『RADIO CRAZY presents THE GRAND
SLAM』オフィシャルレポートーー布袋
、オーラル、ビーバーら5組から贈ら
れたクリスマスプレゼント

FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM 2021.12.25(SAT)京セラドーム大阪
12月25日(土)前半レポートはこちら
MY FIRST STORY 撮影=田浦ボン
『THE GRAND SLAM』後半戦は、サウンドチェック時にマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」を爆音で奏でたMY FIRST STORYが開幕ののろしを上げる!
MY FIRST STORY
初っ端「不可逆リプレイス」から「最高のクリスマスにしようぜ!」と場を鼓舞するHiro(Vo)。地鳴りのように腹の底から響きわたるKid'z(Dr)のドラミング、広大なドームごと瞬時に覆い尽くすHiroのエモーショナルな歌声を前に、オーディエンスの沸き立つ影が浮かび上がる。続く「I'm a mess」では、骨太なビートに美麗なメロディが重なりセンチメンタルさは加速するばかりだ。
「この素晴らしい舞台にこんなにたくさんの人が集まってくれたこと、本当に感謝します。初めて京セラドームでやらせてもらうんですけど、すごい眺めですね。しかもこの『THE GRAND SLAM』、最高のメンツじゃないですか? 僕が参加者だったらめちゃくちゃ楽しみにしてるな。僕らは僕らなりに精一杯頑張れたらと思っています。楽しもうぜ大阪!」(Hiro、以下同)
MY FIRST STORY
赤い照明が妖しく4人を照らす「アンダーグラウンド」ではHiroの咆哮にグッと胸を掴まれ、Teru(Gt)が天を仰ぎながら繰り出す旋律には肌身ごとふるわされるよう。と、見覚えのあるグリーンの流線がスクリーンに映されるや、新曲「PARADOX」へ! 映画『マトリックス レザレクションズ』日本版インスパイアソングとして書き下ろされた同曲は、ジリジリと迫り来るスリリングな展開で、バンドに新たな表現を開いたと言えるだろう。音の洪水に溺れる快感をもたらす「REVIVER」では、ステージの端から端まで移動し、ドームにいる一人も取りこぼすことなく届けようとするHiro。躍動するNob(Ba)の生み出すリズムにも多くの拳が突き上げられ、いよいよエンディングが近付いてくる。「ラスト1曲、僕らの思い全部伝えて帰ります。最高の景色だ!」と、「With You」ではこれまで以上に濃密なエナジーを音に、リズムに、そして歌へと託す4人。
MY FIRST STORY
「今まで生きてきた中で、今日が最高のクリスマスプレゼントになりました。本当にありがとうね、大阪!」と、満ち足りた表情のHiroに、観客が大きくうなずく様子が見てとれるほど、ダイナミックな一体感を作り上げてくれたMY FIRST STORY。一瞬たりとも緩むことなくストイックな姿勢を貫き通したステージングとなった。
ウルフルズ 撮影=渡邉一生
真っ赤なジャケットに身を包んだトータス松本(Vo.Gt)が「イエーイ! 大阪、楽しんでくれよ。エブリバディ、セイ・イエー!」と心の声でのコール&レスポンスを仕掛け、ウルフルズの時間がスタートする。お馴染みのグルーヴィーなイントロが鳴り響けば、「ガッツだぜ!!」から彼らが打ち鳴らす巨大なファンクネスに身も心もじんわり熱されていく。トータスに肩を抱かれながらジョンB(Ba)も爽やかなコーラスを聴かせ、お次も「バンザイ 〜好きでよかった〜」と、ファンはもちろん初見のオーディエンスも瞬時に巻き込むウルフルズ・アンセムのオンパレードが! 桜井秀俊(Gt/真心ブラザーズ)は色鮮やかなギター・ソロで場を沸かせ、その様子にトータスも破顔。彼らが放つハートフルな言葉、人肌の温もりを宿したメロディに、客席へも笑顔が広がる幸福な連鎖がたまらなく愛おしい。
ウルフルズ
