四星球、Fear, and Loathing in Las
Vegas、10-FEETらが真冬を熱くする
 ROTTENGRAFFTY主催『ポルノ超特急
2021』2日目レポート

12月18日(金)にROTTENGRAFFTY主催の冬フェス『ポルノ超特急2021』2日目が京都パルスプラザにて開催された。
昨年は新型コロナウィルスの影響により見送りとなり、2021年に2年ぶりの開催を迎えた同フェス。今年は12月17日(金)・18日(土)・19日(日)の3日間にわたって行われ、全19アーティストが出演した。以下は、2日目のオフィシャルレポートだ。
ポルノ超特急2021 DAY2 2021,12,18(Sat) 京都パルスプラザ
Dizzy Sunfist
小雪が舞うパルスプラザにたくさんの観客が詰めかける。2日目を迎えた“ポルノ超特急2021”。やべきょうすけ氏による注意事項の説明とオープニングMCの後、ステージに登場したのはROTTENGRAFFTYではなくTHE冠。ほどなくしてROTTENGRAFFTYのN∀OKI(Vo.)、NOBUYA(Vo.)、侑威地(Ba.)、HIROSHI(Dr.)も登場し、宇治の実家から来たというTHE冠も交えて爆笑の絡みをしつつ、N∀OKIの「ポルノ超特急2021、2日目、出発!!」という号令に続いてメンバー全員&THE冠で「進行〜〜!!」と叫んで2日目が始まった。
ステージに登場してすぐ、曲を始める前にあやぺた(Vo./G.)が大きく息を吸って「前のベースが卒業して、うちら何も決まってなかったのに、いちばん最初に誘ってくれたのがROTTENGRAFFTYでした。この“ポルノ超特急”でした」と言った。「うちらに希望をくれてありがとうございます!」と続け、Dizzy Sunfistにとって初となる金閣ステージでのライブが幕を開けた。
Dizzy Sunfist
1曲目は「The Dream Is Not Dead」。声は出せないがコール&レスポンス時の客席の反応を見ているとステージの上と下の息はぴったり。立て続けに「No Answer」「Andy」と重ね、オーディエンスはステップを踏み、ジャンプし、拳を振り上げ、朝イチからステージの3人も観客もコンディションは絶好調だ。
Dizzy Sunfist
あやぺたが「崖っぷちこそ最高のチャンスやと思ってます!」と高らかに叫んで始めた「Life Is A Suspense」では、moAi(Dr./Cho.)も歌い、山口メイ子(サポートBa.)がモニターに足をかけて観客を煽り、3人のコンビネーションで魅せる。  ライブの締め括りはオーディエンスを沸かせに沸かせたアンセム「Tonight,Tonight,Tonight」、そして「ラスト1曲、人生は素晴らしいという歌を歌って帰ります」と言って始めた「So Beautiful」、更に「あと1分!!」と駆け抜けるように「FIST BUMP」で終演。最初から最後まで心震わせ続けた渾身のステージ。2日目のトップバッターを見事に駆け抜けた。
Dizzy Sunfist
ハルカミライ
リハーサルからテンション全開だったハルカミライ。橋本学(Vo.)がギラギラと眼を輝かせて客席を見まわし、「君にしか」でライブをスタートさせる。上半身裸の橋本学は広い金閣ステージを所狭しと暴れまわり、「カントリーロード」では関大地(G./Cho.)がアンプの上からジャンプ。枠に収まらず、ステージからはみ出んばかりの圧巻のパフォーマンスにオーディエンスは心を奪われ、拳を振り上げてステージの4人を称賛する。
曲と曲の隙間を作らずに「ファイト!!」「俺達が呼んでいる」と繰り出し、最初から熱量は充分多かったが、その熱をだんだんと上げていき、そして4人の力をひとつに結集していくようなパワフルなステージング。
ハルカミライ
「春のテーマ」で“僕ら世界の真ん中”と実に気持ちよさそうに歌うその姿が眩しくて、橋本学がハーモニカを鳴らして始めた「ヨーローホー」でその勢いをどんどんと増していく。一見、好き勝手にやっているように見えて4人の呼吸はぴったり。4人が力を合わせてライブの終着点へと向かっていくその光景はとても清々しい。
ハルカミライ
4人が声だけで世界を塗り替えた圧巻の「PEAK'D YELLOW」。橋本学が“ただ僕は 俺たちのこの歌が最高だっていうことを ポルノ超特急で証明したいんだ”と歌詞を変えて歌い、その想いに応えるように客席からたくさんの腕が振り上がる。「俺らは街を光らせた」の“憧れはいつかライバルに変わる”という歌詞がこの状況にぴったりハマって胸が熱くなる。
