THE BAWDIES × go!go!vanillas 1月
で閉館するSTUDIO COASTへの思い込め
た熱演、“ロックンロール大新年会”
レポート

SEEZ RECORDS presents THANK YOU FOR OUR STUDIO COAST

2022.1.6 新木場・USEN STUDIO COAST
今年1月30日に閉館する新木場にあるライブハウス、USEN STUDIO COASTにこれまでの感謝の気持ちを込めたイベント『SEEZ RECORDS presents THANK YOU FOR OUR STUDIO COAST』が1月6日に開催された。出演はSEEZ RECORDSが輩出したTHE BAWDIESgo!go!vanillasの2バンドに加え、昨年、SEEZ RECORDSに加わったCOWCITY CLUB BANDの計3バンド。それぞれにSTUDIO COASTへの思いを込めながら熱演を繰り広げた、THE BAWDIESのROY(Vo)曰く「ロックンロール大新年会」の模様をレポートする。
COWCITY CLUB BAND
露払いを務めたのは、“ど田舎出身の4人組ロックンロールバンド”と自ら掲げ、滋賀県愛東町からやってきたCOWCITY CLUB BANDだ。
「(客席を見て)ひたすらでっかいですね!(笑) 時間は短いですけど、全部詰め込んでやります。STUDIO COASTに愛を込めて!」
岸川倖平(Vo/Gt)が意気込みを言葉にしながら、20分という持ち時間の中で彼らが演奏したのが、昨年6月にSEEZ RECORDSからリリースした1stミニアルバム『愛東町より、愛を込めて』収録の「グッドラック」「カントリーボーイズ オン ザ ラン」を含む全5曲。メロディからはカントリーの、そして演奏からはブルースの影響が感じられるのだが、それらが絶妙に混じり合い、粗削りながらも彼ららしいと思える等身大の表現になっているところが、とてもいい。
COWCITY CLUB BAND/岸川 倖平
COWCITY CLUB BAND/世良ジーノ
牧歌的という意味では、デビュー当時のgo!go!vanillasをちょっと思い出させるところも。go!go!vanillasはその後、ポップミュージックとしての洗練も追求していったが、果たしてCOWCITY CLUB BANDは!? そんな興味も湧いた20分。タイトル通り、どんどん演奏の熱度を上げていった「カントリーボーイズオンザラン」と、そこから「踊ろうぜ、COAST!」と岸川が声を上げ、メンバー全員でシンガロングしたラストの「ランデヴー」では、座席から立ち上がった観客がSEEZ RECORDS期待の新人に大きな拍手を贈った。
COWCITY CLUB BAND/城 弘憲
COWCITY CLUB BAND/遼太郎
そして、その盛り上がりをgo!go!vanillas(以下バニラズ)がさらに大きなものにする。
go!go!vanillas
「最高のロックンロールパーティーにようこそ!」(牧達弥、Vo/Gt)
柳沢進太郎(Gt)がバンドの演奏をぐいぐいと引っ張るようにギターを掻き鳴らす「スーパーワーカー」でスタートダッシュをキメたバンドは、THE BAWDIESとの対バンなのだから、この曲をやらないわけにはいかないだろうとばかりに早速、2016年にリリースしたTHE BAWDIESとのスプリットシングル『Rockin' Zombies』から「ヒンキーディンキーパーティークルー」をフロアにぶつける。この日はバニラズのみならず、THE BAWDIESのファンもいるのだから盛り上がらないわけがない。カーニバル感を醸し出すカウパンク調の演奏に加え、長谷川プリティ敬祐(Ba)のリクエストに応え、観客が手を打ち鳴らしたことで、会場は早くもお祭り騒ぎに!
go!go!vanillas/牧達弥
go!go!vanillas/長谷川プリティ敬祐
「(バニラズも含め)ロックバンドとは切っても切れない素敵なライブハウス。初めて来た人? ロックの歴史に名を刻んだこの場所で(バニラズのライブを)見てもらえてうれしい」(牧)
そんなふうにSTUDIO COASTの思い出や思い入れを語りながら、この日、バニラズは「エマ」「カウンターアクション」とお馴染みのダンサブルなポップナンバーに加え、牧と柳沢のツインボーカルが新たな魅力を打ち出した最新曲「LIFE IS BEAUTIFUL」や昨年3月にリリースしたメジャー5thアルバム『PANDORA』から轟音の演奏の中でコーラスワークに加え、ジェットセイヤ(Dr)によるハードコア風の2ビートも含む目まぐるしいリズムチェンジやハンドマイクで歌う牧の2ステップなど、多くの聴きどころ・見どころを詰め込んだ「one shot kill」も披露。進化を続けるバンドの姿もアピールしたのだった。

