アイドル11組の共演『MAWA LOOP OSA
KA EXTRA 2021』 制限下でも楽しい時
間は作れることの証明、イベント公式
レポート到着

2021.07.03『MAWA LOOP OSAKA EXTRA 2021』 大阪なんばハッチ
MEWM
MEWM

7月3日、総勢11組のアイドルグループが出演するイベント『MAWA LOOP OSAKA EXTRA 2021』が大阪なんばハッチにて開催された。イベントの一番手を務めたのは、今年4月に現体制での活動をスタートさせたMEWM。6人のメンバーが一人ずつステージに現れ、それぞれ中央でポーズをキメたあとに立ち位置に散り、「私たちと最高のMAWA LOOP始めましょう!」というやよいの挨拶を合図に「乙女戦士」を披露。続く「キュントピア」など正統派のポップチューンでゆるやかに会場を温めていく。クセの強い出演陣の中にあって、彼女たちの存在は清涼剤のような役割を果たしている。早い時間から多くの観客が集まっているのもMEWMに対する期待の現れだろう。
初披露の新曲「GIRLed HEART」では終盤に曲が止まってしまうというハプニングがあったが、「この曲を最後まで聴きたい人はまたMEWMのライブに遊びに来てください!」というやよいの機転を利かせたコメントで軽やかに乗り切る。そして、すぐさま気を取り直してアッパーチューン「Miracle Meteor」と「B.B.D」でラストスパート。見事にトップバッターの役目を果たしたのだった。
NightOwl
NightOwl
2番手のNightOwlはオープニングのインストナンバー「Night Cruising」からゴリゴリに踊りまくった。「Be the one」でもシンプルかつダイナミックなダンスで振りコピ勢を刺激する。その後も新曲「夜明け前」などとにかくアッパーな4つ打ちの楽曲が続くが、エネルギッシュな勢いはしっかりキープ。特に腕の振りが大きくキレがあるし、5人の動きがぴたりと合っている。見ていて気持ちがいいぐらいだ。
さらに、メインボーカルを担当する折原伊桜の歌唱力よ。彼女のボーカルパートが増えた(ように見える)終盤からグループはそれまでと異なる魅力を見せた。そして、その声のきらめきはラストナンバー「All Night Long」までまったく失われず、息を切らさずに歌い切る姿は圧倒的ですらあった。ストイックに歌とダンスの両方で魅せる5人のパフォーマンスは、MAWA LOOPに鮮烈なインパクトを残したのだった。
ワールズエンド。
ワールズエンド。
続いて登場したのは、真っ白な衣装で統一した5人組ワールズエンド。だ。テンションの高いオープニングSEからロックをベースにしたアップテンポな「エスオーエス!!」へとなだれ込む。「Distortion」「ドリーミン・ドリーミン」と徐々にBPMの高い楽曲を繰り出し、こちらの興奮を高めていく。どの曲もサビのリフレインの中毒性が高いため、より一層惹きつけられる仕様になっている。それを知ってか知らずか、5人のメンバーはゴリゴリに観客を煽っていくのだった。
MCでは、多くのアイドルで賑わう通常のMAWA LOOPとは違い、出演者が絞られた今回の特別編に自分たちを呼んでくれた主催者へ感謝の意を伝える。そして、時間を惜しむようにすぐさま後半戦へ。披露したのは新曲「オーバードーズ・バッドトリッパーズ」。不穏なタイトルとは裏腹に、シンセサウンドが牽引するメロディアスで青春感あふれる楽曲だ。同じく切ないメロディが印象的な「ハロー・グッドバイ」ではグッとテンポを落とし、5人の歌をしっかり届ける。この流れがとてもよかった。そして、ラストは「タリナイ!タリナイ!」。終始胸を締め付けるようなメロディで突っ走ってきたパフォーマンスのトドメとなるキラーチューンで疾走感あふれる30分を締めた。
PRSMIN
PRSMIN
