L→R PETE(Key&Trumpet&Cho)、KAZUMA(Dr)、KENNY(Vo&Gu)、AKUN(Gu)

L→R PETE(Key&Trumpet&Cho)、KAZUMA(Dr)、KENNY(Vo&Gu)、AKUN(Gu)

【SPiCYSOL インタビュー】
ようやく自分たちがやりたいことを
発信できるようになってきた

一流のサッカー選手なんだから
安っぽいことをさせたくなかった

SUNNY BOYさんとは「So What」に加え、「THE SHOW feat. Def Tech」も制作していますが、Def Techとの共演は念願だったそうですね。

AKUN
3年ぐらい前に一緒にやろうという話は出ていたんですけど、その時は実現できず、今回改めてオファーしてようやくできました。

楽曲はどんなふうに作っていったのですか?

KENNY
みんなでスタジオに入って、アイディアを出し合いながら作っていきました。最初はDef Techだし、SPiCYSOLだし、さわやかなサーフポップというか、海っぽい曲にしようと言っていたんですけど、それはいつでもできるから。コロナ禍で足止めを食らっていることを考えたら、《The show must go on》と歌詞にもあるとおり、僕らもやり続けていかなきゃいけないし、世の中のみんなもそれぞれのステージで頑張っているんだから、今こそその状況を歌ったほうがいいんじゃないかと。それでレゲエというか、レベルミュージックの要素を入れて、メッセージを伝える曲にしました。Def Techもレゲエをやっているし、僕らのルーツにもレゲエはあるし、いい意味でリスナーを裏切っちゃおうかって作ったところはあります。

力強い言葉の裏では、ひょっとしたらSPiCYSOLも気持ちが折れそうな時もあったのかなと想像したのですが。

KENNY
メンバー同士で確認はしませんでしたけど(笑)、きっとそれぞれにあったんじゃないかと思います。僕はありましたね。疲れちゃった時が。
AKUN
ツアーをやるやらない、ライヴをやるやらないという話は結構心が削れますね。やったはいいけど、集客がいまいちだったとか、ライヴを決めても当日にならないと分からないところがあるとか、ミュージシャンが考えることじゃないことをいっぱい考えさせられましたね。

疲れちゃったとKENNYさんはおっしゃいましたが、そんな時に作ったのが「かくれんぼ」ですか?

KENNY
そうです。だいぶ疲れちゃっていましたね。その時のやり場のない想いを歌詞にしたんです。

最初はInstagramで弾き語りバージョンを一部公開したわけですが、その弾き語りをもとに今回のアルバムに収録されているバージョンを作ったのですか?

KENNY
そうです。

弾き語りから、どんなふうにかたちにしていったのでしょうか?

AKUN
今回のアルバムには弾き語りも含め、ふたつのバージョンが収録されているんですけど、ライヴではそれとはまた違うアレンジでやっていて。7月3日の『73machi One Man Live in Zepp DiverCity』の最後に初披露したんです。それこそさっきの話になっちゃうんですけど、そのライヴをやるのかやらないのかだったり、集客とかいろいろ考えた時に自分の中でセットリスも全然しっくりきてなくて。やりたいことができないと思っている時に改めて「かくれんぼ」を聴いたら…もちろんアーティストだから良く見せるとか、カッコ良く見せるとかも大事なんですけど、ありのままでもいいのかなと思って。それで、僕からみんなに“セトリの最後に「かくれんぼ」を入れたい”と提案したんです。そんな流れがあって、バンドアレンジになって、同時にアコースティックバージョンもその日にYouTubeにアップして。そこからアルバムに入れるとなった時に、このまま王道で行ったら普通だと思ったので、ちょっとシティポップというか、ローファイというか、そういうアレンジを提案してみたんです。

ドロップパートで鳴っているのはギターですか?

