伊藤純奈「ふぉ〜ゆ〜は超人の集まり
」~乃木坂46卒業後2作目の舞台『腹
黒弁天町』に出演

ふぉ~ゆ~福田悠太・辰巳雄大主演、パルコ・プロデュース2022『腹黒弁天町』が2022年2月、東京・紀伊國屋ホール、大阪・松下IMPホールにて上演される。
パルコ・プロデュースでは2020年1月、鈴木聡の作品で劇団ラッパ屋にて1994年に初演・98年に再演された『阿呆浪士』を上演。ひょんなことから赤穂浪士の名を騙り、しまいには討入りにまで行ってしまう“阿呆浪士”……というユニークなアイディアと、いわば“本歌取”な手法が光る傑作喜劇を、若い俳優を中心とした座組で華やかに蘇らせ、大いに好評を博した。
そして今回上演される『腹黒弁天町』のインスピレーションは、夏目漱石の名著「坊っちゃん」から。東京から赴任してきた若い教師が田舎町で出会う、計略や陰謀にまみれた教師たち、町の有力者、マドンナ、芸者……「坊っちゃん」の匂いがそこかしこに漂う世界観に、温かな人情と抗いきれない現実が哀しくも可笑しく入り交じる“鈴木聡節”が見事に掛け合わされた物語だ。1994年に劇団ラッパ屋の公演として初演された秀作を、この度、パルコ・プロデュースとして、劇作家・演出家・俳優として八面六臂に活躍中の松村武の演出で上演する。
今回SPICE編集部では、出演する伊藤純奈にインタビュー。2021年夏に乃木坂46を卒業し、本作が卒業後の舞台2作目となる伊藤に、舞台の魅力や、共演経験があるふぉ〜ゆ〜の印象、そして11月30日に23歳になった抱負などをたっぷり語ってもらった。
ーー今回の『腹黒弁天町』は鈴木聡さんが書かれた脚本ですし、『阿呆浪士』でご一緒した福田悠太さんと再共演されます。伊藤さんにとって、ご縁に恵まれた作品かと思いますが、キャスティングに際して率直な感想をお聞かせいただけますか?
福田さんとご一緒できるのが、シンプルに嬉しいです。また、松村さんもずっとお世話になっています。前回は演者として共演をしていましたが、今回は演出家としての松村さんを初めて見られるので、その点も楽しみです。
伊藤純奈
ーー脚本を最初に読まれたときはどんな印象でしたか?
やっぱり鈴木さんの本は考えさせられる部分もあるし、ほろっとくる場面もあるし、もちろん面白いな、笑えるなというところもあって。欲しいときに欲しいものが来るんです。『阿呆浪士』もそうでしたが、シリアスでパンっと空気が張っていても、ちょっと面白いセリフが入ったり。そういうバランスが絶妙だなと思いました。
ーーちなみにいつもどういう環境で脚本は読まれるんですか?
お風呂です。普通に本読む感覚でバーッと読んで、自分のところはちょっとじっくり読んで……みたいな感じでやっています(笑)。
ーーお風呂だと集中できる。
はい。湯船につかりながら、無心で読んでいます。だからついつい長風呂になってしまって、台本がふやけてしまうこともあるんですよね(笑)。
ーーそうなんですね(笑)。さて、今回伊藤さんが演じる「篠崎美智子」はどんな女性だと感じていますか?
英語の教師なのですが、女の強さを持っていて、芯がある女性だなという印象です。女に生まれたからには、女の武器は最大に使う美智子。私はフランクに行くタイプなので(笑)、女の武器を使える美智子が羨ましいと思います。
ーー共演者について改めてお聞きします。まず『阿呆浪士』でご一緒した福田悠太さん。どのような点に俳優としての魅力を感じていますか?
もういっぱいあります! 『阿呆浪士』の時は、福田さん、忙しすぎて、稽古に参加するのがすごく遅かったんです。でも、初めて稽古に来た日から「もう舞台できるよ」というぐらい完璧に仕上がっていました。
台本は完璧に頭に入っているし、笑いを取る場所もわかっていて。まだ演出家に何も言われてないのに、そういうことをナチュラルに面白くできるセンスがあるんです。「この人は板の上に立つために生まれてきたんだな」と思いました。
ーー今回福田さんは、小雪という芸者に溺れて身を持ち崩してしまう財前涼太役を演じます。伊藤さんは福田さんに財前っぽさを感じますか?
