るぅと(すとぷり)、“音楽”と“自
分自身”に向き合い完成した2nd EP『
忘れ愛』インタビュー

6人組エンタメユニット・すとぷりのメンバーで、ユニットの音楽クリエイターとしても活躍する“るぅと”が、2nd EP『忘れ愛』を2021年8月14日(土)に配信リリースした。昨年リリースされた1st EP『僕は雨に濡れた』に続く今作も、全曲自身で作詞・作曲を手がけており、普段のかわいらしいるぅととはまた違った一面を感じることができる作品となっている。

改めて「自分という人間に向き合う時間も増えた」からこそ生まれた今作について、たっぷりと語ってくれた。
――1st EP『僕は雨に濡れた』をリリースされてから、約1年。長引くコロナ禍にあって、すとぷりのメンバーとしても個人としても動画投稿や生放送を重ね、リスナーのみなさんを楽しませてくれていますが、るぅとさんとしてはどんなことを感じながら日々を過ごしているのでしょうか。
すとぷりとしては、日本武道館やメットライフドームでのライブの告知をして準備をしていたにもかかわらず、開催できなくなってしまったり、発表する前にイベントや握手会の計画が無くなってしまったり……この1年半ほど、リスナーさんに直接会う機会が無くなってしまうことが多かったので、ライブをしたいな、握手会をしたいなという気持ちがとても強かったのと、そのように直接会うことができなくなってしまった分、動画投稿や生配信などでリスナーさんに楽しんでいただきたいという気持ちが強くなりましたね。
――当たり前だったことが、当たり前ではなくなってしまいましたものね。
そうですね、本当に。これまでできていたことができなくなって、普通が普通じゃなくなってしまって。ライブやイベントでリスナーさんに会えることが当たり前だと思っていましたけど、それがどんなにありがたいことだったのか、思い知らされている日々ではあります。
――なかなか出口が見えてこないと、時に心が折れそうになってしまうこともありますよね。
哀しさややるせなさを感じて心が折れそうになってしまう瞬間は、正直言ってあります。でも、目の前には自分たちのことを好きでいてくれる、応援してくれるリスナーさんたちがいてくれて、僕たちが哀しい気持ちでいたらみんなも哀しくなってしまうので、僕たちから楽しいとか嬉しいとか明るい気持ちを届けていきたいなという気持ちで、心が折れそうだけど折らずに楽しいをリスナーさんへ届け続けて行こうと思ってました。
――そんな中、クリエイターとして、またはいち個人として、なにか変化はありましたか?
イベント事が無くなったことで必然的に作業する時間が多くなって、音楽制作に向かう時間が増えたことによって、曲作りの表現の幅が広がったような気がします。
――るぅとさんのそうした進化を如実に感じられるのが、前作『僕は雨に濡れた』同様、ご自身で全作詞・作曲を手がけた2nd EP『忘れ愛』ですね。
そういった部分は、反映されていると自分では思いたいですね。リスナーさんの反応がとても楽しみです。
――『僕は雨に濡れた』で向き合った、人が心の内に抱える哀しみや切なさ、それに加えて郷愁感や儚さが、聴き手の気持ちや過去に自然と重なる作品だなと感じます。
口にはしないけれど、自分の心の中にあるもやもやした感情だったり。言うほどのことではないけれど、ずっと消えない哀しい気持ちだったり。よく考えないと気づかないことだったり。そういうものに向き合って、コンセプトを決めて今回は曲を作っていきました。
――「音楽制作に向かう時間が増えた」とおっしゃっていましたが、自分に向き合う時間も増えたことで生まれたテーマだったりもするのでしょうか。
そうですね。やっぱりいろいろと考える時間や自分という人間に向き合う時間も増えたので。そう言うところは、曲のコンセプトには関わってきているかもしれません。
――本心が浮き彫りになって、普段は意識しない暗さやゆがみも見えてきたりもしますから、自分に真っ正面から向き合うのは怖いことでもあるように思いますが……。
確かに、自分のダメなところや暗い部分もあらわになってしまいますよね。でも、曲を聴いてくれるみなさんと共有できたら嬉しいなという気持ちが大きかったので。
