仲 万美×三浦 香「仕事帰りにサラッ
と来て、スカッとして」 Juliet ar
ia『DustBunnySHOW』インタビュー

アーティストで女優の仲 万美と脚本・演出家の三浦 香が初タッグを組むJuliet aria『DustBunnySHOW』が2021年11月7日(日)・8日(月)に東京・品川プリンスホテル クラブ eXにて上演される。
本作は、マドンナワールドツアーのバックダンサーをはじめ世界的に活躍し、近年はアーティスト/女優として活動する仲 万美のアートプロジェクト“Juliet aria”第1弾。今回は、2021年4月の全公演延期を経ての上演となる。
仲を筆頭に、ポールダンス・アイドル・バレエ・アクロバット・ブレイクダンス・バイオリンといった多種多様な世界的パフォーマー8人と俳優の日野陽仁が、三浦によるダークファンタジーショーの世界を構築する、という本作について、稽古場で仲と三浦に話を聞いた。
「ご褒美をやる!」と言われて仲 万美をいただきました(笑)。(三浦)
ーー仲さんが立ち上げたプロジェクト“Juliet aria”は、初舞台となった19年のRock Opera『R&J』(R&J=Romeo & Juliet)の影響が大きかったそうですが、ダンスを長くやってこられた仲さんが、ご自身のプロジェクトの第一弾で舞台をやりたかったのはどうしてですか?
仲:シンプルに好きなんです、舞台が。まずは「人前に出たい」「お芝居をしたい」っていうところで、舞台をやらせていただくことになりました。
ーーダンスパフォーマンスではなくてお芝居だったんですね。
仲:お芝居がいいです。もちろんダンスも楽しいのですが、ダンスだけのステージはもう何年も何回もやってきたし、今はお芝居のほうがやっていて楽しいから。全然慣れないし、毎回初めての気持ちでできるところが好きです。
仲 万美 
ーーそこで脚本・演出を三浦さんに依頼したのはどうしてだったのですか?
仲:そこは松田さん(演劇プロデューサー松田誠)からですよね。
三浦:はい。ある日、松田さんから「三浦、ご褒美をやる!」と言われ、仲 万美をいただきました(笑)。「万美のこと、めちゃめちゃ好きになるから」という予言を残して……。
仲:ははは!
三浦:実際、ご褒美です。私自身もミュージカルでもない、演劇でもない、パフォーマンスショーを女性でやりたいという気持ちがすごくあったし。
ーーそこからふたりで打ち合わせをしてつくっていったのですか?
三浦:いえ、万美からなにかをすごく言われることはなかったです。「(三浦が)やりたいことを信じます」って言ってくれて。まあ、動き出した時にはコロナの影響で、なかなか直接会えなかったというのもあるかもしれないけど。
仲:いえ、最初にいただいたものがもう面白かったからです。だから、なにかあるかと聞かれても「なにもないです。めちゃめちゃ面白かったです!」って(笑)。もともと僕は想像力が欠けているところがあって、小説とかを読んでも情景が浮かばないことがよくあるんですよ。でもこの作品のストーリーは全部浮かんできたし、サラサラ読めました。
ーー仲さんがガッツリ内容に関わっているかと思っていました。
三浦:そういう意味では任せてもらえてよかったです。あのタイミングで「あれもやりたい」「これもやりたい」って言われていたら、私もきっとビビって“万美が欲しいもの”を書いてしまっていただろうから、“タッグ”にはならなかったと思う。だからありがたかったです。
ーー三浦さんはどんなものをつくろうと考えられたのですか?
三浦:お客さんが慣れてないものをつくりたい、と思いました。なんというか、サラリーマンとかに観てほしいんですよね。
ーー仕事帰りに観てほしいということですか?
三浦:そうそう、そうです。仕事帰りにすごく観てほしい。どうしても舞台ってちょっと遠いものというか、敷居の高いものなんだと思うんです。でもこの作品は、仕事で嫌なことがあった日とかに、サラッと入って観て帰ってほしい。
三浦 香
仲:サラッと来て、スカッとして帰ってほしいですよね。
三浦:うん。私はブロードウェイにはそういうイメージがあります。短パンのおじさんがパッとチケットを買って、お酒を持って入っていく、みたいな。この作品がそういうふうになったらいいなと思ってつくっています。上演時間も1時間10分くらいだし。
ーー内容としてはどんなものになるのですか?
三浦:台詞も喋りますし、歌もありますし、ダンスバトルもありますし、ヴァイオリンもありますし、クラシックバレエもありますし……。
ーー盛りだくさんですね!
