『RADIO CRAZY presents THE GRAND
SLAM』オフィシャルレポートーーサン
ボ、ストレイテナー、Vaundyらが全身
全霊でライブを投球

FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM 2021.12.28(TUE)京セラドーム大阪
2021年12月25日(土)から28日(火)の4日間、京セラドーム大阪にて『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM』が開催。ラジオ局・FM802が主催する年末恒例のロックフェスで、2年ぶりとなる今年は長年開催してきたインテックス大阪から場所を移し、1ステージの新しいスタイルで全40組がライブを繰り広げた。今回は、4日間のお祭りの最終日、28日(火)前半の模様を早速レポートしよう。
Vaundy 撮影=渡辺一生
最終日のトップバッターを務めたのはVaundy。重低音とまばゆい白と青の照明で、物語のはじまりを予感させるようなSEの演出にドキドキさせられる。ドラムの音に合わせてフロアはクラップ。徐々に熱量が高まってゆく。轟音とともにスタンバイ完了。オレンジ色の照明に照らされ、ステージ上にVaundyとバンドメンバーが、まるでロウソクの炎のように姿を現す。
Vaundy
1曲目は、2020年5月のFM802ヘビーローテーションにも選ばれた「灯火」からスタート。まろやかで質量のある歌声が場内に満ちてゆく。サビで足をふんばり力強く叫ぶように放った歌声は、京セラドームの後方までしっかりと届き、思わず鳥肌が立った。続く「不可幸力」では妖艶かつパワフルに歌い上げ、表現力の幅の広さを提示する。
Vaundy
「皆起きてる?」と一言客席に声をかけ「踊り子」へ。軽やかで可愛らしい雰囲気から一転、「しわあわせ」では、分厚いサウンドとともにステージ全体がまばゆい光を放ち、京セラドームのスケール感を感じさせる壮大な演出に圧倒された。
Vaundy
MCでは「すっげーいっぱいいるわ」と客席を見渡し、地声で「おーい!」と叫んだり、「写真撮っていい?」と客席の写真を撮ったりする場面も。「先輩方は勝手に盛り上がるから、今ここで全部終わらせようと思うくらいの気持ちで聴いていってください。クラップいけますよね?」とフロアを臨戦態勢にととのえ「Tokimeki」を披露。夜を泳ぐようにメロウな「東京フラッシュ」で切ない歌声を届け、「本当にありがとうございます! 今年最後のライブになりました! 今日は楽しんで帰ってください! いけるか!」と「怪獣の花唄」をドロップ。クラップを煽りまくり、さらにラストの「花占い」で渾身のパワーとものすごい声量で、会場内の温度をグンと引き上げた。この日の出演者の中で最年少だが、大物の風格すら感じさせるステージだった。
KANA-BOON 撮影=井上嘉和
2番手は大阪出身のKANA-BOON。リハでは谷口鮪(Vo.Gt)が客席に向かって大きく手を振り、地元ならではのホームを感じさせる。「よし、始めよう! KANA-BOONです、よろしくどうぞ!」との谷口の一言から「シルエット」をドロップ。イントロと同時に客席から高速クラップが弾ける。続く「フルドライブ」で勢いはさらに加速! 谷口と古賀隼斗(Gt)が向き合ってプレイしたり、膝をついてギターを奏でたり、疾走感を伴ってどんどんギアを上げてゆく。
Vaundy
MCでは「帰ってきましたKANA-BOONです。Vaundyからパーマが続いてますけど、よろしくお願いします」と谷口。そして「大阪(年内)ラストライブです! 真昼間ですけど、最終ヘッドライナーくらいの気持ちで駆け抜けたいと思います。外はすっかり寒いですから雪の曲を」と「スノーグローブ」を披露。続いて小泉貴裕(Dr)のパワフルなリズムから「ネリネ」へ。明るく軽快なロックビートでフロアをガンガン踊らせる。
KANA-BOON
