで一本歌っているデモなのに曲のパワーが全部伝わってきたんで、“この曲をシングルに入れたいです”と言いました。

本当にいいものは飾り立てる必要がないということの好例と言えますね。それに、エモーショナルかつ憂いを帯びた仲村さんを味わえるという意味でも必聴です。

こういう曲も歌いたいという想いはありましたね。ただ、久しぶりに提供曲を歌って、人の歌は難しいなと思いました。レコーディングでも最初は掴むのが大変で、だんだん馴染んでいって昇華できたという感じでした。「水槽の花」はアンニュイな感じの歌になっているので、これもぜひ聴いてほしいです。

同感です。こうしてみると、アルバム『NATURAL』とシングル「壊れた世界の秒針は」は仲村さんの幅広さが伝わるものになりましたが、今日話をうかがって、まだまだやりたいことはたくさんあることを感じました。

ありますね。僕はこの3カ月半くらいの間に『NATURAL』に入っている既発曲以外を全部書いて、さらにシングルの曲も書いたんですよ。そういう状態だったから、もう自分は言いたいことが全然ないと思ったけど、僕はそういう時はスパッとやめるんです。時間がなくてもやめる。そして、本当に自分が好きなことをする。映画を観たり、ゲームをやったり、酒を飲んだり、人と話したり…とか。そういうことをしていると書きたいことがいくらでも出てくるんですよね。没頭しすぎると周りが見えなくなって、何も出てこなくなるので。

そのとおりですが、締切が迫っている時は“とにかく終わらせないといけない。終わらせれば楽になる”という気持ちになる人が多い気がします。

それも分かります。でも、僕は仕事が詰まっている時でも、心に余裕がなくなっていると感じたら一度離れるようにしています。実は昨日の夜もチェックしないといけないことがあったけど、コンビニに行って、お菓子とかを買って、ちょっと散歩してから帰ったら、すごくチェックが捗ったんですよね。僕はそういうタイプなので、煮詰まって疲れてしまったり、何も出てこなくて悩み続けるということはないです。だから、これからもやりたいことがどんどん出てくるだろうし、それはずっと変わらないと思います。

先ほど話が出た“3割の余白”を持てることが、いい方向に作用していることが分かります。あと、10月に全国ツアーを行なうこともアナウンスされましたね。

ずっとツアーをやりたいと思っていて、ようやく念願が叶うんですよね。いろんなところを周らせてもらうので、ずっと応援してくれている人とか、待っていてくれている人と一緒に、みんなで作るライヴにしたいと思っています。10月とはいえ、まだお客さんは声を出せないかもしれないじゃないですか。そういう状況でも一体感を作れるようなグッズも考えてます。手拍子なり、鳴り物だったりで、一緒にセッションできるような場にしたいですね。そうやって会場に来てくれたみなさんと素敵な時間を過ごせることを楽しみにしています。

取材:村上孝之

アルバム『NATURAL』2021年7月28日発売 Lantis
    • 【初回限定盤】(CD+Blu-ray+フォトブック)
    • LACA-35830
    • ¥4,730(税込)
    • 【通常盤】(CD)
    • LACA-15830
    • ¥3,080(税込)
シングル「壊れた世界の秒針は」2021年7月28日発売 Lantis
    • 【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
    • LACM-34138
    • ¥2,530(税込)
    • 【通常盤】(CD)
    • LACM-24138
    • ¥1,430(税込)

ライヴ情報

『SHUGO NAKAMURA 1st LIVE TOUR ~NATURAL~』
10/23(土) 大阪・BIGCAT
10/31(日) 愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
11/06(土) 宮城・仙台darwin
11/14(日) 福岡・DRUM Be-1
11/23(火) 神奈川・KT Zepp Yokohama

「ナチュラル」MV

「壊れた世界の秒針は」MV

「JUMP」MV

「Oh No!!」MV

「カラフル」MV

OKMusic編集部

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