L→R PETE(Key&Trumpet&Cho)、KAZUMA(Dr)、KENNY(Vo&Gu)、AKUN(Gu)

L→R PETE(Key&Trumpet&Cho)、KAZUMA(Dr)、KENNY(Vo&Gu)、AKUN(Gu)

【SPiCYSOL インタビュー】
ようやく自分たちがやりたいことを
発信できるようになってきた

2013年の結成以来、自ら掲げる“The Surf Beat Music”を奏でてきたSPiCYSOLがメジャー1stアルバム『From the C』をリリースする。やりたいことを片っ端からやったという今作は神奈川県の茅ヶ崎を拠点に新たな一歩を踏み出した彼らの挑戦が目いっぱいに詰まった一枚となった。

メンバー4人中3人が茅ヶ崎へ
引っ越したことに縁を感じたんです

今回のメジャー1stアルバムのタイトルが“From the C”で、2015年にリリースしたインディーズでのデビューミニアルバムのタイトルが“To the C”。なかなかウィットに富んでいて、思わずニヤリとなりました。

KENNY
コロナ禍で中止せざるを得なかった全国ツアー『SPiCYSOL TOUR 2020 “FREE&EASY”』を含め、しばらくライヴ活動ができなかったんですけど、ようやくライヴを再開した時、メンバー4人中3人がたまたま茅ヶ崎というサザンオールスターズさんで知られる街に引っ越したことに縁を感じたんです。『To the C』でデビューして、ようやくC (=Chigasaki)に辿り着いたじゃん!と話になって、活動を再開したライヴのタイトルを“From the C”にしたんです。それがメンバー的に響いて、メジャー1stアルバムでもあるから、新たな一歩目、ここからという意味も込めて“From the C”となりました。
AKUN
いくつかある候補の中で一番しっくりきたんです。今年4月に配信リリースした『ONE-EP』というEPに入っている茅ヶ崎のことを歌った「From the C」も収録されるし、ジャケットも茅ヶ崎在住のRYU AMBEさんというアーティストに描いていただいているし、茅ヶ崎(Chigasaki)から発信するアルバムという意味でも“From the C”ならぴったりだと思ったんですよ。

『To the C』をリリースした時は、茅ヶ崎在住ではなかったんですね。

KENNY
そうなんですよ。
AKUN
『To the C』の時は、海(sea)とカリフォルニアの“C”だったんですよ。
KENNY
でも、その頃から僕のサーフィン友達からサザンビーチちがさきのシンボル、茅ヶ崎サザンCでアーティスト写真を撮ったらいいじゃんと言われていたんです。それに両親もめっちゃサザンオールスターズが好きだったから、なんとなく深層心理にはあって(笑)。上京した時からずっと湘南でも千葉でも、どこか海沿いに住みたいと思っていたんですよ。でも、週7日ほぼ都内だし、現実的に難しかったんですよね。それがようやく、2019年末の全国ツアーがソールドアウトして、自分たちの気持ち的にも一段階上がれたと感じた時に、もっとライフスタイルから音を鳴らせるミュージシャンになりたいと思って。で、そろそろ住んでもいいかと考えて2020年1月に、まず僕が茅ヶ崎に引っ越したんです。新型コロナウイルスが蔓延するギリギリ前でしたね。

「From the C」を聴いていると茅ヶ崎の居心地の良さが伝わってきますが、それもありつつ、メジャーデビューというタイミングで今一度、自分たちがどこから来たのかを確認しておこうという想いもこの曲には込められているのではないでしょうか?

KENNY
まさにその通りで(笑)。それもあるし、自然の大切さというか、僕は地元が北海道ってこともあり、自然ありきだろうとも思っていたので、そこも伝えられたらと思いました。SPiCYSOLの“SOL”ってそもそも太陽という意味だから、自然の聴こえる音楽ができたらいいなというところも引っくるめて、“From the C”と掲げて新たに一歩を踏み出したいと思ったんです。

メジャーデビューをきっかけにSPiCYSOLに出会う人もいると思うのですが、その人たちに『To the C』を振り返って聴いてほしいという気持ちもありますか?

KENNY
時間があれば(笑)。もちろん作品ごとに全力を出しきっているので、後悔はないんですけど、“ここはこうしておけば良かったな”というのがあとから出てくることもあるんですよ。結局、今のベストパフォーマンスは一番新しい音源だと思うから、まずはそこを聴いてもらって、そこからいろいろ掘ってもらえれば嬉しいですね。

なぜ、そんなことを訊いたのかと言うと、『From the C』でSPiCYSOLを知ったリスナーが『To the C』を聴いたら、結構やんちゃなのでびっくりするんじゃないかと思ったからなんです。でも、こうしてお会いしてみると、まだまだやんちゃなところも残っているようですね(笑)。

KAZUMA
大人になりきれてないですからね(笑)。
KENNY
それはあなただけ(笑)。

バンドの本質は何も変わっていないと思うのですが、『To the C』から『From the C』まで、表現の方法はずいぶん変わってきましたね?