――嘘がないから、『忘れ愛』の曲たちに共鳴するし、心が動くのだなとあらためて納得です。8月7日に先行配信された「クロマト」で描く、器用に世渡りしていく周囲とそうできない自分とのコントラストにしても然り。
自分が真面目にやっていたら、ズルをする周りに置いていかれてしまっていた、みたいな。色々な捉え方はできると思うんですけど、僕の中の最初のインスピレーションはそこにあって。<一段飛ばし 階段登ったあの子>を羨ましく思う自分のことがイヤなのに、自分もズルしちゃおうかなと考えてしまったり、そういう自分のことが怖くなったり……といった自分との葛藤が「クロマト」にはあるんです。
――<同じ色が 僕にも混ざっている> <同じ色が 君にも混ざっている>というフレーズに、ドキっとさせられたりもします。
そこまで踏み込んでいいものかどうか、悩んだりはしたんですよ。でも、自分が伝えたいことなので。“クロマトグラフィー”という色を分離する実験を絡めて、歌詞を書いていきました。
――生々しくはあるんですけど、それだけに多くの共感を呼びそうです。また、「クロマト」は、歌始まりでとてもインパクトのあるナンバーでもありますね。
僕自身、歌から入る曲が好きで、ここ最近の自分的トレンドでもあるんですよ。それに、「クロマト」は今回のEPの1曲目でもあるので、インパクトが欲しいなと思って歌始まりにしてみました。
――配信同日YouTubeに投稿された「クロマト」のMVは、“闇落ち一歩手前”なヒリヒリ感を絶妙に表現した、場面ごとの色づかいも巧みな映像になっていて。
「クロマト」のMVでは、先ほどお話しした“クロマトグラフィー”をサブの題材にしているんですよ。細かいシーンごとの指定はしていないんですけど、色づかいをはじめ曲にとても合った映像になったんじゃないかなと思っています。
――「よるのあるきかた」は、まさにひとり歩く夏の夜に似合いそうな、軽やかポップなナンバーですね。こちらはどんな内容から作られた曲ですか?
会社に勤めている同級生と話したときに、その言葉から働くことの大変さをひしひしと感じて。その話から僕がインスピレーションを受けて、僕の中で噛み砕いて曲にしたのが「よるのあるきかた」という曲です。
――自分の体験や感情をそのまま言葉にしていくことと、「よるのあるきかた」のように他者の体験や感情を言葉にしていくことと。るぅとさんとしてはどんな違いを感じますか?
自分の中の感情を言葉にしようとすると、どうしても恥ずかしさのようなものはあるんですけど……ほかの人が感じたことや体験をもとに歌詞を書くのは、物語を紡ぐような感覚があって。僕としては、「よるのあるきかた」の歌詞は書きやすかったです。
――「よるのあるきかた」の歌詞、主人公の姿が情景が見えてきます。
仕事を終えた主人公が、刺激を求めて夜の街を歩いて、さまざまな感情を抱えながら家に戻って。明日も来るけど、明日も頑張れるかわからないけど、生きていこう、と言う内容です。
――中でも、<付かず離れずでなあなあに死ぬまでよろしくね、人生>というフレーズが印象的で。妥協したり、諦めていたりはするけれど、絶望はしていないのかな?と救われたような気もします。
同級生が、「やめることもできないし、この先どうなるかもわからないけど、つらいことはあっても仕事を続けるしかないから頑張ろう。」と言っていたことですね。
――そして、タイトル曲である「忘れ愛」は、キャッチーなのに胸を締めつけられるようなナンバーに仕上がっています。
自分自身の過去を振り返って作り始めた曲だから、そう感じていただけたのかもしれないです。ただ、「忘れ愛」には、「クロマト」や「よるのあるきかた」のような明確なコンセプトはなくて。恋愛のことを描いているようにも解釈できるだろうし、色々な人に届いて欲しい、共感して欲しいと思って作った曲なので、聴く人それぞれで自由に受け取ってもらえたらいいなと思っています。
――<大人になったふり>をしながらも、<戻れない時間>にどうしてもとらわれてしまいがちな私たち。<戻れない時間を愛し過ぎないよう>というフレーズは、生き方のヒントともなりそうです。
歌詞を書いているとき、学生時代のことなどいろいろなことを思い出したんですけど……昔の記憶って、美化されたりもするわけで、いざ戻ってみたら実はそんなにいいものではなかったりすると思うんですよ。縋り過ぎてしまうから忘れようと。