フレンドリーな方だし、いつも笑ってニコニコお話を聞いてくれる人なので、悪い人に騙されちゃうのかなとは思います(笑)。本当に物腰が柔らかくて、誰からも好かれる方なので。
伊藤純奈
ーー前作の稽古場で目撃した福田さんのマル秘情報や“裏の顔”があればぜひ教えてください(笑)。
いや、本当に裏表ないんです。別現場でご一緒したことがある人から話を聞いても、福田さんの印象はみんな同じ。いつもニコニコしていて、フレンドリーで、分け隔てなくみんなに話しかけるし、馴染むのが異様に早い(笑)。遅れて参加したとしても、前からずっといたみたいな仲の良さ。本当に裏表を感じないです。
ーー忙しい中でも笑顔でいられるのは、すごいことですよね。
さすがです。私も『阿呆浪士』の時期はまだ(乃木坂46のメンバーで)現役だったので、すごく忙しくて。稽古の前に仕事に行って、稽古の後にもレコーディングして……みたいな生活でした。エナジードリンクをチャージしながら、這いつくばるように稽古をしていたんですけど、福田さんはそういう姿が全くなかった。格好いいなと思いましたね。
ーー今回、伊藤さんのお相手役といえるのは、辰巳雄大さん。初めましてですよね? 印象などあればお聞かせください。
はい。初めましてです。
ふぉ〜ゆ〜さんはとにかくお忙しい印象です。いつも誰かが何かしらの舞台に出ていて、それと並行してライブも自分たちで演出からやられてると聞いていて。「そんな人たちがいるんだ!」と思います。昨日まで本番をしてたのに、1週間後にまた本番をやる……みたいなことを聞いたときは、ちょっと意味が分からなかった(笑)。まさに超人の集まりですね。
早く辰巳さんともお会いしてみたいです。楽しみです。
ーー卒業されてから、本作で舞台出演は2作目。現役のときから積極的に取り組まれている舞台のお仕事ですが、舞台の魅力とはどんなところにありますか?
やはり生ものという部分が私はすごく好きです。生ものだからこそ、毎公演毎公演何かが絶対に違うし、全く同じことは100%ない。見る側としても、やっている側としても「今日は○○さん、こういうセリフの言い方をするんだ」とか「ここで感情が動くことがあるんだ」とか発見があるんです。
舞台に立つことで、アイドルをやっているだけではきっと出会えなかった感情に出会えたし、みんなで考えながら作品をつくりあげるのも好きです。アイドルは決められた振付を覚えて踊ることがほとんどですけど、舞台はセリフはもちろんあるけど、言い回しは自分のよい表現に変えていいし、やりたいように動いていい。そこも自由で面白いです。
伊藤純奈
ーー今後も舞台を中心に活動されていかれるお考えですか? それとも何か新しく挑戦したいジャンルがあるのでしょうか?
舞台は定期的にやりたいなと思ってます。今までアイドル活動と両立していたので、本当に時間がなかった。なので、これからは自分がやりたいことを探していきたいなと思います。
映像のお仕事については、私はほぼ出たことがないんです。だから、まだ映像の楽しさも難しさも分からない状況なんですが、それも知りたい。やりたいというよりは知りたいなと思っています。
ーーちなみに「こんな役をやってみたい!」というのは?
今まではヒロインだったり、ちょっと気が強めな女の子が多かったんですけど……そうだなぁ、何をやっても許されるはちゃめちゃな役をやってみたいかも(笑)。あと、作品にいいスパイスを与える役ってありますよね。ああいう役、楽しそうだなって思います。
ーー11月30日がお誕生日でした。年を重ねて、今どんなお気持ちですか?
乃木坂46を卒業して初めてのお誕生日。現役中は年末が一番忙しかったのですが、卒業してからは、時間に余裕が生まれました。14歳からアイドルをやっていて、ずっと走り続けてきたので、余暇をどう過ごせばいいのかあんまり分かっていないです(笑)。ゆっくり作品と向き合って、自分にも向き合って、いろいろ考えられたらいいかなと思っています。
ーー現役アイドルのときと比べて時間にゆとりができた分、映画を見たり、演劇の舞台を見に行ったりする時間もとれそうですね。
そうなんです! それもめちゃくちゃ嬉しいです。いろいろな作品を見てみたいなと思います。
ーー伊藤さんが「こんな人になりたいな」と思う憧れの存在はいますか? 目標とされている方がいれば教えてください。
私、小嶋陽菜さん大好きで、私のロールモデルはずっと“こじはる”さんです。小嶋さんに演劇のエッセンスを入れたような人になりたいです!
ーーいいですね。小嶋さんのどういうところが素敵だなと思われているんですか?
我が道を突き進んでる感じとか、それが嫌味になっていないところとか。うまく周りを巻き込んで、自分のやりたいことを実現していく力がすごいなと思っています。私もそういう風になりたいです。
ーー最後に、ファンや観客の皆様に、本作の見どころと意気込みを改めてお願いします!
鈴木さんの作品は、笑って泣けて、考えさせられて、すごく人生のためにもなるような作品なので、楽しみにしていただきたいです。演出は松村さんで、福田さんとも再共演ということで『阿呆浪士』を見に来てくださった方たちは、「また会えた」という気持ちになると思うので、そこも楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。劇場でお待ちしています!
伊藤純奈
取材・文=五月女菜穂  撮影=福岡諒祠

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