L→R 亀山敦史(Ba)、陶山良太(Vo&Gu)、もぐ(Dr)

L→R 亀山敦史(Ba)、陶山良太(Vo&Gu)、もぐ(Dr)

【PLOT SCRAPS インタビュー】
“とにかく生きていてくれ”
という気持ちを伝えたかった

歌詞はなるべく誰にでも
当てはまるように書きたい

「透命花火」は《死なないで 死なないで ここにいて》と、陶山さんが書く歌詞の中でも特にストレートな表現が多い曲だと思いました。

この曲では言いたいことが明確にあったんです。昨年は有名人が自殺してしまうことも多くあったじゃないですか。ああいうニュースに対してうんざりしてしまったというか、本当にやめてほしいと思って。個人的にも人を亡くした経験もあるので、“とにかく生きていてくれ”という気持ちを伝えたかったんです。だから、本当に今までよりもシンプルな歌詞だと思います。

今までの曲と比べても一番伝わりやすい歌詞だと思います。個人的なことですが、私も10年以上前に大切な人を亡くした経験があるので、《僕だけ 背が伸びて 何度目の季節/気付けば あなたの歳を 追い越してた》という言葉が本当に心に刺さりました。コロナ禍で人の命の重みを再確認したり、悲しい想いをしたりしている方も多いと思うので、そんな人たちをやさしく抱きしめてくれる一曲だと思います。

そんな曲になってくれたらいいなと思いますね。

作詞に関して悩まれた箇所はありましたか?

悩んだということでもないかもしれませんが、透明な花火が命の比喩になっているということに対して、逆説的に必然性を探していく作業をしたんですけど、それがうまく見つかったと感じていますね。Dメロが特にうまくできたんですけど、表現が見つかって良かったと思います。だから、この曲はすぐにできてくれました。

サウンド面で言うと「透命花火」はアコギも使われていたりするのでさわやかな夏を連想させてくれる仕上がりになっていますが、こだわったポイントはありますか?

“花火”という言葉も入っているので、夏をテーマに彩ろうというのは最初からありました。カップリングの「陽炎のメモリー」もテーマは同じですけど、PLOT SCRAPS は季節をテーマにした曲を一回も書いたことがないんですよね。普通は冬の曲とか作られたりするじゃないですか。でも、なぜか作ったことがなかったのでチャンレンジしてみようと思いました。

確かにPLOT SCRAPSで季節の曲はないですね。では、夏をテーマにすることで音使いやコード感も意識して作られたと。

そうですね。「透命花火」はストリングスを入れたりしていますし、「陽炎のメモリー」は琴や三味線を入れたりして。「透命花火」で特にこだわったのは、リバースシンバルのあとすごくリバーブがかかったスネアが鳴る箇所があるんですけど、それがシューッパーン!っていうような花火っぽい音がするんです。そこは注目してほしいですね(笑)。でも、細かく言うと「透命花火」も「陽炎のメモリー」も“夏”という言葉は使っていないんです。なるべく季節を限定しすぎないようにしたいという想いがあって。例えば、「陽炎のメモリー」は夏祭りというよりは、冬の出店の話でもいいみたいなね。花火も冬にやってもいいし、なるべくそういうふうに対応できたらいいなと思っています。他の曲もそうなんですけど、恋人なのか、家族なのかという部分も含めて、歌詞はなるべく誰にでも当てはまるように書きたいというのは、全体的なテーマとして持っています。

サウンド面の話でもこだわりをうかがえましたが、カップリングの「陽炎のメモリー」は、「透命花火」とはガラッと変わりイントロのリフとギターのブラッシング、ベースの和音演奏などカッコ良くてインパクトのある楽曲だし、“いよっ!”という声が入ったりもして面白いですよね。歌詞は誰もが経験したことがあるような祭りでの淡い恋模様を描いていますし。

あれはそうですね。先ほどの話と似ちゃいますが、誰にでもあるような昔の記憶に強制的に呼び戻すような曲にできたらと思いながら作っていました(笑)。

サウンドは全体的にカッコ良いけど、遊びも入っているのがまた良くて。

こっちはカップリングということもあり遊んじゃいましたね(笑)。本当はもっと遊びたいんですけど、いきなりはっちゃけすぎても良くないので。

この曲は作っている途中から頭の中で琴や三味線などの音が鳴っていたんですか?

そうですね。アイディアが2点あって、それがつながったら何でも曲にできちゃうんですよ。この曲は三味線とリードギターを混ぜてみたらどうかなと思ってDTMでやってみたら“いける!”と思って一気に書いていきました。

ギターの単音フレーズに三味線が重なったらこんなにカッコ良いんだとびっくりしました。

海外のテクニカルなバンドとかがやっている手法なんですけどね。ギターとピアノを重ねていたりとか。ギターの音がめっちゃ小さい人もいるんですけど、それはギターからピアノを鳴らしているということを表している気がします(笑)。正解は分からないんですけど、そのような面白いものをかたちにしていきました。

改めてこの2曲を収めた今作はどんな作品に仕上がったと思いますか?

今年の夏に聴いていただいて、夏に寄り添えられたらそれ以上の幸せはないくらいに思います。だけど、それがうまくできたかというのは聴いてもらってからになるので。いろいろとある夏の曲に食い込みたいというか、そうなればベストだと思える作品です。

先ほどもおっしゃっていましたが、夏だけでなく季節を問わず聴いてもらえる作品になればよりベストかもしれないですね。話は変わりますが、陶山さんにとってライヴとはどんなものでしょうか?

6月のワンマンライヴをやるまで、実はライヴが結構つらくて。メンバーといろいろ話していて分かったんですけど、僕の中でライヴで表現をするということがものすごくハードルが高いものなんですよね。表現するということに対して自分が全然達していないんです。

曲を表現するという点ですか?

曲というよりは、映画や展覧会などのように見せ物として“この次元じゃなきゃダメだろう”という考えがあるんです。バキバキに練習すればいいというわけでもないし。

それで言うと、エンターテインメントとしてライヴを魅せる人と自分たちの想いや熱量を届ける人がいると思うんですよね。

それで言うと僕らは完全にエンターテインメントですね。エンターテインメントの理想があるんですけど、それができたら勝手に想いも伝わるという構造になると考えています。今は理想に手が届くような努力もできていないんですけどね。言い訳ではないですが、例えばライヴの練習だけを一カ月間するわけにもいかないし、なかなかできないという葛藤があって。それは今もあるけど、ワンマンはすごく楽しかったし、お客さんに生で伝わっているということがすごく分かったんです。初めてとてもいい経験ができたと思えたし、今はライヴの楽しさを実感しています。だから、今年は手を止めずに毎日積み上げていって、ライヴもどんどん増えると思いますし、前進あるのみって感じですね。

取材:岩田知大

配信シングル「透命花火」2021年8月11日配信開始 No Big Deal Records

ライヴ情報

『PLOT SCRAPS presents「BOYS ON THE RUN Vol.3 真夏のスリーマン編」』
9/10(金) 東京・渋谷TSUTAYA O-Crest

「透命花火」Teaser

OKMusic編集部

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