トータスの豊潤なアコギの音色を呼び水にした「笑えれば」では、キャリアを重ねたツワモノゆえのやさしさと一雫の哀愁に、自然とクラップの嵐が創出される絶景が湧出。サンコンJr.(Dr)の刻むリズムが聴く者の体中を駆け巡り体感温度を上げていく中、自由度の高い浦清英の鍵盤さばきが一層興奮度を高めていく。続いて語りかけるような言葉から骨太なバンド・アンサンブルへとなだれ込む「サムライソウル」、性急なリズムで畳み掛ける「ええねん」と、宴はそのピークを更新し続けていく。加えてステージ上にはキュウソネコカミの面々がコーラス隊として登場! お祭り感いっぱいに花を添えてくれるも、バンドとしての出演は明日とあって、「早よ帰れー(笑)! ありがとうな!」(トータス松本、以下同)なんてツンデレぶりも実に楽しい。会場からも思わず笑いがこぼれる一幕を経て、この日はこんなうれしいニュースも飛び込んできた。
ウルフルズ
「来年はウルフルズ、デビュー30周年です。そこで、ずっとやってきた野外ワンマンライブ『ヤッサ!』を来年5月21日(土)にやります。30周年、みんなで応援してくれ!」
ウルフルズ
大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場を舞台にした伝説的イベントが、何と4年ぶりに開催されるというから、これぞ何よりのクリスマス・プレゼントだ。ラストは「心の声で歌ってくれよ!」と会場を一つにした「いい女」でエンドマークを打つ! ブルースハープを吹き鳴らし、ハンドマイクに持ち替えたトータスが今宵イチの温かな歌声を響かせるや、大きな拍手で呼応するオーディエンスとの関係性が何ともまぶしい。歌心の塊のようなトータス松本、笑顔をビートに変えるジョンB、どっしり全てを抱える屋台骨のサンコンJr.……彼らの姿から改めてライブの尊さを知るひとときとなった。
布袋寅泰 撮影=田浦ボン
幕間には、FM802のDJ・落合健太郎が姿を現し、次なるアーティストへの並々ならぬ思いを口にする。
「僕も10代のときに出会って毎日のように聴いていたスーパーアーティストです。実はDJの見習い時代だった1999年に初めてお会いでき、「いつか一緒に仕事をしよう」とそう言ってくれました。今日いろんなアーティストがこのステージで夢を語ってくれましたが、僕の夢も今日叶います! 皆さん準備はよろしいでしょうか?」
そう促され、40周年の節目を迎えた希代のギターヒーロー布袋寅泰のギグが始まる! 真っ白なスーツがまばゆく、冒頭「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」から堂々たる風格を放つパフォーマンスで、まさに一挙手一投足と目に焼き付けたくなるほど。ファンキーな超強力ダンス・ロック「バンビーナ」では「カモン、大阪!」(布袋、以下同)との呼びかけに、こちらもオートマティックに体を揺らさざるを得ない。時に天を仰ぎ、また時に華麗なステップを踏み、巧みな魅せ方もまた圧巻で、しかもアウトロでは「ジングルベル」のメロディをつなげる小粋さも! 冒頭のコールから鳥肌モノの「BE MY BABY」では時折フロアへと手を振り、続く「Give It To The Universe」ではフィーチャリングしたMAN WITH A MISSIONがサプライズ参加! 「みんなのために特別にデッカいクリスマスプレゼントを届けに来てくれました!」と、会場はさらなる熱狂の渦へ。Jean-Ken Johnny(Gt.Vo.Raps)も最前線で弾き倒し音のレイヤーを何層にもブ厚くさせていく。そんなマンウィズの面々を見送り、改めて布袋がマイクを握る。
布袋寅泰
「大阪のみんな、クリスマス・パーティ楽しんでますか? 相変わらず憎いコロナのおかげで我慢してもらう場面もあるんだけど、我慢と思ったら面白くない。こうやって俺たちなりの楽しみ方で最高のクリスマスを過ごしましょう!」
ジャケットを脱ぎ捨て、HOTEI柄モデルのギターに持ち替えた彼は、イントロから凄まじい求心力の「スリル」をブチ上げる! 轟音プレイからサビでの甘くセンチメンタルなフレーズが否応なくテンションの天井を突き破り続け、終盤には歌詞を<おまえ「たち」のものさ>と歌い変えれば、観客の歓喜の表情がマスク越しですら分かるほどだ。「POISON」のメロディアスで美麗なソロパートにも釘付けにさせられ、再びこの日への心情を紡ぐ彼。