「改めまして俺たちがロックバンドです、よろしく!」とバンドの矜持を感じさせる谷口の言葉から「まっさら」を投下。サビで合唱したくなる衝動をグッと堪える。逆光の照明を使ったドラマチックな演出から4人のエモーショナルなセッションで、夢のような時間を作り上げていく。
KANA-BOON
さらに「本当に嫌な世の中になったよね。でもこうやってまた集まれて楽しい時間を一緒に過ごせて俺はすごく嬉しいし、俺たち音楽を好きな人は幸せなんだなと思う今日この頃です。(中略)俺たちの音楽はどんなことがあってもずっとそばに居続けるので、どうかそういうことを忘れずに、これからも一緒に年を重ねて音楽の愛を深めていって、良い年を過ごしましょう」と谷口。
KANA-BOON
コロナ禍で色んなものを失い出来たという新曲「Re:Pray」では、<また始まるのさ><いつまでも いつまでもそばに>とメッセージが贈られる。この曲に込める気持ちの強さが、歌う谷口の眼差しやメンバーの演奏からひしひしと伝わってきた。ラストは「スターマーカー」。全部出し切るぞ! という気迫にフロアも応え、最高潮の一体感を生み出す。3人の情熱と幸福感に包まれたステージだった。
indigo la End 撮影=渡邉一生
美しいブルーのライトに照らされてSEが流れ、メンバーが登場すると大きな拍手が沸き起こった。3番手はindigo la End。佐藤栄太郎(Dr)のドラムから一気に照明が明るくなり「名もなきハッピーエンド」を披露。川谷絵音(Vo.Gt)の高音ボーカルが京セラドームに響き渡り、後鳥亮介(Ba)が嬉しそうに笑顔を見せる。「瞳に映らない」では佐藤のビートに導かれてクラップが自然発生。静かなテンションでありながらしっかり温度がある川谷の歌声や、長田カーティス(Gt)のテクニカルなギターリフに意識が連れていかれそうになる。
indigo la End
この日は照明の演出が芸術的だったことも記しておきたい。「夜明けの街でサヨナラを」ではオレンジと赤色のライトが踊るようにステージを彩り、サポートである、えつことささみおのコーラスも相まって、ドラマティックな空間を作り出した。スローテンポでノスタルジックな「チューリップ」を経て、「邦画」では川谷が1人で歌う時とコーラスの2人がメインボーカルをとる時でオレンジと青の照明が切り替わり、楽曲の世界観を何倍にも膨らませた。
indigo la End
ここまでほぼMCなしで楽曲を演奏してきたが、ここで「今日はFM802のイベントなんですけども、今年の春にキャンペーンソングを作りまして、このイベントのためにセルフカバーをしてきたので披露しようと思います」と、FM802春の「ACCESS!」キャンペーンソングで、川谷が作詞作曲を手がけた「春は溶けて」のセルフカバーという、スペシャルなプレゼント! どこか哀愁を感じさせるindigo la Endらしいアレンジで、楽曲の魅力をたっぷり味あわせてくれた。
indigo la End
締め括りはアンセム「夏夜のマジック」。川谷がハンドマイクで身体を揺らして切なく歌い上げる。サビでは川谷が挙げた手に応え、フロアもハンズアップ。終始幻夢的な、indigo la Endにしかできない独自の世界観を、存分に発揮したライブだった。
FM802 DJ 内田絢子
FM802DJの内田絢子から「続いては今日の4番バッターです。季節が変わるたびに彼らの楽曲にリクエストが届きます。季節を彩るロックバンド」と紹介されたのはストレイテナー。
ストレイテナー 撮影=井上嘉和
SEが流れるとオーディエンスから歓迎のクラップが巻き起こる。真っ赤にライトアップされ存在感を増したステージにメンバーが登場。「今年最後のライブにやってきました。俺たちストレイテナーと言います、よろしくお願いします!」とホリエアツシ(Vo.Gt.Pn)が挨拶。1曲目は「シーグラス」。日向秀和(Ba)はニコニコの笑顔全開でプレイ!
