MONOEYES、ライブツアー・東京 日本
武道館公演のオフィシャルライブレポ
ート到着 セットリストプレイリスト
も公開

MONOEYESが8月1日(日)の千葉LOOK公演を皮切りにライブツアー『Between the Black and Gray Tour 2021』を開催中(最終日の11月21日(日)沖縄・桜坂セントラルまでに26か所全31公演)。本記事では、11月2日(火)に行われた東京・日本武道館公演のオフィシャルライブレポートをお届けする。また、武道館公演を記念して公演日のセットリストが、Apple Music、Spotify、LINE MUSICにて公式プレイリストとして公開されている。

いつもは謙虚な戸高賢史が「各地でみんなの気持ち背負ってきた、今日の俺らは強いと思う。ぶちかますんで」と珍しく宣言していた。スコット・マーフィーはバンドに誘われた7年前を振り返り「あの時、不安だったけど日本に行ってよかった。MONOEYESやってほんとよかった」と広い会場を見上げて微笑んだ。一瀬正和は2時間ほとんど笑顔のまま。一年前の記憶が蘇るのか「お客さんのいる武道館っていいですね」と偽らざる本音をこぼす。
MONOEYES
そして細美武士は、最初に「こんな幸せな日はねぇよ」と一言。後半になると「一回やれればいいやと思ってたけど……ここは楽しいね」と次の可能性さえ匂わせる発言を飛ばす。もちろん予定はなく、自分でも思っていなかったことがつい口に出ただけなのだろう。日本武道館がそんなことを言わせるのだ。この会場の歴史と雰囲気が特別であること、さらに昨年10月、少数のスタッフのみでこの場所から無観客配信ライブをやらざるを得なかった事実が、4人の口調をいろいろと浮つかせている。
これが本当に特別な、待ちに待った夜であることは誰の目にも明らかだった。両脇の巨大ヴィジョン、ステージ後方のLED CG映像、さらにド派手なムービングライトや上下使いのミラーボールが次々と楽曲に華を添える。指定席で座っていても十分に楽しい演出がたっぷり用意されていた。
MONOEYES
それに見合うだけのスケールを今のMONOEYESは手に入れたのだ。サードアルバム『Between the Black and Gray』の楽曲たち。始まりの曲「Fall Out」は映画のスクリーンに飲み込まれていく感覚になったし、続く「Bygone」のずっしりしたリズム、力強く踏み鳴らすようなリフの重量感は、まさに武道館のためのもの。この四人にしか出せない熱の滾りがあり、会場の隅々にまで音を手渡していく技術力とマンパワーがある。さらには中間に響き渡ったミドルテンポの「Nothing」。暗がりの中でひとつの灯りをゆっくり手繰り寄せるような曲調、その灯りの温もりまでが伝わるようなディティールは、ライブハウスでバカスカ飛び跳ねているだけでは絶対に手に入らないものだ。
MONOEYES
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そういう「ザ・武道館」仕様の提示をしながら、同時に、とにかくバカスカ飛び跳ねるライブバンドのままであるところが最高だった。幕開けこそ威風堂々でも、4曲目「Free Throw」あたりで空気は変わる。細美と戸高はこれ以上近づけないほど接近して対面し、スコットはぐるぐると楽しそうに回転。そして曲の終わりには3人が自然にドラムセットへと向かう。観客に背を向け、天井の日の丸などもそっちのけで「一瀬、お前のキメで最後にジャンプするぞ」と待ち構えているわけだ。まったく、この広いステージでどんだけ密にくっついてるのか。距離の近さが可笑しくて仕方がない。
​MONOEYES
MONOEYES
デジャブが何度も起こる。スコット、細美、戸高が同時に高々とジャンプする瞬間。あんまり同じシーンがありすぎて私は途中から大笑いしていた。待ちに待った「ザ・武道感」のMONOEYESと、ずっと変わらない「ディス・イズ・ライヴハウス」のMONOEYES。継続とは、どちらも手に入れられる豊かさのこと。小バコで大汗かきながら大声で騒いでも、伝統ある武道館の客席でゆったり見ても、同じだけ心が沸き立っていく。どちらもあることがコロナ禍の今は最大の贅沢だ。
スコットが細美のマイクを使い誇らしげにセンターに立った「Roxette」。一度しっとり聴かせた後に後半戦の火蓋を切るきっかけとなった「グラニート」。昨年の配信ライブ同様に、パンダの被り物(の下の素顔にもパンダメイク!)をしたTOSHI-LOWが乱入した「Two Little Fishes」。印象に残るシーンは数えきれないほどあったが、私の脳裏に一番焼きついたのはラスト直前の「My Instant Song」だった。
MONOEYES

MONOEYES

「My Instant Song」は、4人が動き出してすぐの時期、細美の脳内に天啓のごとくに流れ出した曲だ。結果MONOEYESのデビュー曲となり、すぐさま全国ツアーがスタート、旅のはじまりの歌となった。そこから6年、武道館でイントロが鳴った瞬間、アリーナ、一階、二階席の全員が「自分の歌だ!」という顔になった。細美の曲でもバンドの曲でもなく、まさに「俺の歌、私の歌」といった受け止め方。ここまで共有され、かけがえのないものとして愛でられてきたのかと、4人がヴァンに乗って走り続けた時間の長さを思ってしまう。
MONOEYES
MONOEYES
〈暗がりにいると感じるときは ただ歌を歌うんだ 即興の歌さ〉
ストレートなポップパンクに乗った歌詞の和訳である。結成当時、東北のハコを回るためのバンドとして始まったMONOEYESは、難しいこと一切抜き、中高生がみんなで騒げる賑やかしの歌があればいいと、ごくシンプルな目的を掲げてツアーに奔走した。もちろん歌は一瞬でキッズに共有された。つまり目的はわりと早くに達成されたわけだが、さらなる〈Sing A Song〉を何百回と繰り返していれば、武道館で何千人と祝福できる日が来るのだ。会場全体を照らす虹色のライトは夢みたいに美しい。まばゆく光る七色、それに照らされるみんなの笑顔が、MONOEYESのパンクソングの無限性を物語っていた。

Text by 石井恵梨子 Photo byMaki Ishii

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