「2021年ももうすぐ終わります。苦しい1年だったけど、今日は仲間たちと気持ちが通じ合えたからハッピーなんじゃないかな。必ず夜は明けます。僕が次に『RADIO CRAZY』に呼んでもらえる頃には、マスクを外して楽しめると信じています。それまで頑張りましょう!」
布袋寅泰
そんな明るい宣言のあと、ラストを担うのは彼の原点=BOØWY時代の大名曲「Dreamin’ 」だ。渋さや貫禄はもちろん備えているものの、少年のようにステージを楽しむこの姿こそHOTEIの真骨頂と言えるだろう。合間に「上を向いて歩こう」のメロディを奏でたのは、きっとこの難局を共に乗り越えよう……そんな私たち全員への応援歌ではないだろうか。この短い時間の中でも40年のクロニクルを惜しげもなく詰め込み、大観衆をあっという間に我がものにした布袋寅泰。ギターヒーロー、ここにあり! 誰しもの心に初期衝動を呼び起こした圧巻の一幕となった。
SUPER BEAVER 撮影=渡邉一生
バンドタオルを高らかに掲げた柳沢亮太(Gt)らプレイヤー陣が先導し、遅れて渋谷龍太(Vo)がオンステージ。コロナ禍においてどこまでも現場を大切にし、配信なども交えながらさまざまな方法でオーディエンスとのつながりを絶やさずにきた生粋のライブバンドSUPER BEAVERが降臨! 冒頭の「人として」からいきなり、ここが京セラドームだということを忘れてしまうほど、心の距離をゼロにし迫りくる渋谷の歌声。ドームクラスのステージすら、彼らにかかればライブハウスかごとくの親密さだ。柳沢の生み出すブライトなメロディが底抜けに爽快な「青い春」では、「後ろの方まで見えてます!」(渋谷、以下同)と誰一人として置いていかないバンドの姿勢を改めて提示。
SUPER BEAVER 
「レペゼン・ジャパニーズ・ポップミュージック、フロム・トーキョー・ジャパン、SUPER BEAVERです! 2020年、2021年と大変な時を過ごしたあなたが今日、来てくれている。めちゃくちゃ幸せなことです。でもこの4人で音を鳴らせばライブ? いや、それは甚だ疑問に思えます。せっかくあなたがいてくれる。あなたの力が必要かもしれません。そうじゃないと音楽にならないと思っています、ライブにはならないと思っています。一緒に最高の音楽をやりましょう!」
SUPER BEAVER
そう続けての「予感」では、藤原”33才”広明(Dr)が打ち鳴らすビートが何とも明るく、きらめきすら放つ柳沢のギターからも高揚感は高まり続けていく。曲の合間も「本気でかかってこい!」だったり、「声は出せなくても全部ぶつけてくださいね」なんて絶えずアジテートし続ける渋谷に、全力で共鳴する客席との絆の美しさたるや! そして映画『東京リベンジャーズ』の主題歌として、またさらなる境地へと4人を導いた「名前を呼ぶよ」でも、実像以上に大きな音塊を放出し、それがドームの天井から全身に降り注がれるような多幸感でいっぱいに。全曲クライマックス、全曲ハイライトな絶頂の中へ、さらに「東京流星群」をぶっ込み、ライブがなし得る最上の景色を湧出させていく4人と、オーディエンスたち。誰一人欠けてもなし得ない一期一会の場がここにはある。
SUPER BEAVER
「この先どうなるか分からないし、来年も絶対楽しいなんて言い切れないけれども、俺たちがやってる音楽はこの時が楽しければいいんじゃなく、現実をそれぞれがしっかり生き抜くために、自分でぶっ飛ばせるような……そんな気持ちを持ってこの1年も音楽を鳴らしてきました。本日がその集大成。大変お世話になりましたし、この先もお世話しますので何卒よろしくお願いします!」
SUPER BEAVER
最後に「アイラヴユー」を大きく深く絶唱する渋谷。「次はライブハウスで会いましょうね!」と、再会を約束し、耳の奥にそして心の奥底にまで心地よい残像を残してSUPER BEAVERの4人は会場を後にしていった。
THE ORAL CIGARETTES 撮影=田浦ボン
