【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#208
シンガソングライター・中山ラビの言

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

変わった人たちを受け入れる空気があっ

より

2021年7月4日、かつて「女ボブ・ディラン」の異名をとったシンガソングライター・中山ラビがガンにより死去した。2021年に配信されたこの記事は、中山の最晩年のインタビューとなった。内容は、喫茶店『ほんやら洞』のオーナーとしての話が主で、今回の名言は、国分寺にヒッピーのコミュニティが生まれた理由である。著者は1970年代を振り返り、「ベトナム戦争の反対運動により、人々の間には政治にとらわれない生き方、自由な生き方を望む風潮が広がった。平和を愛し、既成の価値観に縛られずに生きようとする若者たちが、ヒッピーの中心だった。その当時の新しい文化が流れ込み、国分寺の街にヒッピーのコミュニティが生まれた」と書いている。70年代から80年代にかけて〝ヒッピーの聖地〟と呼ばれた国分寺。変わった人たちを受け入れ、多くの人にとって居心地の良い空間がたくさんあったという。当時、ヒッピー達が通った国分寺のお店で現在も存在するのは『ほんやら洞』だけ。これからも営業が続くことと、中山の言う〝空気〟が今の時代に広がることを切に願う。
中山ラビ(なかやまらび)
1948年11月5日生まれ、東京都出身。シンガーソングライター。喫茶店『ほんやら洞』オーナー。1969年、大学在学中に『第4回関西フォークキャンプ』に自費で参加し、京都の円山公園野外音楽堂での打ち上げコンサートにて「俺じゃだめ」(作詞・作曲:ボブ・ディラン、訳詞:中山容)などを歌いライブデビューを果たし、「女ボブ・ディラン」と異名をとる。1972年、1stアルバム『私ってこんな』でメジャーデビュー。1976年、深夜番組『真夜中のスケッチ』に出演しパーソナリティーとして人気を博す。1981年、『渋谷ジァン・ジァン』にてひとり芝居を公演し、自作した挿入歌を披露。これを機に、演劇や舞踊など他分野とのコラボレーションに取り組むようになる。加藤和彦のプロデュースの下でのアルバム制作、斬新なステージやイベントに取り組む。斉藤由貴主演、相米慎二監督の映画『雪の断章 情熱』(1985年、東宝)に「ノスタルジィ」が挿入歌として使われる。1987年に音楽活動を停止したが、1997年3月7日、詩人中山容が他界したことがきっかけとなり、音楽活動を再開。1999年、中山ラビBANDとして中山容の命日に開催された展覧会のライブに出演した。1999年、京都の円山公園音楽堂でのフォークキャンプ「夏の同窓会 京都フォークキャンプコンサート」に遠藤賢司高田渡高石ともやとザ・ナターシャー・セブンらと共に出演。2006年、ベストCD『ゴールデン☆ベスト 中山ラビ』をリリース。同年、長編ドキュメンタリー映画『9.11-8.15 日本心中』の挿入歌を担当。2009年、ライブDVD「ラビ組ライブ2008」をリリース。音楽活動と並行して1977年からオーナーとなった東京・国分寺の喫茶店『ほんやら洞』では、中山自身が毎晩店に立ち、調理や接客も行っていた。作家の花村萬月、漫画家のいしかわじゅんらが常連だった。いしかわの作品『蘭丸ロック』の主人公が行きつけの店の店主として描かれているキャラクターは中山がモデルである。2021年7月4日、がんによる衰弱により死去、享年72。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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