go!go!vanillas/柳沢進太郎
go!go!vanillas/ジェットセイヤ
「STUDIO COASTはなくなるけど、ここで演奏してきたバンドは、この後も転がり続けると思う。ここでみんなと分かち合えたから、俺たち、まだまだ行けると思う。何かが終わっても残り続ける音楽でいたいと思います!」
牧の宣言からのラストスパートは、まずバニラズの真骨頂と言える牧歌的なロックンロールの「平成ペイン」で観客を踊らせてから、アイリッシュ調のイントロがカーニバルの熱気を生む「マジック」でとどめを刺すように盛り上げると、最後に手拍子によるコール&スポンスを交え、ダメ押しで一体感を作り上げたのだ。
go!go!vanillas
ところで、レーベルの先輩であるTHE BAWDIESとの久々の対バンを歓びながら、牧が言った「6年前の対バンツアーでは悔しい思いもした。今日、やる曲の中にはその思いがあるからこそ生まれたものもある」という言葉からは、先輩だからって負けられない、負けたくないというライバル心が感じられたが、そこで、おぉ、受けて立ってやろうじゃないかとバチバチと火花を散らさずに先輩らしい鷹揚さで受け止めるようなライブになったところがTHE BAWDIESならではと言えるところなのかも。
THE BAWDIES
「あけましておめでとうございます! 新しい最高の明日が来ることを願って、この曲から!」
挨拶を兼ねたROY(Vo/Ba)のシャウトからなだれこんだ「A NEW DAY IS COMIN’ 」でTHE BAWDIESの演奏はスタート。ダイナミックなリフを軸にしたグルーヴィーな演奏に早速、観客が手拍子で応えると、バンドは間髪入れずに「IT’ S TOO LATE」「SKIPPIN’ STONES」とたたみかける。前者ではROYが“Ahhhhhhh!!”と長尺のシャウトを轟かせ、驚異の肺活量をアピール。後者ではポップな曲調に加え、ワウを踏んだTAXMAN(Gt/Vo)のカッティングとJIM(Gt/Cho)のボトルネック奏法のコンビネーションというギター2本のアンサンブルでも楽しませつつ、倍テンになったMARCY(Dr/Cho)のドラムに合わせ、観客をジャンプさせた。
THE BAWDIES/ROY
中盤のMCでは、昨年、バニラズの横浜アリーナ公演を観にいった時のTAXMANの言動をROYがイジッたり、「360度ライブをやらせてもらったり、いろいろなバンドに呼んでもらったり、いろいろな思い出があります」とROYに話を振られたMARCYがSTUDIO COASTの思い出を語ったり。
THE BAWDIES/JIM
TAXMANがリードボーカルを取るとびきりポップな「EASY GIRL」からの後半戦は、「次にやって来る光に目を向けたほうが人生は楽しめる」(ROY)というメッセージを込め、昨年9月にリリースしたメジャー8thアルバム『BLAST OFF!』からミッドテンポの「END OF THE SUMMER」を披露。ゴスペル調のコーラスワークというTHE BAWDIESの新たな武器を見せつけると、THE BAWDIESのライブの見どころの一つとも言えるお馴染みのコント「HOT DOG劇場」になだれこむ。
THE BAWDIES/TAXMAN
「STUDIO COASTは終わるけど、新年会は目出たい」とこの日、ROYは言ったが、STUDIO COASTの閉館を、ロックンロールバンドらしく賑やかに飾りたかったのだろう。その思いはバニラズもCOWCITY CLUB BANDも同じだったはず。
THE BAWDIES/MARCY
ラストスパートは「本当はみんなに叫んで欲しい。心の中で叫んでほしい」(ROY)と敢えて、「LET’ S GO BACK」「T.Y.I.A.」「JUST BE COOL」と本当なら観客のシンガロングは必至のロックンロールナンバーをたたみかけ、さまざまなアクションで応える観客とともに一体感を作り上げる。
「STUDIO COASTは僕らの夢が叶った場所。そこでこうしてファミリーで、みなさんとライブができるなんてうれしい。STUDIO COASTにありがとうの気持ちを込めて、大きな打ち上げ花火を上げたいと思います。みなさんが花火になって飛んでいってください!」
ROYの呼びかけに最後は観客全員が手を横に振りながらジャンプ!! 打ち上げ花火という表現がぴったりの壮観な景色を作り上げたのだった。
THE BAWDIES
そして、アンコールには大新年会にふさわしいサプライズが! この日の出演バンドのメンバー全員がステージに勢揃いして、「STUDIO COASTとともにロックンロールが転がり続けるということで、この曲をやりたいと思います!」(ROY)とTHE BAWDIESの「KEEP ON ROCKIN’ 」を演奏したのである。
「最後にみんなで一緒にやりたい。みんな(バンドのメンバー)じゃないよ。(観客も含めた)みんなだよ!」
そんなROYの前置き通り、COWCITY CLUB BANDとバニラズのサオ隊がソロをリレーしたあと、「みなさんの番です!」とROY、岸川、牧が観客と手拍子のコール&レスポンスを繰り広げた。お互いのギターを交換したJIMとCOWCITY CLUB BANDの世良ジーノ(Gt/Cho)やTAXMANを肩車したジェットセイヤを含む総勢12人が入り乱れる、そのわちゃわちゃ感が、いかにも大新年会のお開きという気分にしてくれたのだった。
取材・文=山口智男 撮影=橋本塁 (SOUND SHOOTER)

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