L→R HISASHI(Gu)、JIRO(Ba)、TERU(Vo)、TAKURO(Gu)

L→R HISASHI(Gu)、JIRO(Ba)、TERU(Vo)、TAKURO(Gu)

【GLAY インタビュー】
揺るがないリアルというものが、
今回のアルバムには必要な要素だった

Tomi Yoくんの仕事ぶりには
驚きと喜びがあった

分かりました。続いて、配信第三弾だった「BETTY BLUE」。今作のオープニング曲になりましたが、GLAYはツインギターのバンドであることと、ここ5年間くらいTAKUROさんが活発化させたソロワークの成果が楽曲にはっきりと表れているのではないかと思います。

あぁ、まさにそうで…それはこの曲の肝ですね。コードで言うならmaj7#5とか代理コードを意識して使うといったところがこの曲は顕著で。川村ケンさん(音楽プロデューサー。TAKUROのソロ作品に参加)と一緒に、同じメロでもとにかくコードを考えることで、音楽の奥深さみたいなところを、ソロアルバム『Journey without a map』(2016年12月発表)『Journey without a map II』(2019年2月発表)で随分と感じて、その結果としてmaj7#5というようなことに対してメンバーの造詣も十分に深まったので、全然平気で料理してくれるというか。その辺は自分がソロをやったことの効果もあるし、メンバーの受け止め方の懐の深さもあって、この曲は随分と音楽的にややこしいことをやっていますね。

Bメロでそれぞれの単音弾きのギターが重なりますが、あそこは、TAKURO、HISAHIのギタリストとしてのタイプの違いがはっきり分かりますね。

ギターに関しては、全曲そうだけれども、過去の自分のスタイルはいったん置いておいて、今回はまったく新しいアプローチでやっていますね。この曲のBメロもそうだし。それはかなり意識して、今までのアプローチに甘えないように、『Journey without a map』でのセッションで得たものを…という。簡単に言うと、HISASHIのギターが最大限に活きるもの、GLAYがギターバンドであるという理由がはっきりと分かるものを…ということはかなり意識して弾いてますね。“HISASHIがいるんだったら、俺はもう1弦と2弦だけを弾いてるだけでいいんじゃないか”という結論に至ったという(笑)。でも、1弦と2弦で本当にGLAYらしさを表現したいし、できるようになりたいんですよね。

2枚のソロアルバムで確立したギタリストとしての個性、アイデンティティーを、ようやくバンドに反映することができたということでしょうか?

今回はTAKUROのギタリストとしてのデビューアルバムにかなり近いですね。頭の中にある膨大な日本の音楽を情報処理して、自分の血肉として出せるようになった。それはJIROにも感じますけどね。

そうですね。「BETTY BLUE」もベースラインがとても素晴らしい。めちゃくちゃいいですね。

うん。“JIRO=「SHUTTER SPEEDSのテーマ」(1996年11月発表のアルバム『BELOVED』収録曲)”というイメージを持たれている人もいるかもしれないけど、そのイメージではなく。亀田誠治さんと組んで4枚目、ベーシストとしてあそこまで歌えるというのは、JIRO自身がここ5年間くらいで手にしたシグネチャートーンじゃないかなと、個人的には思うんですけどね。

激しく同意します。「BETTY BLUE」に限らず、メンバーそれぞれのキャラクターが発揮されていると思いますよ。「BETTY BLUE」に関してはもう一点。メロディーに開放感がある一方で、歌詞はそうでもない感じがしていまして、その辺は少し新鮮でしたね。

美メロに対して結構、残酷な言葉を乗せるのは、もう俺の性癖(笑)。非常にゾクゾクしながらやりましたね。こうした面白さは、1980年代にUP-BEATの広石武彦さんなどから学びました。

「BETTY BLUE」の歌詞は絶望の瞬間のような内容ですね。

でも、これは俺だけが感じていることかもしれないけど、ここ何年間か、巷の歌を聴いていると、人間の感情みたいなものをざっくりと分けすぎていて、“喜怒哀楽だけじゃないんだけどなぁ”という一リスナーとしての感想はあります。“励ますなら励ますでもいいんだけど、誰かを励ますことの功罪は描かないんだ?”とか、誰かに寄り添うことの罪深さ、残酷さというものも聴きたいなと。そう思った時、“誰も書いてくれないから自分で書こう”というところはあったかもしれないですね。

続いて、8月に先行シングルとしてパッケージCDでリリースされた「BAD APPLE」。アレンジャーにTomi Yoさんを迎えているのがポイントだと思いますが、まず彼を起用した経緯を教えてください。

「BAD APPLE」のデモを皆に聴かせた時に、TERUから“この曲はすごくいいから、Tomi Yoくんという新しい人とやりたい”ということで。TERU自身が本人とDMで連絡して段取りをつけてくれて。だから、完全なTERUマターです。俺はもちろんTomi Yoくんの名前は耳にしていたんだけど、どれが彼の仕事か知らなかったの。でも、その辺は相変わらずGLAYですから、情熱を持っている奴が旗を振ってそのプロジェクトを進めるので、この曲に関してはTERUがグイグイと舵を取ってくれて、Tomi Yoくんとの新しい出会いもあり…という。“やっぱりすごいなぁ”と、その仕事ぶりに驚きと喜びがありましたからね。完成版は最初のデモの段階から変わってないんじゃないかな? “この方向でいい”ではなく、“これがいい”という。ちょっと江戸川乱歩的な感じなんだよね。それが病みつきになるという。

イントロのリバースから始まって、ギターのディレイの長さ、低音のシンセベースと、ずっと不穏な感じなんですよね。誤解を恐れずに言えば、ちょっと気持ち悪いです。

それなんだよね(笑)。今、綺麗事というものが良しとされていて、それこそ自粛警察なんてものもそうかもしれないし、世の中で正しいと言われるもので相手のほっぺを思いっきりビンタするみたいなことが流行っているから、“いやいや、自分は自分の中の狡さや汚さを知っているはずでしょ?”っていう。そういうサウンドになればいいと思ったよね。

ギスギスした感じと言いましょうか、そうした現代の空気感を楽曲に落とし込もうとしたんですね。

“自然に回帰しろ”でもないんだけど…我が家はすごく人の出入りが激しいんだけど、いろんな仲間がいて。例えば、“ワクチンは打たない”という主義の人もいれば、“石油製品はダメで、やっぱりオーガニック”という人もいて、それは全然いいんだけど、俺がいつもちょっとだけ振りかける味の素がたまになくなってたりするのね。で、“TAKUROくん、こんなの使っちゃダメだよ!”みたいな(笑)。でもさ、味の素って美味いじゃん? あと、“缶のままで飲むな! ちゃんとコップに移せ!”とか言われることもあって(笑)。でも、パッシュってグイが上手いじゃん? そういう感じ(笑)。

OKMusic編集部

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