ベッキーが原宿でバンクシー作品にな
りきる! 『バンクシー展 天才か反
逆者か』東京展のプレス限定イベント
をレポート

現在のアートシーンで最も注目を集める神出鬼没の匿名アーティスト・バンクシーの作品70点以上が一堂に展示される『BANKSY GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)』が、12月12日(日)に東京・原宿のWITH HARAJYUKU(ウィズ ハラジュク)で開幕した。本展の開幕を記念して、12月10日(金)にはプレス限定イベントが開催され、タレントのベッキーとキュレーターの山峰潤也氏が登場。自身もアート作品を発表しているベッキーが本展の感想を語るなど熱いトークセッションが展開された。ここではその模様をレポート。二人のバンクシー愛あふれるトークを通じて本展への関心を深めてほしい。
バンクシー作品の“少女”風ドレスで登場したベッキー
2018年から世界主要5都市をめぐり、日本でも各地を巡回して既に累計300万人以上を動員している『BANKSY GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)』。その待望となる東京開催を記念して来場したベッキーは、本展の主要作品である《ガール・ウィズ・バルーン》の少女を連想させる赤いハートと花模様のドレス姿で登場。東京アートアクセラレーションの共同代表であり、国内外で美術展の企画を多数手がけるキュレーターの山峰潤也氏とスペシャルトークショーを行った。
《ガール・ウィズ・バルーン》のポーズも見せてくれたベッキー
過去に3度の個展を開催するなど、自身もアーティスト活動を行なっているベッキー。まず始めにバンクシーの印象を尋ねられると「有名人ですし、私も作品を見たいなと思っていました。インスタグラムを見たりとか、新作の発表がニュースになったりすると『こういうメッセージなのかな?』なんて勝手にキャッチしたりして、本当に大好きなアーティストの一人です」とコメントした。
3年前から個展を開催するほどの腕前
続いて、さまざまな美術展に携わる立場として本展の感想を尋ねられた山峰氏は「ものすごくたくさんの作品があって、本当に目眩がするくらい色々なメッセージを感じる展覧会でした。アートの世界で今最も話題の人であり、時代の寵児ともいえるバンクシーが放つ政治や消費社会に対する魂の籠ったメッセージ。そういうものに若い世代が感化される機会になってほしいと思います」と若者が集まる原宿での開催に期待を寄せた。
キュレーターの山峰潤也氏
同じく本展の感想を尋ねられたベッキーは「一歩踏み入れただけでバンクシーの世界感に入れるっていう空気がすごかった。どの作品も良かったんですが、今日は《ラブボム》という作品がグッときました。色使いはポップなんだけど、見る人や解釈によって非常にメッセージ性がある作品だと思いました」とコメント。それを受けて山峰氏も「《ラブボム》というのは少女がミサイルを持っているという、アイロニックだけどすごくウィットに富んでいて、それが示唆的だけど愛着を持てる。そういうところがすごくいいなと思います」と共感を述べ、その上で彼自身が印象的だった作品として、パレスチナ自治区にバンクシーが建てた《世界一眺めの悪いホテル》の関連展示や、イギリス紙幣のエリザベス女王をダイアナ妃に変えた偽紙幣《ティーアイ・フェイスト・テナー》などを挙げた。
ウォーホル、バスキアとの比較で感じるバンクシーのルーツ
中盤では、山峰氏の解説を中心としながら、バンクシーの作品と彼が影響を受けたアーティストの作品を比較して彼のルーツに迫る原宿展初登場の注目展示に関する話題に。まずは「ウォーホルやバスキアと比較してみることで、バンクシーが文脈の中で仕事をしている人だということがわかる」と語った山峰氏。
このうち、アンディ・ウォーホルとの比較展示ではウォーホルの《マリリン》とバンクシーの《ケイト・モス》を見比べて鑑賞できる。この比較について山峰氏は「ウォーホルは当時の著名人たちの顔をシルクスクリーンで複製して大量に量産し、ステレオタイプ的に作っていくという点で消費の社会に対してのメッセージがクリアだった。そのウォーホルの代名詞といえる手法でケイト・モスという現代のアイコンを出してくるあたりはバンクシーの旨さだと思う」と解説。
バンクシーとアンディ・ウォーホルの比較展示