ストレイテナー
爽やかなサウンドスケープを描いたと思えば、2曲目でナカヤマシンペイ(Dr)と日向のリズム隊が最高にカッコ良い「宇宙の夜 二人の朝」をぶち込み、会場を熱狂の渦に巻き込んでゆく。続く「さよならだけがおしえてくれた」では、メロディアスで甘く切ないホリエの歌声と大山純(Gt)のコーラスが美しく響き、フロアは酔いしれる。
ストレイテナー
そして「FM802に愛を込めて、ストレイテナーが一番最初にヘビーローテションにしてもらった曲をやりたいと思います」と、2007年1月のヘビロ曲「SIX DAY WONDER」をプレイ。ピアノの美旋律と、天井高くまで響き渡るホリエの高い歌声でしっとりと魅了する。季節を彩る名曲「灯り」では、メンバーの背景に雪の結晶の模様が映し出され、この季節を特別なものにし、あまりの心地良さに、ただ聴き入るしかない。
ストレイテナー
「2022年こそはガンガンライブをやって、皆にこれでもかというくらい会いに来たいと思いますので、よろしくお願いします。とにかく今日会えて良かったです。ありがとう」と後半戦を一気に駆け抜ける。
ストレイテナー
閃光のような照明が楽曲を引き立てた「叫ぶ星」、アンセム「Melodic Storm」、「ROCKSTEADY」を続けざまに投下。最上級のグッドメロディの連発で心がホカホカになる。さすが4番バッター。最後はメンバー4人がステージの前に出てきて肩を組み、深く一礼。愛に溢れた最高のホームランをかましてくれた。
サンボマスター 撮影=渡邉一生
前半戦の最後に登場したのはサンボマスター。リハからパワフルなドラムの音、流れるようなエレキギターが響き、ライブに向けての気概が高まる。のっけからOiコールで煽りながら、山口隆が(Vo.Gt)が「お前ら2つに1つどっちか決めろ! 1つ、恥ずかしがって何もしねえで終わる年末! 2つ、アホになって踊りまくるアホ年末かどっちか決めろー!」とシャウトし、「ミラクルをきみとおこしたいんです」をドロップ。
サンボマスター
「俺たち3人がここに来た理由はな、おめえら全員優勝させに来た!」と、サビ以外ほとんど歌詞を歌わず「アホ年末!」を叫び、ものすごい熱量で1曲を終えた。全員優勝とはまさに『RADIO CRAZY』を体現している。心の熱いところを突かれ、早くも盛り上がりは最高潮に。間髪入れず「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」を投下し、アンセムの連続でフロア全体を巻き込んでゆく。
サンボマスター
MCでは「うまく言えねーけど、今年1年ご苦労様でした。ここに3人いることを忘れるんじゃねえよ。俺たち3人が何を思ってるか忘れんなよ。俺たち3人はよ、来年もあんたに生きててほしいわけ。今年も生きててくれてありがとう」と山口。最近痛ましい事件が相次いでいたこと、年末は孤独を感じやすい人も多いだけに、この言葉はかなりグッときて、メモを取りながら思わず涙が流れた。山口がピンスポットの中「ラブソング」を歌い上げる。と、客席にスマホライトがポツポツと灯りだし、あっという間に後方座席まで広がり、星空のように幻想的な風景が出現した。
サンボマスター
感動の余韻から一転、木内泰史(Dr)の力強いビートと近藤洋一(Ba)のベースが疾走感を生み出す「輝きだして走ってく」をプレイ。曲中では「偉そうだけど言わせてくれ。今年1年頑張ったライブハウス関係者、そしてFM802の人たち。音楽を支えてくれたあんた方よ!」との山口の言葉に続き、メンバー全員で<負けないで>と歌唱。音楽関係者への激励を贈る。彼らの愛情の深さは本当に果てしない。
サンボマスター
「来年も勝手に死んでんじゃねえぞ!」「何かあったらサンボのライブ来いよ!」とオーディエンスに宿題を出し、「できっこないを やらなくちゃ」から名曲「花束」を全身全霊で披露。会場にいる全ての人を肯定してエールを送る、熱く激しく優しいライブだった。
取材・文=ERI KUBOTA 撮影=FM802提供(渡邉一生、井上嘉和)
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