Hikaru//「JUST DO IT」リリース記念
インタビュー 『終末のハーレム』が
あったからこそ生まれた楽曲 「大人
には大人な楽しみ方ができる楽曲に仕
上がりました」

KalafinaのメンバーであるHikaru//のソロプロジェクトH-el-ical//が2022年1月から放送開始となったTVアニメ『終末のハーレム』の主題歌を担当することとなった。これまでも数々のアニメとのタイアップソングを担当し、その全てで作品と寄り添った楽曲を生み出してきた彼女。果たして今回のタイアップではいかなるアプローチで楽曲を生み出したのだろうか。その制作方法と、今回の楽曲に込めた想いについて大いに語ってもらった。

――2022年が始まりましたが、年末年始はいかがお過ごしでしたか?
年末には『Songful days』の同時視聴会をやらせていただいたり、ファンクラブの配信イベント『Helixes Christmas Event 2021』の同時視聴会をやらせていただいたり、ギリギリまで皆さんと交流しながら過ごしていました。そして1月8日には鹿児島で行われた『りなメロ♪』に出演させていただいて、年明けからはそちらの準備をしていたという感じで、すごく充実した年末年始でしたね。
――かなり充実した年末年始を過ごされていたと。
私にとって歌うことは生きていることと同義だと思っているので。なのですごくイキイキとした気持ちで年末年始を過ごすことができました。プライベートはインドア派なので何もないと家から出なくなってしまいますから(笑)。
――そんなイキイキとした日々の中で、同時にご自身の楽曲もすごく増えてきたと思います。新しい曲への挑戦も充実して取り組めたのでしょうか?
そうですね、すごくやりがいを感じます。その一方で新しいことへ挑戦することのプレッシャーもあるんです。新しい曲を作る時は、何か一つ新しい挑戦をする、というルールを自分の中に設けていて。例えば4thアルバム『Story』の時は曲ごとに年齢が上がっていくことで、一人の人間の人生をアルバムを通して表現しているんです。それが果たして上手く皆さんに伝わっているのかな、みたいなことは不安になったりしながら、日々一歩ずつ前進って感じです。
――常に進化していこうという想いがあるんですね。これまでリリースした楽曲の歌詞はすべてご自身で書かれていますが、それも進化の一つだと。
今のところはなんとか全曲自力で歌詞を書かせていただいています。『Story』は曲ごとに設定した年齢に合わせてワードを選んだりしながら作詞をしていて、一筋縄ではいかなかったですね。
「JUST DO IT」通常盤
――一つ一つ異なるコンセプトでこれだけの量の作詞をしているわけですから。次々に歌詞を書くことができるコツはあるのでしょうか?
もうコツとか考える暇もなくひたすら書いてます(笑)。ただ、最近思ったのは、描き続けるためには想像力を刺激し続けるしかないっていうことですかね。いろんな文章に触れて「新しい言葉」をどんどん自分の中に入れていかないといけないと思っています。
――「新しい言葉」ですか?
使う言葉の癖みたいなものは書いているうちにできてしまうんです。それに頼った作詞をしていると似たりよったりの歌詞ばっかりになってしまう。そうならないためには「新しい言葉」は常に必要だと感じているんです。今は新しい言葉をたくさん取り入れて自分の作詞の癖から脱するのが一つ大きな課題かな、と。
――なるほど、そのためには「新しい言葉」が必要ということですね。そんな歌詞の内容が思い付かないということはないのでしょうか?
今のところはまだないですね。たまになかなか思い付かないという時もありますけど…それも楽しいと思えるぐらいなので、今のところはそこまでの引っかかりは感じていません。もともとインドア派で想像するっていうことが好きなんです。想像しながら手を動かしていると、自然と歌詞ができる感じですね。逆に言うと全部妄想で書いてしまうのであまり実体験から歌詞は書いてないかもしれません。
――Hikaru//さんの歌詞を作る力と妄想力が切っても切り離せない、ということですね。そうすると今回リリースとなる「JUST DO IT」は、やはりタイアップである『終末のハーレム』の作品世界に妄想を働かせて歌詞を書いたという感じなんでしょうか?
はい、原作のマンガだったり脚本を読ませていただいた上で、作品世界に想像を働かせて書いていった感じでした。
『終末のハーレム』 ノンクレジットオープニング
――登場人物も多く、描かれる世界も非常に多様な作品ですが、作詞はどこからスタートしたんでしょうか?
まず最初に決めたのはサビでした。「本作の中で一番グッときたシーンをサビで歌おう」って最初に決めたんです。そしてそのサビに向けてどうやって歌詞を紡いでいくか考える、という順番で今回は制作をしていますね。
――ではサビの歌詞から書いていった。
いえ、最初に決めたのはサビに「こんな内容を書こう」ってことだけなんです。実際に書くのは頭からで、その途中途中で『終末のハーレム』要素をさらに入れ込んで作詞して、歌詞として盛り上がりをつけていって、その上でサビの歌詞を書く、って感じですね。
――そうすることで、サビ以外の部分にも『終末のハーレム』要素が盛り込むことができるということでしょうか?