一人ひとり落ち着いた足取りでステージに現れたのはPRSMINの5人。「私たちがPRSMINです! 今日はよろしくおねがいします!」という元気のいい挨拶とともに披露したのは「platina」。跳ねるようなビート、ポジティブなサウンド、そしてキャッチーなメロディをキュートな5声で歌い上げる。続く「PRSLIVE」「real magic」「zone」とハードなナンバーが間髪入れずに続いていくが、遠くからでもわかるぐらい各メンバーの振りが特徴的。ビシッと合わせるというよりも、各々から溢れ出る個性を重視しているように見える。そういった個々のパフォーマンスの面白さが、グループ全体の面白さにつながっているのかもしれない。そんなことを考えながらステージを眺めているだけで楽しい。楽曲のアグレッシブさに引きずられるのではなく、5人が楽曲を引っ張っていた。
彼女たちの気持ちの強さはセットリストの組み方からも伝わってきた。最初の挨拶から音が途切れることはなく、ノンストップで曲を畳み掛けたのである。とにかく曲を聴いてもらいたい。自分たちのパフォ-マンスを観てもらいたい。そんな思いがしっかりこちらに届いた。ラストの「world with mine」ではさすがに少々疲れが見えたが、そんなのは大した問題ではない。PRSMINが気合いの入ったグループだということは十分に伝わったのだから。
アンスリューム
アンスリューム
イベントが中盤に差し掛かったところで登場したのは、独特な世界観で人気を集めている4人組アンスリューム。クセ強な楽曲群を猛烈な勢いで畳み掛け、MAWA LOOPで狂い咲いた。まずは「アンスデーム」「だだだっ!!!!」で脳内麻薬を分泌させたあとは、アンスリューム初となる夏ソング「かがやけ!サンシャインマスカット」を披露。<シャ、シャ、シャッシャッシャッ>というサビのフレーズが耳にこびりつくポップチューンだ。
それにしても、彼女たちのライブは勢いがすごい。振付は統一感を特に意識しているようには見えないが、その代わりに広いステージを縦横無尽に駆け回るなど、個々の個性を活かしたパフォーマンスは自由度が高い。そして、良質かつ賑やかな楽曲でテンション高く観客を牽引するのである……なんてわざわざ言葉で説明しているが、正直、真面目にレポートを書くのが馬鹿らしくなるぐらい、とにかく楽しい。音源だけでは伝えきれない幸せが彼女たちのステージには詰まっている。そんな思いは「にゅーかおすっ!!!!」で頂点を迎え、最速の体感速度で30分が過ぎていった。全曲披露し終えたあとにメンバーがポロッとこぼした「もう終わっちゃったね」という言葉にはその場にいた全員が同意したことだろう。
QUEENS
QUEENS
QUEENSのステージはメンバーのNANAMIが作詞作曲を手掛けた「eccentric」で幕を開けた。不穏なトラックをバックに、NANAMIから順にメンバーがステージに現れラップをかますという演出。心臓まで響いてくる重低音が効いたヒップホップ寄りの独特なビートとロックサウンドが融合した楽曲でグイグイに押しまくる。その勢いは「迷Qramb」 でも変わらない。シンプルながらダイナミックなダンスは迫力がある。それぞれデザインが異なる衣装からもメンバーの個性が垣間見えるし、いい意味で攻撃的なサウンドとのミスマッチ感を生み出している。メンバーのテンションもサウンドに負けないぐらい高い。丁寧さよりも勢いを重視した歌唱がカッコいい。「shooout!!」ではメンバー個々の動きと組織力の対比を活かしたステージングを見せる。特にメンバー全員がステージ前方へと乗り出して観客を煽る姿は、その必死さとグループの勢いがあいまってグッとくる。
メンバー紹介をシンプルに終わらせたあとに披露した「ボーイミーツガール」で場内の熱がさらに高める一方、ドラマティックに展開していく「Shooting Star」はエンディングでの一瞬の静寂が美しかった。これは観客が声を上げられない今の状況でないと味わえない貴重な瞬間だった。
ラストはこれまでの楽曲に輪をかけて高速で展開する「ストレリチア」。トラックはパンクっぽいのだが、爆音の外音とあいまってハードコアテクノかと思うぐらい暴力的に聴こえる。振りコピをしている観客も多数。しかし、周囲に迷惑かけるレベルではないように見えた。これまでに培ってきたアイドルファン独特の感覚がこれを可能にしているんだろう。