PETE
ギターとオルガンとエレキピアノをミックスしているんです。

なるほど。何の音なのか不思議だったんですよ。

AKUN
ギターもオクターバーとか、いろいろエフェクターをかけているんです。なんかちょっと不思議な感じになりましたね。

そして、プロサッカー選手の槙野智章さんをゲストに迎えた「LIFE feat. 槙野智章」はバンドサウンドとはちょっと違うアレンジが新鮮でした。

AKUN
どういう曲にしたいかという話をした時、“みんなが元気になれる曲にしたい”という槙野くんからの希望を踏まえた上で、僕らのイメージは“槙野くん=スタジアム”だから、大きな会場で鳴らしている楽曲にしたいと思ったんです。あとは、ストリングスが鳴っているイメージですね。そしたら槙野くんもそういうイメージを持っていたので、それを膨らませていきました。サッカーの試合中にサポーターがシンガロングできるようなアンセムにしたかったんですよね。

マーチングスネアをはじめ、力強いドラムの音色が印象的で。

KAZUMA
何本かパターンの違うスネアの音色を録って、それを重ねているんです。

この曲をライヴでやる時は、ひょっとしたらメンバー全員で太鼓を叩くのかなってちょっと想像しました(笑)。

AKUN
あははは。そういうアンレジもできそうですね(笑)。
KENNY
槙野くんが叩いた和太鼓の音も入っているんですよ。
KAZUMA
ドーン!ってキックみたいに入っているのが和太鼓ですね。

中盤の槙野さんによるセリフパートもびっくりでした。

KENNY
せっかくマッキー(槙野の愛称)をフィーチャリングするんだから、歌詞や和太鼓に加え、もっと本人から出るものでも参加してほしかったんです。でも、歌わせるのは違うと思って。カラオケみたいになっちゃうと思ったし、それは彼の良さじゃない。一流のサッカー選手なんだから、安っぽいことをさせたくなかったんですよね。それで、槙野くん自身で参加してもらうにはどうしたらいいか考えて、彼自身が熱いメッセージを持っているんだからスピーチしてもらったらどうだろうと。メッセージを声に出したら絶対に熱が生まれると思ったから、これはスピーチしかないでしょ!となり、槙野くんには“キング牧師みたいにスピーチしてください”と言いました(笑)。

そんな「LIFE feat. 槙野智章」も含め、『From the C』はバンドが持っているいろいろな魅力を楽しめる作品になったと思うのですが、バンドアンサンブルは全体的に音数を厳選したものになっている印象がありました。今回、バンドサウンドという意味ではどんなものを目指したのですか?

KENNY
まさに“音数は少なく”というところを目指しました。前々からマスタリングのエンジニアさんから“音が多くて、個々の音を際立たせるのが難しい”と言われていたんです。J-POPってだいたいそうだし、そういう音作りができているバンドは日本にはそんなにいないんですけど、“それを目指すことはSPiCYSOLに合っているんじゃないか”と言ってもらってからずっと追求してきたんですね。個々の帯域でこだわった音作りがうまくできるようになったのが今回のアルバムなのかなと思います。
PETE
サウンドプロデューサーが入って一番変わったのがそこで。必要な音しか鳴らさないんですけど、そのひとつひとつがすごくいい音だから、それでもちゃんと迫力は出るんですよね。それが今回の制作で一番教えられたことでした。
AKUN
音数を少なくしようと思ったきっかけはもうひとつあって、普通のJ-POPって車で走りながら曲を聴いていると、いろいろな雑音が入って何も聴こえなくなっちゃうんですよ。でも、洋楽の音数の少ない系の曲だと、ちゃんと聴かせたいところが聴こえてくる。それはやっぱり海外、特にアメリカは車文化だからというのがもしかしたら関係しているのかもしれないけど、そういうことも考えて、レコーディングの途中でも収録した曲を高速道路で聴きながら走ってみて、“この音は必要かな?”とか“この音が足りないかも”とか確認していました。
KAZUMA
ドラムは今回、打ち込みの曲が多いんですよ。生ドラムだと鳴りすぎちゃって、ドラムだけでかなりの周波数の帯域を占めちゃうんです。ロックバンドだったらそれがカッコ良かったり、音圧で押し出すみたいになったりするんですけど、僕らがそれをやってもカッコ良くならない。それぞれに何をやっているのかがよく聴こえるようにするには、音源だと打ち込みのほうがいいんです。中には自分が叩かかなきゃ嫌だという人もいるかもしれないけど、僕はそういう気持ちはなくて。叩けたらレコーディングは普通に楽しいですけど(笑)、一番は曲がカッコ良くなればいいんです。ライヴでは叩けるし、それが音源とライヴの違いにもなるし。今回、打ち込みの曲が増えたぶん、すっきり聴こえて、さらに良くなったと思います。
AKUN
曲によっては部分的に生ドラムを使ったりもしているんですよ。
KAZUMA
生ドラムと打ち込みを重ねたりもしています。
AKUN
そうやっていろいろ実験はしつつね。