――確かに。
自分が活動を始めてから今に至るまで、たくさんの人が僕という存在や僕の歌に出会ってくれている中で、数年前に自分のことを応援してくれていた人が、今は違う人のことを応援していて、僕はもうその人の心にはいないんだなと思うと、仕方のないことだとはわかっていても、どうしても哀しい気持ちにはなるんですけど。
――そうした哀しみや寂しさ、るぅとさんはどう乗り越えているのでしょうか。
やっぱり、応援してくださる方たちの存在が大きいですね。投稿する動画や生放送を観てくれたり、コメントをくれたり、色々な選択肢がある中で僕の放送を聞いてくださっているんですね……さっきの話じゃないですけど、それって当たり前のことではないので。本当にありがたいことですし、嬉しいことだなと思っています。
――8月14日に投稿の「忘れ愛」MVも、そのひとつとなりますね。積み重なる断片が、受け手それぞれに違った刺さり方をする映像なのではないかなと。
僕がイメージしていた通りのMVになりました。しっかりリスナーさんに届くんじゃないかなと今のところ僕の中では思っています。色々な捉え方をしてもらえるんじゃないかなと思ってますし、色々な捉え方をして欲しいと思っています。
――なお、2nd EP『忘れ愛』のマスタリングは、日本最高峰のマスタリングスタジオ及びエンジニアの茅根裕司氏が担当されたそうで。楽曲制作に対して妥協なく向き合っているるぅとさんですが、音に対してのこだわりや探究心もよりいっそう増しているのでしょうか。
そうですね。聴いてくださる方にとって、音の違いはあまり気づかないことかもしれない。でも、小さな違いが積み重なることで、“この曲いいな” “なんか好きかも”って感じてもらえるんじゃないかと思っているので。楽曲制作に関して、いつも一緒に曲を作っている松くん、TOKUくんと僕の3人で完結させてしまうことが多いわけですけど、これがプロフェッショナルの作る音なのか!って感動しました。いい音にしていただけて本当に感謝しています。
――さて、『忘れ愛』配信リリース同日・8月14日には単独のバーチャルライブが開催されますが、どんな公演にしたいと考えていますか?
すとぷりとしては1回、すとぷりのほかのメンバーは単独で何回もバーチャルライブを開催しているんですけど、僕個人でバーチャルライブを開催するのは初めてのことで。『忘れ愛』の曲たちも披露できたらいいなと思っているし、楽しみにしてくれている人にとってこの夏の特別な思い出になるような公演にしたいです。
――さらに、8月28日には『すとろべりーめもりー in バーチャル! Vol.2』と題した、すとぷりのバーチャル生配信ライブも開催されますね。
この夏、本当だったらメットライフドームで有観客ライブをする予定だったわけですけど、残念ながら中止せざるを得なくて……リスナーさんに申し訳ないし、僕たち自身すごくやるせない気持ちはあるんですけど、そのぶん、動画投稿や生放送、バーチャルライブでリスナーさんに楽しんでいただこう!と決めて。なかなか心安まらない日々を過ごしているリスナーさんに、今年の夏は楽しかったなと思ってもらえるような、この夏を最高の形で締めくくるようなライブにしたいです。
――4月に開催のバーチャル生配信ライブ『すとろべりーめもりー in バーチャル!』では、メンバーみなさんの3Dモデルがトリッキーな動きに対応しきれず、面白い絵面になってしまう場面もありましたが……。
今回もまた、事件が起きてしまうかも(笑)。ということも含めて、僕も楽しみにしているし、みなさんにも楽しみにしていてほしいです!
――この先、すとぷりとして、また個人としてこんなことできたらいいななど思っていることがあればお聞かせ願えますか?
これまでずっと、僕のことを応援してくださっているリスナーさんに想いが届いたらいいなと思って曲を作ってきて。『忘れ愛』は、リスナーさんはもちろんですが、すとぷりや僕のことを知らない人にも届くような作品にしたいと思いながら制作したので、今後はよりたくさんの方に、僕の曲が響いて、愛していただけたらとても嬉しいです。

取材・文=杉江優花

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