『MAWA LOOP OSAKA EXTRA 2021』
MAWA LOOPもちょうど中盤。各グループともに30分という短い時間に各々の実力と魅力を凝縮して振りまいていく。なんせこの日出演した11組はすべてが実力派。長さを感じさせないイベントになっていた。
従来であればとんでもない盛り上がりを見せるMAWA LOOPだが、今回1階はすべて椅子席となっていて、通路での観覧は禁止。もちろん、ドリンクカウンターでアルコールは扱っていない。転換中に談笑している人はいるものの、昨今の常識から外れるような場面を目にすることは一度もなかった。自分たちの居場所を守るという意識が十分根付いているんだろう。
アイドルイベントに欠かせない特典会は場内数カ所で分散して行われ、アイドルとの会話は飛沫防止用のビニールシートを挟み、両者マスク着用の上で交わされている。このような感染症対策をしっかりとった上でMAWA LOOPは運営されていた。
NEO JAPONISM
NEO JAPONISM
話をライブに戻そう。定刻どおりに全速力でステージに現れたのはNEO JAPONISMの5人。メインボーカルの滝沢ひなのが「今日は楽しんでいきましょう! MAWA LOOP、まだまだ楽しんでいこうぜー!」と観客を煽り、「rewind the story」のハードロックサウンドを場内に響かせる。滝沢は「まだ手ぇ挙がる! まだ手ぇ挙がる! もっと欲しい!」と激しく煽った直後、落ちサビでキュートなボーカルを聴かせる。このギャップが面白い。滝沢はMCで「“闘う”をコンセプトにしているグループです!」と自分たちについて説明したが、「それはそうでしょうねえ」と同意せざるを得ない。
勢いを大事にしたステージングが際立つNEO JAPONISMだが、実はメンバー全員歌唱力が高い点も見逃せない。歌に感情がしっかり乗っているし、そのスタイルが彼女たちの楽曲には合っている気がした。それが際立っていたのは、一体感を意識した振付が映える「Set off」のあとに披露した「WORLD PARADE」。特に、ユニゾンパートの迫力には鳥肌が立った。ラストは「sky」で締め。印象的なビッグコーラスと観客全員の手拍子でエモーショナルに幕を閉じた。
Kolokol
Kolokol
異国の童話の世界にでも迷い込んだかのようなメルヘンチックなSEをバックに悠然とステージに現れ、順々に各々の立ち位置についたのはKolokolの4人。ここまで比較的ハードな音を鳴らすグループが続いたが、彼女たちはじっくり聴かせる歌が持ち味。オープニングナンバー「Lullaby」は中毒性の高い楽曲で<Do Do Da Lu>というサビのフレーズが強烈に耳に残る。それとともに両手を掲げて飛び跳ねる振付はシンプルながらキャッチー。一瞬にして心を掴まれた。
そこから一転して、「Dead End」ではストレートなロックチューンで牽引する。ロックとはいえ、ストリングスやその他の上モノを巧みに重ねたバランスのとれたサウンドで非常に聴きやすい。4人のダンスの連携も美しく、観客もぐいぐい引き込まれていく。新曲「Miss Shooting Star」でも練度の高いフォーメーションで魅せる。
何よりKolokolは楽曲のクオリティが圧倒的に高く、それを特徴のある4人のボーカルがカラフルに彩る。「Rascal」では2階席の観客が一斉に後方のスペースに躍り出て振りコピを始めた。もちろん、ソーシャルディスタンスをしっかり意識しながら。そして、凱歌のように華々しい「Fanfare」まで30分の中でしっかりストーリーを作り上げ、巧みなステージ運びでエンディングを迎えた。
#ババババンビ
#ババババンビ
今回MAWA LOOP初出演となったのは、昨年コロナ禍にデビューを果たし、今年春に新メンバーを迎え入れ7人体制へと進化した#ババババンビ。大人数を活かした複雑なフォーメーションで、特に左右への動きが特徴的でキュートだ。「星形」では一見するとバラバラだが実は規則性のある動きが見ているだけで楽しかった。
