反田恭平×JNOメンバー座談会【Vol.
1】始まり編~精鋭集う“ソリスト集
団” リサイタルシリーズ始動!

ピアニストの反田恭平を中心に設立されたソリスト集団の精鋭オーケストラ、ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)。2018年に結成された前身のMLMダブル・カルテットから、MLMナショナル管弦楽団を経て、21年1月からJNOと改名し、名実ともによりいっそうの進化を遂げている。今年5月下旬には“株式会社化”というオーケストラとしては国内初の試みを果たし、長期にわたるヴィジョンやプロジェクトを発表するなど、オーケストラのみならず、クラシック音楽業界全体に旋風を巻き起こしている。
夏以降は、JNOメンバーたちによるソロ・リサイタルシリーズも充実しており、メンバー一人ひとりの個性と真の実力を堪能できる意欲的なラインナップも話題だ。SPICEでは、数回にわたってリサイタルシリーズ参加メンバーたちによる座談会の模様を連続でご紹介する。第一弾として、オーケストラであると同時に、メンバーのソロ活動にも力を入れる意義について、プロデューサー的な立場である反田恭平に思いを聴いた。

反田恭平(撮影=鈴木久美子)

――JNOメンバーのリサイタルシリーズについて、このような企画に至った理由をプロデューサーでもある反田さんからお聴かせください。
JNOのメンバーは、日本と海外を行き来しながらソリストとしても活躍しているメンバーもいますし、在京オケに所属して研鑽を積んでいるメンバーもいます。語弊のないように言っておくと、オケの団員だからといって、ソロ演奏ができないわけではなく、「明日、ソロリサイタルやって」と言えば、全員がその要求に応えられる実力者たちです。なので、僕たちは、JNOは「ソリスト集団のオーケストラ」と考えています。
――「メンバー全員がソロリサイタルを行うこと」がJNOの入団条件と伺いましたが。
そうです。ホールを借りたり、メンバー調整などの実務や煩雑な事は僕がやるので、個々の楽器について、奏者個人について、そして作曲家についても、それぞれの魅力を訴求できるソロリサイタルを必ず一回はやって欲しいということを、入団の必須条件にしています。
オーケストラにも様々な在り方があると思うんですが、僕の中での一番の優先順位は、何よりも「メンバー一人ひとりの顔と個性を出す」、ということです。オケの中では、目立つけれど、「ソリストとしては一体どのような演奏をするのか?」という部分にもフォーカスを充てるべきだと思ったんです。その背景には、僕自身、子供たちがオーケストラの中の様々な楽器に興味を持ってくれて、未来のホープが生まれてくればいいなという思いもあります。
Japan National Orchestra設立記者発表の模様(撮影=中田智章)
――リサイタル開催に関しては、演奏者一人ひとりがプロデューサーとして、プログラミングからメンバー・編成決定のプロセスを自ら行うのですね?
はい。定期公演やツアーなどのシーズンプロは、基本的に僕やコンサートマスターでヴァイオリンの岡本誠司君などと決めたりすることが多いのですが、リサイタルシリーズに関しては、完全に僕らはノータッチで、皆さん個々のメンバーにすべてお任せしています。ただ、一つだけ、「スケジュールが合えば、僕も、務川君(ピアニストの務川慧悟)も、いつでもピアノ演奏でお手伝いしますし、雑務に関しては最大限にサポートしますよ」ということは皆さんにお伝えしています。
アーティストとして、現時点での成長ぶりや想いを伝える一つのかたちが “リサイタル” だと思います。これは、当たり前に実現できるようで、そう簡単なものではないんですね。ただ、そういう機会はプロとしても定期的にあったほうがいいと思っています。リサイタルシリーズでは、自分自身の “今” の直感を信じて、ハードルが高めのものを設定して挑戦してみるのもいいですし、自分の為になるものを選んで有効にチャンスを活用して欲しいと思っています。
――まさに、会社が社員に先行投資する図式ですね。
まだ、ここまでの思いをメンバーにはすべて話せていないのですが、一応、全員をまとめる立場としては、このように考えています。とにかく、僕の中ではメンバーを束縛したくないという思いが強いですね。逆に自由過ぎて、契約書を作るのが大変だったんです。僕たち、超ホワイト企業なんですよ(笑)。
Japan National Orchestra設立記者発表の模様(撮影=中田智章)
――「年間に何回の演奏に出演する」というのも契約書に規定されていないのでしょうか?
いや、それはさすがに……。いや、「積極的に出てください」とだけ書いてあります(笑)。今、奈良に寮も建設中ですが、ゆくゆくは、衣食住すべての完備をしたいと思っています。
――あえて、JNO “株式会社” とした理由は?
“株式会社” というステータスの下に一人ひとりが契約して社員となると、社員全員が一丸となって一つの夢に向かって目標を設定して走っていきますよね。利益を出すという言い方はしませんが、”株式会社” という形態であれば、その一つの夢だけで留まるのではなく、先へ先へと、次に次に目標値を上げて、さらなる高みを目指せるじゃないですか。やはり、それが、財団法人と株式会社の違いであって、強みだと思うんです。

次回、Vol.2からは、反田さんの夢やヴィジョンをともに描くメンバーたちの中から、リサイタルシリーズに出演するアーティストもともに座談会に加わって頂きましょう。これから4回に分けて、ソロリサイタルにかける意気込みや演奏・曲目内容などについて、一人ひとりプロデューサーのように語って頂きたいと思います。
取材・文=朝岡久美子

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