いよいよ初日のオーラスを迎えようとする京セラドーム大阪に、FM802のDJ中島ヒロトが登場。「予告ホームラン!」と、これから始まるステージの成功を予言しながら、THE ORAL CIGARETTESの名をコールする。
「分からない人は近くの人を真似して、分かってる人はついてきてや!」と、山中拓也(Vo.Gt)がお約束の口上で始めたのは「起死回生STORY」。客席も身振り手振りで応戦する、いきなりのフルスロットルぶりに「やっぱ最高やな!」(山中、以下同)とご機嫌な様子。初期からのキラーチューン「Mr.ファントム」でもサディスティックに煽りつつ、あきらかにあきら(Ba.Cho)も特大ジャンプをキめ、ステージ中を縦横無尽に駆け回っていく。
THE ORAL CIGARETTES
MCでは大阪近鉄バファローズのファンだったという山中が、今宵はイベント特製ユニフォームで登場するも、リクエスト多数により自ら持参したサンタクロース柄の愉快なカーディガンを羽織る羽目に。「この衣装で真ん中に立ってるの、すごく恥ずかしいので盛り上がってくださいね?」なんておどけつつ、「Dream In Drive」へとなだれ込む! 「もっといけるんちゃう?」なんて、会場の壮絶なほどの連帯にもまだまだとばかりに煽り続け、「MACHINEGUN」では中西雅哉(Dr)の変則的ながら正確無比なドラミングで体の芯から容赦なく揺さぶっていく。
THE ORAL CIGARETTES
続く「カンタンナコト」では山中がハンドマイクで練り歩き、サビで爆発する高揚感にエンドルフィンが止まらない。全員でヘドバンする圧巻の光景はまるでコロナが存在しなかった世界と変わらず、奪われるばかりに見えたライブという場に4人は確かな光を注いでいく。山中の絶叫をトリガーにした「BLACK MEMORY」では、さらなる高み=ゾーンへと突入。煌びやかなメロディを華麗に弾き倒す鈴木重伸(Gt)も、最前線でそのプレイを惜しみなく見せつけていく。しかもMY FIRST STORYのHiroが乱入を果たし、一層厚みの増したツインボーカルで得意の狂騒感は早くもオーバーヒート寸前だ。
MCでは、今宵の感謝を告げると共に新たな野望も語ってくれた山中。「2021年は本当にファンのみんなや、先ほど来てくれたHiroたち仲間やメンバー、チームスタッフに支えてもらった1年でした。正直なところ、京セラドームでワンマンしたいな、とかも思うんです。でも、やっぱり浅いつながりで埋めてもしょうがないし、心底つながってるクルーたちチームたちでこういう大きい場所を埋められたら幸せなので、焦ってません。心引かれ合う瞬間をたくさん作って、この夢を一緒に長い時間かけてかなえられたらうれしいです!」
THE ORAL CIGARETTES
そう語るや、この日一番の重厚でエッジィなアンサンブルを「Red Criminal」でブチかまし、アンコールの「狂乱 Hey Kids!!」まで全8曲。耳をつんざく怒涛の乱舞で、京セラドームの全てを手中に収めた彼ら。熱い弾丸のように絶え間ないリズム、メロディックなツインギターを駆使し、ライブが持つ、五感がもたらすフィジカルゆえのかけがえのない体験をその身をもって提示してくれた。
初の4DAYSで会場を京セラドーム大阪に一新、マスクの着用や消毒の徹底など、多くの変更とルールをものともせず、無事に初日を完遂した『THE GRAND SLAM』。トップバッターのOKAMOTO'SからTHE ORAL CIGARETTESまで10組全てのアーティストがホームラン連発のアクトで、26日へのバトンをしっかりつないでくれた。
なお、この日のライブ音源は、1月10日(月・祝)にFM802で放送されるスペシャルプログラム『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM HIGHLIGHTS』で聴くことができる。
文=後藤愛 写真=FM802提供(渡邉一生、田浦ボン)
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