一方で《JAWBONE OF AN ASS》が展示されているジャン=ミシェル・バスキアとの比較については「やはりどちらもストリートから出てきているというところが共通点」と語った上で「バスキアは27歳の若さで亡くなってしまいましたが、その激しい人生を見ると、社会と向き合うエネルギーという点でバンクシーのルーツを感じるところがあります。また、ロンドンでバスキアの個展が開かれた時にバンクシーが会場の近くに作品を残したというエピソードもあって、そういうところからもバスキアからの影響を感じます」と述べた。
バンクシーとジャン=ミシェル・バスキアの比較展示
山峰氏の深い解説に耳を傾けていたベッキーも「バンクシーの作品の発表の仕方を見ていると『俺のやりたいことをやるんだ』みたいなイメージを持ちそうですけど、ちゃんと先輩方とか尊敬するアーティストへの愛を表現しながらアートをしていくというのが素敵ですよね」と語って感心の表情を見せていた。
二人が考える「バンクシーは天才か反逆者か」の答えは?
終盤では、本展に展示されている2点の代表作に注目したトークを展開。1点目は先述の《ガール・ウィズ・バルーン》に注目した。
《ガール・ウィズ・バルーン》 2004年
サザビーズの“シュレッダー事件”によってバンクシーの名を一躍世界に広めるきっかけとなった本作。この作品について山峰氏は「これは(ロンドンの)ウォータールーという橋のところに書かれていた作品で、後になって『THERE ISALWAYS HOPE(希望はいつもある)』という言葉が書き加えられました。その文字を書きたくなるような希望を与える作品であり、アイロニカルな表現がバンクシーの代名詞とした中で、メッセージがストレートに見えてきて多くの人の心に刺さる作品だと思います」とコメント。
一方で、ベッキーは「バンクシーの作品の中には風刺のように胸を締め付けられる作品もありますが、これはきっと誰もがホッとする作品です。絵の横に別の人が書いた文字とセットでひとつのアートになったような空気感があって、作品の中だけでメッセージを100%伝えるのではなく、一石を投じてみてその波紋がどう広がっていくかを楽しんでいるようにも感じます。色々な捉え方があると思いますが、とにかくかわいいですね」と本作をとてもお気に入りの様子。
2点目は原宿展のメインビジュアルにもなっている《ラフナウ》について。初期作品である本作にはバンクシーが若手時代の自分を投影したとされる猿とともに「Laugh now, but one day We’ ll be in charge(今は笑うがいいさ。でも、いつかは俺たちが支配する)」という当時の彼の野心が窺えるテキストが描かれている。
《ラフナウ》 2002年
「“今に見ていろ”っていうメッセージがすごくストレートだし、それを実際にやってのけるところがすごくカッコいい。今はストリートアートがとても人気ですが、白人中心主義やさまざまなヒエラルキーをものすごく感じる世界の中でストリートの人たちは貧しかった生い立ちとか従来の制度・仕組みを破壊していく。そうした魂のようなものや一種のヴァンダリズムを感じられる作品です」と山峰氏。それに対してベッキーは「予言の書みたいな感じで凄いですよね。どこまで世界の先のことが見えている人なんだろうって。バンクシーに人生相談したら良い答えをくれそうだと思いました」と感想を述べた。
そして最後にズバリ「バンクシーは天才か反逆者か」の二択を問われた二人は、それぞれ「天才的な反逆者」(山峰)、「愛ある反逆者」(ベッキー)と答えを述べて内容の濃いトークセッションを締めくくった。

会場風景

本展は貴重なオリジナル作品を含む、版画、立体オブジェクトなど70点以上の作品をはじめ、映像やポスターなど計100点以上が集結した過去最大級のバンクシー展となっている。上に述べたような代表作のほか、場内には多数のフォトスポットを設置。ベッキーが体験した《ガール・ウィズ・バルーン》の少女になりきれるスポットもあるので、ぜひバンクシー作品に負けない個性バッチリのスタイルで出かけよう!
『BANKSY GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)』は2021年12月12日(日)から2022年3月8日(火)まで東京・原宿のWITH HARAJYUKU(ウィズ ハラジュク)で開催中。なお、SPICEでは本展の見どころをたっぷり紹介する内覧会レポートも追って発信するので、そちらもお楽しみに。

文・撮影=Sho Suzuki

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