三浦:でも仲 万美に関しては放置してるんですよ。そこだけは、みんなのパフォーマンスを見て、万美が最後に決定することだと思っているので。だから私も楽しみです。
仲:僕もみんなに身を任せています。みんなが本気でぶつかってくれないと、僕も本気になれないし、だから本気になるまでの骨組みを今、つくっているって感じです。
三浦:セッションだよね。公演によって違ってもいいなと思う。
仲:違ってくると思います(笑)。
稽古前日、嬉しさのあまり泣いてしまいました。(仲)
ーーちなみに今年4月にやる予定だったものからは変わっていますか?
三浦:内容は同じだけど、舞台が円形になったというのもあって、美術も振付もめちゃめちゃ変わっています。これは「パワーアップさせた」というより「変えました」って感じです(笑)。
ーーキャストの皆さんは変わらずなんですよね。(COCOAは七瀬恋彩に改名)
仲:そうです。延期が決まってから、なるべくコミュニケーションは取り続けていたほうがいいだろうと思って、連絡は取り合っていたんですよ。初舞台のメンバーもいたから、ここで気持ちがリセットされたらよくない気がして。僕なんかは、いつゴーサインが出てもいいようにずっとトレーニングしていました。だからリベンジが決まって、すぐみんなで「いよいよだね」って。それで「もっと高み目指そうぜ」って。
仲 万美 
ーーそのメンバーでお稽古が始まってどうなってますか?
三浦:殴り合いですよ?
仲:ははは!
三浦:アイデアを止めたらもう終わりって感じです。今は、振付を4月のものから全とっかえしている最中。私は言葉でイメージを伝えますけど、振付の内容は、それぞれ持っている技が違うから、それぞれがアイデアを出さないと進まないわけです。だからみんなが出し続けなきゃいけないっていう。
仲:休ませない(笑)。
三浦:みんなすごいなって思います。ずっと頭が回転しているでしょうし、身体で何かを表現している。アスリートです、みんな。
ーー台詞はけっこうあるんですか?
三浦:あります。私からすると少ないけど、みんなからすると多いかも(笑)。ステージ上で一言もしゃべったことない人もいるしね。
仲:そうですね。
三浦:「林に行って発声してきた」って人もいて、ダンサーならではの発想だなって。
仲:いや、僕もやったことないですよ(笑)。
三浦:でもそこも変化したところだなと思います。4月の時はみんなまだ「台詞なんて言えません」って言ってたんですよ。それが今や林に……(笑)。
ーー延期したことでプラスに働いた部分なのでしょうか?
三浦:私はそう捉えています。時間をもらえたから。だからこの機会をいただけたことには感謝しかないですし、今回は駆け抜けたいです。
三浦 香
仲:稽古が始まる前日、僕は嬉しさのあまりに泣いちゃったんです。4月に延期を告げられて、想像よりは早いタイミングで嬉しかったけど、それでも「やっと」という気持ちでした。だけどこの(延期から今回までの)時間をいただけてよかったなという気持ちもあります。4月の時は「今のままじゃ足りない」って気持ちも正直あったので。だからトレーニングできる時間ができてよかったって気持ちと、でもいつまでトレーニングするのかわからないという気持ちもあった。
三浦:そうだよね。
仲:だけどどのくらいかかってもいいから、目標まで走ろうと思っていました。その分、いよいよ始まるってなった時にマジで泣いちゃって。やっとみんなと顔合わせできて、稽古もどんどん動いていって、ダンスも総替えになってみんなが混乱するところもあるけど、「今ここで立ち止まっちゃダメだ」みたいな。みんな、わからないことがたくさんあるんですよ。円形舞台になってどこに向かってお芝居していいかわからなかったりとか。
ーーそうですよね。普段と違うことをやっているわけだし、初舞台の方もいるから。
仲:だからそこはわかる人が教えていくしかない。ダンスに関してもそれぞれジャンルが違うので、お互いにわからないこともあります。僕もブレイクダンスもアクロバットダンスもできるわけじゃないんだけど、でも“みせ方”はわかるから。こうみせたらきっとあなた美しく見えるよ、もっとこういう感じになれるよ、っていうみせ方を、今はとりあえず今まで自分が経験したものや、受け売りもあるんですけど、ちょっとずつみんなにあげていこうというふうにやっています。それが伝わっているかはわからないですけど。
三浦:伝わってるよ。
ーーどんな舞台になるか楽しみです。
三浦:はい。ぜひ仕事帰りにフラッとおこしください!
(左から)仲 万美、三浦 香
取材・文=中川實穗  撮影=荒川 潤

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