最後にリリース後に予定している全国7都市を回るツアーの意気込みを聞かせてください。

PETE
コロナ禍で全然ライヴができなかったから、本当にひさびさのツアーなんですよね。だから、生音を楽しんでもらいたいと思っています。声を出せなくても一緒に楽しめるようなライヴにしたいですね。
AKUN
ツアータイトルが“From the C”なので、旅行に行けないこのご時世に何か茅ヶ崎っぽいものを届けられるライヴにしたいです。
KAZUMA
ステージのセットや飾りつけも含め、音楽以外の演出も頑張ってみようと思っているので、そういうところも楽しみにしていただけたらと思っています。
KENNY
音源は音源、ライヴはライヴと割りきってこだわっているので、ライヴならではのアレンジとサウンドを楽しんでもらいたいですね。こういう状況なので、“絶対に来てください”とは言えないですけど、こんなご時世だから新型コロナウイルス以外の病気になっちゃう人も少なからずいると思うんですよ。そういう人たちを救いたいと言ったら大袈裟になっちゃうけど、僕ら自身がそうだから。ライヴがない生活なんて無理なので、その人たちと同じ気持ち、同じ空間を共有できれば最高だなと思いながらすごく楽しみにしてます。

取材:山口智男

アルバム『From the C』2021年10月6日発売 WARNER MUSIC JAPAN
    • 【完全生産限定盤】(CD+DVD+グッズ)
    • WPZL-60001〜2
    • ¥6,545(税込)
    • 【通常盤】(CD+DVD)
    • WPZL-31908〜9
    • ¥3,850(税込)

ライヴ情報

『SPiCYSOL Tour 2021 "From the C"』
10/22(金) 仙台・MACANA
10/24(日) 北海道・SPiCE
11/06(土) 広島・LIVE VANQUISH
11/07(日) 福岡・BEAT STATION
11/23(火) 東京・恵比寿 The Garden Hall
11/27(土) 大阪・BIGCAT
11/28(日) 名古屋・BOTTOM LINE

SPiCYSOL プロフィール

スパイシーソル:オフィシャルHP『The Surf Beat Music』を掲げ、ロック、ファンク、R&B などさまざまなジャンルの要素が入り混じった新しいサウンドに、心に染みるメロウな歌声でメロディーを紡ぎ、独自の進化を遂げた“City”と“Surf”が融合する新世代ハイブリッドバンド。2013年に結成し、15年にデビューミニアルバム『To the C』をリリース。17年5月に1stフルアルバム『SIGNAL』、18年7月に2ndアルバム『Mellow Yellow』を発表。19年から全国ツアーも開催し全公演ソールドアウトを記録する。20年4月に3rdアルバム『The U-KiMAMA'N'i』をリリースし、21年4月に配信作品「ONE-EP」でメジャーデビューした。同年10月にメジャー1stアルバム『From The C』を発表し、全国ツアー『SPiCYSOL Tour 2021 "From the C"』を開催する。SPiCYSOL オフィシャルHP

「THE SHOW feat. Def Tech」MV

「So What」MV

「かくれんぼ
(KENNY 弾き語りdemo ver)」
Lyric Video

2021.7.3 73machi One Man Live
in Zepp DiverCity DiGEST MOViE

OKMusic編集部

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