熱いライブの最後を飾ったのは、橋本学が「明日だけどNOBUYAさん誕生日おめでとうございます」と言ってから始めた「アストロビスタ」。同曲でも橋本学は歌詞を変えて“ステージが2つ無くても大丈夫/俺達が光ってるよ、銀色に、金色に/いや、金色(こんじき)に”と歌い、オーディエンスの胸を震わせた。
ハルカミライ
ステージの4人からずっと目が離せなかった。彼らがどんな言葉を放つのか、どんな表情で音を鳴らすのか、どんな歌を届けてくれるのか。完全に心を奪われた素晴らしいステージだった。
NOISE MAKER
NOISE MAKER
ステージに勢い良く登場したAG(Vo.)の掛け声でオーディエンスがジャンプを始め、ボルテージが最高潮になったところで「Something New」でライブスタート。YU-KI(Ba.)が鳴らすベースは胸を焦がし、HIDE(G.)のギターが鋭く響く。UTA(Dr.)の繰り出すタイトなリズムがとてつもなく心地いい。ステージを駆けまわり、先頭に立ってライブを引っ張っていくAG。会場が大きな一体感に包まれる。
NOISE MAKER
楽曲の力で更に高くオーディエンスを飛び跳ねさせたのは「SADVENTURES」。畳み掛けるようなリリックとサビの大きなメロディに胸が熱くなる。そしてフロント3人が声を合わせて幕を開けた「Better Days」では、客席から沸き起こった手拍子がUTAのリズムとシンクロし、一体感が更に強くなる。まるで雲間から射し込んだ光のような神々しいメロディが琴線に触れる。  自身が主催する“KITAKAZE ROCK FES”がコロナの影響で2回中止になったという彼ら、先輩であるROTTENGRAFFTYが主催する“ポルノ超特急”が無事開催された嬉しさを語り、そしてどこまでも響くメロディとメッセージが聴く者の胸を震わせる「NAME」を経て、「SORA」へ突入。
NOISE MAKER
ステージの4人に向けて客席から無数の腕が振り上げられる中、突然ステージに現れたのはROTTENGRAFFTYのNOBUYA。伸びやかな声質のAGとNOBUYAによる掛け合いは最高のコラボ。まるでツインヴォーカルのように2人で「SORA」を歌い上げていく様は見事だった。  
NOISE MAKER
「次はパンパンのグチャグチャの金閣で会いましょう」とAGが言い、更に 「お前ら、折れそうになったらまたロックバンドに会いに来い!」という言葉を残して最後の曲は「Nothing to Lose」。壮大なサウンドスケープとアグレッシヴなヴォーカルに乗ってオーディエンスがジャンプし、金閣ステージを大きく揺らして4人はステージを去った。
四星球
ROTTENGRAFFTYの「金色グラフティー」を(イントロのみ)演奏するなどリハからやりたい放題の四星球。新型コロナウイルス感染によって“京都大作戦2021”を出演キャンセルし、その代役を四星球が務めたという繋がりもあって、会場に来ていたTHE冠をステージに呼び込んで「妖怪泣き笑い」を一緒に歌って観客を沸かせに沸かせる。  
ライブが始まる前から充分に温まった金閣ステージはいよいよ本番。サンタの衣装に身を包んで登場した北島康雄(シンガー)が「クリスマスだからかわいいものいっぱい持ってきたよ〜」とシルバニアファミリーに扮したまさやん(ギター)、ティディベアに扮したU太(ベース)を呼び込み、「ゲームも要るでしょ? 『桃太郎電鉄』用意してます」とキングボンビーに扮したモリス(ドラム)を呼び込む。  
四星球
そして「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」でライブスタート。観客全員でエアギターを弾く振りをしながら散々楽しんでいた曲の半ば過ぎ、なぜかシルバニアファミリーの家からROTTENGRAFFTYのHIROSHIが出てきたり、続く「クラーク博士と僕」では、今日息子が幼稚園で浦島太郎の劇にクラゲ役で出演するんだけど自分はライブだから観に行けなくてそのビデオがさっき送られてきたんだけど息子のクラゲが浦島太郎よりも前に出ていたから息子に感化されてROTTENGRAFFTYつぶしたろうかなと思ってますと告白したりと、毎年書いていることだけど“ポルノ超特急”の四星球はキレキレでやることなすことすべてが半端ない。  
ただ彼らはふざけるだけのコミックバンドではなく、森高千里の「私がオバさんになっても」のアンサーソングを勝手に作ったと言って披露した新曲「君はオバさんにならない」はものすごくいい曲だし、昨年20周年イベントが開催出来なかった京都MUSEへお祝いの言葉を贈ったり、「来年の“ポルノ超特急”では金閣でROTTENGRAFFTYの前をやらせてもらっていいですか?」とバンドマンの矜持を見せつけたりと、胸アツな演出も盛りだくさん。  
