【明田川進の「音物語」】第55回 音
響監督として一本立ちした「リボンの
騎士」

 「ジャングル大帝」「新ジャングル大帝 進めレオ!」から本格的に音の仕事をはじめ、「リボンの騎士」が音響監督として一本立ちした作品でした。最初の段取りの部分などは田代(敦巳)氏と一緒にやっていましたが、途中からは完全に1人でやっています。
 音楽の冨田勲さんとは「ジャングル大帝」からのお付き合いで、各話、映像にあわせたフィルムスコアリングで作曲されていました。シーンのきっかけを全部音楽でつけてくれて、例えば「(シーンにあわせて)ここで転調させてください」とお願いするときっちりあわせてくれるんです。要望をいっぱい出してかなり遊ばせてもらい、冨田さんとのやりとりは非常に勉強になりました。チンクのテーマができたときはうれしくて、それがまた絵に奇麗にシンクロしたときも楽しかったのをよく覚えています。
 当時はフィルムの時代で、アフレコ後にセリフの編集が終わると冨田さん用のフィルムをモノクロでもう1本焼いていました。冨田さんはそのフィルムに何拍子か分かるようパンチを入れながら、このシーンはこう動くという指示こみで譜面を書いていきます。曲の収録はそのフィルムを流しながら行い、指揮者はフィルムにつけられたパンチにあわせて指揮棒をふり、フィルムには転調する合図なども入っていました。そうやって毎話15~20曲ぐらいつくっていて、話数が進んでテーマにあった曲がかたまってきても収録ずみの曲を使いまわすのではなく、フィルムの長さにあわせて毎回新しく録っていました。
 音楽を収録するときに映像に合わせていますから、ダビングのときに音楽を編集したりずらしたりすることは一切ありません。完成したフィルムとあわせれば絵にぴったりあうんです。さらに良かったのは、僕らが効果音もつくっていたことなんですよね。そうすると、ここは音楽でしっかりきっかけがついているから効果音はおさえておこうという判断がすぐできたんです。
 今の音響監督は抱えている本数が多くて大変ですけれど、当時の音響監督の仕事はそれぞれの立ち合いが今よりも長く、自分でやる作業も多かったんですよね。今はアフレコは4時間ぐらい、ダビングも2、3時間で終わることが多いですから、アフレコとダビングを1日にまとめてやることができますが、昔はアフレコとダビングに1日ずつ、そこに毎週行う音楽収録がはいると週のうち3日がうまります。当時は収録したセリフの編集も自分たちでやっていて自宅に機材をもちこんで作業してましたから、そうするとひとつの作品で1週間べったりになっていました。

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