楽しさを全面に押し出す7人だが、実はこのステージにたどり着くまでが大変だったという。この日は静岡県を中心に降り続けた局地的な大雨の影響で新幹線が運休。急きょメンバーだけ飛行機で大阪まで飛び、さらになぜかリムジンで会場へ。そして、セットリストの内容がメンバーが思っていたものと違ったという。そんなわちゃわちゃした裏側は、いい意味でパフォーマンスにも表れていた。しかし、正統派なセツナソング「Clover」、細かい振りをビッと揃えてくる「ハナビガタリ」、ストレートな青春ソング「青春ギルティ」と、初のワンマンライブから3カ月しか経っていないなんて信じられないぐらい質の高いライブを展開。「圧倒的な顔面偏差値」という触れ込みの彼女たちだが、すごいのはビジュアルだけでないことをこの30分間の間に笑顔で軽やかに証明した。
ヤなことそっとミュート
ヤなことそっとミュート
これまでの雰囲気をガラッと変えたのはヤなことそっとミュートの4人。今年5月に新メンバー彩華が加入。大阪でのライブは新体制になってから初となる。まだ不慣れな点も多いだろうが、そんな様子はまったく見受けられなかった。それは1曲目「僕らの小さな地図」から明らか。オルタナティブなロックサウンドながら、振付はコンテンポラリーダンスを取り入れたもの。個々の高いスキルと優れた表現力でより一層の輝きを放つ。メンバー間の連携も見事だ。「Sing it out」でも気高さを感じさせるパフォーマンスに引き込まれつつ、キュートなMCとのギャップに緊張が解ける。
「熱々のまま最後まで駆け抜けたいと思います」と短めに意気込みを語ったあとは後半戦。複雑なビートで展開していく「レイライン」から始まり、エッジの効いたポストハードコア的なサウンドで疾走する「結晶世界」へと見事につなげていきフィニッシュ。この圧倒的なパフォーマンスに観客も両手を挙げて盛り上がるというよりも、ただただステージに見入っていた。ある意味、これも正しいリアクションだと言える。
我儘ラキア
我儘ラキア

さあ、イベントのトリを飾るのは我儘ラキアだ。川﨑怜奈から順にステージへ姿を現すと2階席の観客が一斉に立ち上がり、声を出さずに大熱狂。いや、これまでのライブも盛り上がってはいたのだ。だが、4人の登場とともに一気にハッチがワンマンライブのような雰囲気になったのである。
メインボーカル星熊南巫が同日に行われていた某ロックフェスの名前を挙げ、「ここを選んだお前ら、天才!」と笑いかけたあと、「There is surely tomorrow」を披露し、会場全体をラキア色へと染め上げる。メインボーカルは星熊だが、ラキアはメンバー全員が自己を存分に主張し、全員が主役を務める。「どこのアイドルにも負ける気はしないし、だから大トリやってるんで」という星熊の言葉はただイキっているだけではない。実際、半年以上前に観たときとメンバーがまとっているオーラが明らかに違う。前作『WAGAMAMARAKIA』を携えたツアーをきっかけにさらなる飛躍を遂げたことがよくわかる。ラストの「SURVIVE」の落ちサビで見せた会場の一体感は、コロナ禍にもめげずに重ねてきたライブの賜物だろう。大充実の30分で、ラキアはMAWA LOOPのトリを立派に務めあげた。彼女たちの勢いは今後さらに増していくことは誰の目にも明らかだったはずだ。
こうして、「MAWA LOOP OSAKA EXTRA 2021」は幕を閉じた。残念ながらコロナ禍の出口はいまだ見えないが、MAWA LOOPのようなイベントとアイドルとファンによる協力体制をしっかり整えさえすれば、厳しい制限下でも楽しい時間をつくれるということが証明されたと思う。自分さえ楽しければいい、というスタンスは何も生み出さない。こんなにも楽しいイベントがいつまでも楽しめるように、大切な場所は自分たちの手でしっかり守っていきたいと改めて再認識するのだった。
取材・文=阿刀 “DA” 大志 撮影=真島洸

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • POP TUNE GirlS / 『佐々木小雪のイラスト花図鑑』
  • POP TUNE GirlS / 『涼水ノアの、ノアのはこぶ絵』

新着