四星球
そしてライブマストアンセム「Mr.Cosmo」を早々と「響く都」に繋ぎ、曲中でHIROSHIの過去を暴いたりROTTENGRAFFTYメンバーの個人情報を漏らしたりと暴れまくり、「ロットン大好き!!」と何度も何度もコール。そして最後は2019年の“ポルノ超特急”でKAZUOMIから褒められたという「薬草」を全力でやり切って大団円。  
リハから本編最後の1曲まで、コミックバンドの意地と底力、バンドマン魂と仲間や先輩への愛情がたっぷり込められた満漢全席なステージ。大変おいしゅうございました。
Fear, and Loathing in Las Vegas
So(Clean Vo./Scream Vo./Prog.)とMinami(Scream Vo./Key./Prog./Rap.)という2人のヴォーカルの鮮やかなコントラスト、幾重にも塗り重ねられて無限に降り注ぐ重厚かつキャッチーな音の粒。初っ端の「The Stronger, The Further You'll Be」から会場全体でヘドバンが沸き起こるという、壮観な景色を作り出したFear, and Loathing in Las Vegas。  ポップネスとヘヴィネスを目まぐるしく盛り込んでギリギリまで興奮を高め、サビで爆発させる展開がハマりにハマる。オーディエンスは夢中で没頭し、ジャンプやクラップで5人が作り出した場所と時間を全力で遊び切る。
巨大なダンスホールと化した会場は「Rave-up Tonight」で更にボルテージを上げ、Soの「こんなもんじゃないだろ!?」という挑発に乗って興奮を加速させる。  
Fear, and Loathing in Las Vegas
ドラマチックな情景を作り出した「Evolve Forward in Hazard」で震わせた心に、見事過ぎるアレンジのカヴァー「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」が突き刺さる。  
Fear, and Loathing in Las Vegas
そしてライブを締め括るのは「Party Boys」からの「Massive Core」という極上の流れ。日が傾き始めた屋外の気温はどんどん下がっていたが、金閣の温度を逆にどんどん上昇させたFear, and Loathing in Las Vegas。5人が鳴らす音のすべてにオーディエンスが歓喜し、踊り続けた時間だった。
Fear, and Loathing in Las Vegas
10-FEET
客電が落ち、ステージ左右の大型ヴィジョンにバンドロゴが表示されて拍手が沸き起こる。“ポルノ超特急2021”の2日目、トリ前を務めるのはROTTENGRAFFTYの盟友、京都の10-FEET。たくさんのオーディエンスが色とりどりのタオルを掲げて見守る中、TAKUMA(Vo./G.)が「最強のライブやるで!」と気合を入れる。
TAKUMAとNAOKI(Ba./Vo.)がKOUICHI(Dr./Cho.)のドラムセット前に集まって力強く拳を合わせる。ライブの始まりは「ハローフィクサー」。まるで青い炎のように、クールなのにとてつもなく熱量が高い幕開け。観客は前から後ろまでノリノリで腕を振り上げ、手を叩き、大好きな音楽をむさぼるように全身で楽しんでいる。  
10-FEET
エモーショナルが全開の「アオ」で感情をぐらぐらと揺さぶった後、「金色グラフティー」の印象的なリフが鳴り響き、会場の至るところから拍手が沸き起こる。興奮を隠せないオーディエンスはマスクの下で頬を緩ませ、一心不乱に10-FEETと一緒に(心の中で)歌う。TAKUMAとNAOKIが繰り出すツインヴォーカルにぐっと胸が熱くなり、彼らとROTTENGRAFFTYが作ってきた歴史に思いを馳せる。
10-FEET  
ドラム前に再び集まって何か言葉を交わした3人が次に披露したのはなんと、またしても「金色グラフティー」。誰もが予想していなかったサプライズに歓喜し、オーディエンスは大好きなキラーチューンを存分に堪能する。そして続く「RIVER」では曲中にステージ上から客席最後方までウェーブを往復させたりと、彼らは仲間が作った場所でライブを思い切り楽しんでいる。
10-FEET
そして名曲「シエラのように」でオーディエンスを魅了し、最後は「ヒトリセカイ」を惜しむように歌い切って終了…と思いきや、TAKUMAが会場の時計を見て「ギリギリまでいこう」と言い、「もう時間ないやん」とNAOKIが突っ込みつつ「その向こうへ」を始めたと思ったら「ごめんもうあかんわ」と終演(笑)。遊び心満載の10-FEETから盟友ROTTENGRAFFTYへ…“ポルノ超特急2021” 2日目、トップバッターのDizzy Sunfistから繋いできた、各バンドの気持ちがたっぷり詰まったバトンが託された。