KENNY
アルバムごとに曲調はもちろん、ジャンルすら変わっているんじゃないかと思うところもあるんですけど、僕ら的には“変えてきた”というよりも“挑戦してきた”という感覚なんです。学生時代からの友達だったわけではなく、東京で知り合ったメンバーと結成したバンドなんで、スタイルの見つけ方がちょっと難しかったけど、一年で事務所が見つからなかったらバンドなんて売れるわけないと思っていたから、売れるために試行錯誤をして事務所を見つけたんです。だから、ある意味とんとん拍子というか、うまいこといっていたんですけど、僕ら4人は何を伝えたいのか、どんな音を鳴らしたいのかは、正直言ってちょっとあと回しにしていたところもあるし、見つけないまま進んできたんです。ライヴのスタイルはまだ定まっていないけど、全国ツアーをやると決めてどんどんやってきて、その右往左往しているところに温かいファンがついてくれたのはありがたいですね。自分たちのスタイルという意味では、ようやく最近掴んできたのかな? それまでのインディーズ時代は、自分たちのスタイルを探す旅だったところがありますね。
AKUN
もしかしたら過去の作品はちょっと背伸びしているというか、ひとつの目標を目指して作っている感じだったんですけど、今の楽曲は自然とやりたい音が鳴っている感覚があって。音楽だけじゃなくて、音楽に付随してくるアートワークや映像とかも含めて、ようやく自分たちがやりたいことを発信できるようになってきたと思います。

「From the C」という曲は最後、《踏み出そう 今その先へ》という歌詞で終わります。《その先へ》というのは具体的な何かということではないと思うのですが、今、パッと思い浮かぶ《その先》というのがどこなのかおひとりずつ教えていただけないでしょうか。

KENNY
今後の展望みたいなことですよね? 
PETE
これはメンバー全員でも言ってることなんですけど、どこか島を貸し切ってフェスを開催したいです。この間、久しぶりにフェスに出演させてもらった時に、やっぱり野外っていいなと思ったんですよ。いつか自分たちのでっかいフェスを海の見えるところでやりたいですね。
KENNY
バンドをやらせてもらっている以上は、僕がガキだった頃に見ていた先輩のバンドマンがやっていたカッコ良いことを自分たちでもやりたいです。僕らが学生だった時、ミクスチャーシーンを支えていた先輩たちはフェスもそうなんですけど、仲間のバンドが集まって、ちゃんとムーブメントを起こしていたと思うんです。それが最近のバンド界隈では少ないのかな? 別にそれをやらなきゃいけないってことではないと思うんですけど、僕はクソガキたちが楽しんでいる感じに憧れてミュージシャンになったところもあるんで。PETEが言ったフェスもそのひとつなんですけど、最近の子供たちの憧れであるYouTuber以外でも、もっとリアルでカッコ良くて、面白いものがあるぜ!って示せるのがミュージシャンなのかなと。僕らの代でちゃんと先輩たちが作ってきたカッコ良いものを受け継いで、下の世代につなげていきたいと思っています。
AKUN
細かいことはいっぱいあるんですけど、大きな目標は茅ヶ崎に住んでいる人が“茅ヶ崎と言ったらSPiCYSOLだぜ!”と言ってくれるアーティストになりたいです。それってたぶん日本一ってことだと思うんですけど、でも本当にそこを目指していきたいです。
KAZUMA
みんなが言った通りなんですけど、最後につけ加えるなら、この間、フェスで大阪に行った時にたこ焼きを食べて、すごく美味しいと思ったので、たこ焼き屋さんを開きたいと思っているってことですね(笑)。
KENNY
言うと思った。
AKUN
スタジオの近くにたこ焼き屋ができたじゃん!
KAZUMA
あぁ、できたね。あそこを潰しにいくぐらいの気持ちでやろうかなと思っています(笑)。

それはSPiCYSOLという看板を掲げてですか?(笑)

KAZUMA
もちろん!
KENNY
ダメです、ダメです! 使わせません。
KAZUMA
SPiCYSOLの“O”のとこだけ、たこ焼きになっているっていう(笑)。
AKUN
何でもできちゃうね。ドーナツ屋もできちゃうし、ピザ屋もできちゃうし。
KAZUMA
全部、系列にします(笑)。

(笑)。それはさておき、『From the C』は盛りだくさんの内容のアルバムになったと思います。外部からサウンドプロデューサーや多彩なゲストを迎えているところも聴きどころではないかと思うのですが、サウンドプロデューサーを迎えた「So What」「THE SHOW feat. Def Tech」「ONLY ONE」の制作はいかがでしたか?

KENNY
今までは実力をつける期間だと自分たちでも思っていたので、ほぼサウンドプロデューサーは入らない制作だったんですけど、嬉しいことにワーナーミュージック・ジャパンに入った時、僕らのチームのボスが“せっかくメジャーに来たんだから、失敗しちゃってもいいくらいの覚悟でやってみたいことを全部やれよ”と言ってくれて。“それなら、たくさん勝負させてください!”って、やってみたかったことを片っ端からやってみたんです。そのひとつがサウンドプロデューサーを迎えることだったんですよ。

プロデューサーの人選はバンドのアイディアだったのですか?

KENNY
そうです。Shin Sakiuraくんは“チルポップス界の貴公子”という異名もあるくらい、若手でセンスがずば抜けているってところで名前が聞こえてきた人だし、SUNNY BOYくんも、今、普通にポップスを聴いていれば、至るところで名前を目にする人だし、ふたりと制作できたことはめちゃめちゃ勉強になりました。音の作り方が新しいのはもちろん、メンバーだけで作っていると音色もフレージングも凝り固まっちゃうんですよ。そこを崩してもらったのはでかかったです。
AKUN
プロデューサーを入れるって甘えなんじゃないかとちょっと思っていたんですけど、レベルアップさせてくれる感じはすごくありましたね。
L→R PETE(Key&Trumpet&Cho)、KAZUMA(Dr)、KENNY(Vo&Gu)、AKUN(Gu)
アルバム『From the C』

OKMusic編集部

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