姿月あさと、中村壱太郎らが出演『う
つし世の阿国 ~装束夢幻×和楽奏伝
〜 』開幕レポート到着

2021年11月27日(土)・28日(日)京都 先斗町歌舞練場にて『うつし世の阿国~装束夢幻✕和楽奏伝〜』が開催された。
初演となる本公演は、日本の宮廷装束や服飾文化を研究し製造する京都の井筒がこれまで東京で上演してきた、本物の装束を着た各界のトップスターが本気のパフォーマンスを見せる、「装束シリーズ」を初めて京都で上演。
歌舞伎の始祖とされている“阿国”をテーマにしたストーリー 仕立ての構成で、日本舞踊、歌舞伎、和楽器演奏、伝統 芸能のジャンルを超えた「新しい伝統芸能」を披露。
姿月あさとが演じる出雲の阿国一座と、中村壱太郎が演じる放浪の壱創(いっそう)一座、二つのかぶき者集団が織りなす芸能の世界。
姿月による迫力あるオリジナル劇中歌の披露や、壱太郎が架空の一座の座長という男性役、女性装束を纏って登場もするなど、見どころ満載の公演となった。
このたび開催レポートが到着した。

『うつし世の阿国~装束夢幻✕和楽奏伝~』開幕レポート
姿月あさとや中村壱太郎が、装束の美しさと芸の奥深さを魅せる阿国一座の物語が京都で開幕
歌舞伎の始祖・阿国が初めて興行したと伝わる京の地に現出した“うつし世の阿国”。きらびやかな装束、活気あふれる和楽器演奏やオリジナルの歌に芝居が融合した、斬新なパフォーマンスへの熱い拍手は、約400年前に阿国の歌舞伎踊りを目にした都人の興奮に通じるのではないか――。そんな「連綿と続く芸のつながり」を感じずにはいられない『うつし世の阿国~装束夢幻✕和楽奏伝~』が、2021年11月27日(土)・28日(日)に先斗町歌舞練場で行われた。
第一部 写真:宮川舞子
第一部 中村壱太郎、生島翔 写真:宮川舞子
日本の宮廷装束や服飾文化を研究し製造してきた「井筒」による本物の装束を身につけ、各界の精鋭たちがジャンルを超えた新しい伝統芸能を届ける「装束シリーズ」、待望の京都初公演。本新作では、元宝塚歌劇団トップスターの姿月あさとが演じる出雲の阿国の一座と、中村壱太郎が演じる放浪の壱創(いっそう)一座、二つのかぶき者集団が芸を競い合うストーリーを軸に、衣裳にもスポットを当てながら多彩な場面が繰り広げられていく。
第一部 中村壱太郎、生島翔 写真:宮川舞子
鴨川のほとりに建つ先斗町歌舞練場は、桟敷席や花道が備えられた由緒ある劇場。一体感のあるこの空間が、「和楽奏伝」のメンバーが奏でる箏や笙の音色、和太鼓の力強い響き、奄美民謡などで満たされ、身体の隅々まで豊かな水で潤っていくような心地よさを感じる。オリジナル音楽の作曲・構成・演奏まで担う吉井盛悟は、公家の衣裳・狩衣を身につけ厳かな空気も発するが、祭り囃子の賑やかなシーンではメンバーともども清々しい勢いを客席に届ける。
第一部 姿月あさと 写真:宮川舞子
この壮大な音楽のエネルギーに負けない強いオーラを放って登場するのが、姿月演じる阿国。鮮やかな橙色に染め上げた衣裳で、ダイナミックなメロディーの「チリカラ梵天」を歌い、三味線の音がロックギターの旋律のように激しくまじわる。高揚感をもたらすこの1曲で、劇場は一気に熱気に包まれた。
さらに、花道のすっぽんから美しい伊達男風の壱創(中村壱太郎)が登場、阿国に視線を向けながら、従える翔若(とびわか/生島翔)とともに一座のプライドをかけて力強くも軽やかに踊る。生島はコンテンポラリーダンサーのしなやかな身体を活かし、着流しの小袖姿でアクロバティックな動きも見せた。
壱創に「新しい装束を見せてやろう」と語った阿国は、「装いが時代をつくり 時代が装いをつくる」というナレーションのもと、唐風の男性衣裳で静かに登場し、舞台上で着付けを披露する。阿国が生きた時代は、貴族の優雅さと庶民の勢い、古きものと南蛮文化が融合し、新しい潮流が生まれた。その変化を、華やかな亀甲模様の小袖、孔雀の羽根をほどこした陣羽織と順にまとうことで、装いでも“時代をかぶいた”偉大な芸能者の心意気を見せる。
第一部 尾上菊之丞 写真:宮川舞子
第一部 中村壱太郎、姿月あさと 写真:宮川舞子
そんな阿国への敬意を表すように粛々と三番叟風の「オノゴロ」を踊った尾上菊之丞は、今作の演出・振付も担当。花道からスーッと進んでくるだけで劇場全体の空気を動かすような存在感を見せ、何色ものライトを躍動的に使った演出などで伝統に革新的な新味をもたらした。
第一部は、今作のテーマ曲「うつし世の阿国」を姿月が歌い、壱太郎も掛け合って楽しげに歌う場面でクライマックスを迎える。「かぶいて改め またかぶく」と阿国の芸への想いを述べた歌詞に、リズミカルに和楽器の音色が乗っていくこのテーマ曲に、客席から手拍子がわき起こる。壱太郎のどこか愛らしい表情にも癒されるなか、ラストは姿月が「命惜しまずー!」とシャウトを効かせて熱唱し圧巻だった。

第一部 写真:宮川舞子
第二部は「和楽奏伝」による多様な演奏が次々と繰り広げられる。超絶技巧の三味線、一打一打に魂がこもった和太鼓の響き。艶やかな箏の音色に合わせ天女のように舞う女性の、雅な衣裳にも釘付けとなった。
第二部 和楽奏伝 写真:宮川舞子

第二部 吉井盛悟 写真:宮川舞子
第二部 生島翔 写真:宮川舞子
第二部 中村壱太郎 写真:宮川舞子
第二部 尾上京 写真:宮川舞子
さらに壱太郎が本物の十二単を身につけて登場し、その美しさに息をのむ。笙の音と呼応するかのように神々しく舞い、所作のひとつひとつが十二単の豪華さを引き立てる。まさに一期一会の至福を味わうひとときだった。
第二部 和楽奏伝 写真:宮川舞子
第二部 和楽奏伝 写真:宮川舞子
第二部 左から浅野祥、中村壱太、姿月あさと、尾上菊之丞、平田まりな 写真:宮川舞子
第二部 中村壱太郎 写真:宮川舞子
第二部 姿月あさと 写真:宮川舞子
第二部 フィナーレ 写真:宮川舞子
芸能の礎が築かれた京都での上演、ということもあいまって湧き上がる感動は、ラストの演者と観客の笑顔あふれる「永年豊年」で頂点へ。姿月が語った台詞「芸は生きているのだ!」が、胸の奥にしっかりと刻まれた。
演奏:前田剛史(和太鼓)三浦元則(篳篥)大塚惇平(笙)山野安珠美(箏)浅野 祥(三味線)
平田まりな(島唄 三線)
日本舞踊:尾上 京 花柳喜衛文華 藤間京之助
文:小野寺亜紀  写真:宮川舞子

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