ROTTENGRAFFTY
ROTTENGRAFFTY
“ポルノ超特急2021” 2日目、トリを飾るのはもちろんROTTENGRAFFTY。たくさんの手拍子の中でHIROSHI(Dr.)と侑威地(Ba.)がそれぞれ位置につく。そしてN∀OKI(Vo.)が勢いよくステージに飛び出したのとは対象的に、NOBUYA(Vo.)はゆっくりと歩いてステージに。N∀OKIの名乗り口上の後、その場を一瞬にして自分たちの色に染めた1曲目は「ハレルヤ」。  頭のてっぺんから足の先まで突き抜けるようなギターが鳴り響き、N∀OKIとNOBUYAの掛け合いで興奮が一気に加速する。ヒリヒリとした空気を帯びた4人から気迫がビシビシと伝わってくる。  
「永遠と影」へと続き、ステージから放たれる音と歌の圧が強さを増す。今日1日だけではなく、彼らは昨日からずっと積み重ねてきたものを背負ってステージに立っているのだろう。  
ROTTENGRAFFTY
HIROSHIのドラムに合わせてヴォーカル2人が同時に拳を振り下ろして始まった「STAY REAL」。会場の興奮は止まらない。全員がジャンプして会場を揺らし、どんどん熱が高まっていく。  
そしてN∀OKIが「生きていたら何度でもやり直せる!」と言って「So...Start」へ。ステージの上で命を燃やすようなライブを繰り広げるN∀OKI、眼光鋭く客席を睨みつけながら歌い切るNOBUYA。ステージの迫力に当てられて、客席の興奮がまたより一層強くなったことがわかる。  
ROTTENGRAFFTY
次の「夏休み」では前から後ろまで全員が両手を左右に振り上げ、ステージと客席がひとつになる。更にNOBUYAとN∀OKIが10-FEETの「その向こうへ」の一節をアカペラで歌ってから「THIS WORLD」へ突入。とっくにリミッターを振り切った興奮がまたしても強くなる。  
モッシュもダイヴもしていないはずなのに、みんなソーシャルディスタンスとルールをきちんと守っているはずなのに、金閣ステージがカオスな雰囲気に包まれる。コロナ禍のライブでこんな雰囲気を味わったのは初めてのことだ。  
NAOKIがコロナ以降のシーンを振り返りつつ「色んなことがもう少しあるけど、俺らが求めるあの場所まで絶対に辿り着こうぜ!」と力強く言い、「愛すべきKAZUOMIが作った曲。心の根元で聴いてくれ!」と叫んで始めた「Goodbye to Romance」。それまでの激しくしのぎを削るステージとは一転、想いを込めて放たれたN∀OKIとNOBUYAの歌が心の奥底まで深く突き刺さる。
ROTTENGRAFFTY
かと思えば、次の「銀色スターリー」で会場はまたカオス状態に再突入。NOBUYAが「踊れ!」と叫び、すぐにN∀OKIが「拳を上げろ!」と叫ぶ。メンバーが入れ代わり立ち代わり観客の心を引っ掻きまわして強引に興奮を引っ張り上げる。「声は出せへんけど、俺らバンドマンが精一杯声を張り上げるから全部持って帰れ!」とN∀OKIが叫んで本編最後の「金色グラフティー」へ。  
侑威地が「もっと盛り上がれ!」と言わんばかりに客席に向かって何度も腕を振り上げ、さっきまで「おい! いちばん後ろ!」と観客を叱るように煽っていたNOBUYAはいつの間にかステージ端のスピーカーに登って吠えているし、HIROSHIはずっとニコニコ笑いながら楽しそうにドラムを叩いているし、さっきまで客席を煽っていた侑威地がマイクを通して「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてくる…これらはすべて「金色グラフティー」中に起きた出来事で、もう心が忙しくて楽しくてたまらない。  
アンコールの「響く都」をみんなで騒ぎ狂い、N∀OKIの「出演バンド、みなさま。毎度おおきに!」という言葉で大団円。たくさんの気持ちが入り乱れて心の中がぐちゃぐちゃになった、最高に楽しいライブだった。喜怒哀楽が入り乱れる、ROTTENGRAFFTYのライブの真骨頂を思う存分味わえた。  
“ポルノ超特急2021” 2日目は無事終着駅に到着。さて、明日はいったいどんな1日になるのだろうか。今から楽しみで仕方がない。
※原文ママ
text:山中 毅 photo:かわどう / Yukihide”JON...”Takimoto

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