もちろんです。今回は作品のテーマ性に関連するワードが随所に散りばめられているので、作品を見た方はそういうところを探しながら聴いてもらえるとより楽しめるのではないかと思っています。
――アニメ作品とのリンク、考察のしがいしのある楽曲になっていると。
『終末のハーレム』はすごく多くの立場の人が登場して、一人一人が世界を違った捉え方をしていると思っていて。それも表現したくて、視点を変えると別の意味に見えるような言葉遣いも沢山しています。そこも是非味わって欲しいですね。
――なるほど、そうなるとアダルトな意味に解釈することができる単語が要所要所に出てきているのももしかして……。
その通りです! H-el-ical//の楽曲を聴いてくださる方々には幼い子もいるので、アダルトにとらなくてもきちんと歌詞として意味が通るようにはしてますが、アダルトな意味に取ることもできるというところは所々に作ってます。
――そこはあえてどことは言わないので各々解釈して楽しんでください、と。
大人には大人の楽しみ方を推奨しておきます(笑)。Hikaru//の想定を超えてアダルトな解釈をする人が出るかもしれませんが、それも作詞したものを世に出すことの面白さだと思っていますから。
「JUST DO IT」初回盤
――そういったアダルトな部分を入れ込むのは『終末のハーレム』の監督からのリクエストがあったりはしたのでしょうか?
制作側からはかっこいい感じのオープニングを作って欲しい、ということでお話をいただいていますね。なのでアダルトな感じを入れ込んだのはHikaru//の遊びです(笑)。
――なるほど、それでHikaru//さんの歌い方もかなりかっこいい方面に寄せている。
そうなんですよ。ただアダルトにも取れる単語のところはブレス多めにして、ちょっとセクシーにも聴こえるように歌っているところもあります。
――歌い方でも歌詞の中のダブルミーニングの部分を感じ取れるようにしている、と。
それが結果的に曲の中で面白い部分になったらいいかな、とは思っているので。大人の方はそこで「ああっ、なるほど」と思ってもらえると嬉しいですね。ただ、そういうのが苦手な方は、無理にそこはあまり追いかけずに聴いてください。
――歌い方をかっこいい方に寄せているという話でしたが、曲もかっこいい方面に寄っているという印象を受けました。
そうですね、作曲に関してはプロデューサーと作曲家さんにお任せしていて、先ほどもお話ししましたが、「かっこいい感じで」という依頼を受けたと聞きました。正直なところ曲がここまでかっこいい雰囲気じゃなかったら、歌い方でこんなに遊べなかったと思います。
――と、言いますと。
曲がここまでかっこいい、だから歌い方はかっこいい路線を主軸にしつつもちょっとセクシーな要素を入れたりできたんです。もしも曲にセクシーな要素が強かったりしたら歌詞や歌唱法はかっこよさをさらに前面に押し出したものを目指さなければいけなかった。なのでこんなに遊びのある歌にできたのは加藤さんのおかげだな、と。
――なるほど、そうすると作詞もやりやすかった。
そうですね。かっこいいフレーズを捻り出さなくても、そのままストレートに言いたいことを書けばかっこいい曲になる。とてもやりやすかったです。
――Hikaru//さんとしては加藤さん提供の曲を歌われるのは初めてですよね。やはりこれまでにない発見はありましたか?
ありましたね、新しい世界の扉を開いてくれた楽曲だと感じています。これまで多くの曲を同じ事務所のグシミヤギヒデユキさんにお願いしてきて、H-el-ical//としての形みたいなものができてきていたんです。今までにない良い刺激をいただけたな、と。これはやはり初めましての方に楽曲提供していただかないと至れなかった境地だと思います。
――なるほど、新境地にいたることのできた楽曲だったんですね。
王道のアニメソング感っていうんですかね。私が思い描くアニメソングってこういう曲だな、っていうのがすごく色濃く感じられる曲なんですよね。その上でちゃんとH-el-ical//感もある。H-el-ical//をご存知の皆さんにも、アニメソングファンの方にも刺さる楽曲になっていると思います。
H-el-ical//
――そんなHikaru//さんにとって新しい扉である「JUST DO IT」。カップリングに「IMPOSSIBLE LOVE」が収録されています。こちらも新しい扉だったのではないかと。
そうですね、これまでH-el-icalの音楽を聴いてくださっている皆さんにも、初めましての皆さんにもまた違う一面を聴いていただけると思います。曲調も全く違うし、歌詞の書き方もすごく若々しい言葉選びをしていますから。かなりいろんな方向でこれまでにない楽曲になっていると思います。
――こういった新しいタイプの楽曲、どういうきっかけで制作しうようと思ったんですか?
カップリング曲を制作するのにまず決めたのが、女子目線の曲にしようということなんです。それで曲もダンスチューンにして、今までには使ってこなかった軽い言葉を使って作詞をしています。軽快な感じにできたらいいと思っていたんですよ。と言ってもこの曲の主人公になっている女の子の内面は軽くないんですけど(笑)。
――こういった内面が重い女の子は『終末のハーレム』にもたくさん出てくるな、と思って聴いていたのですがそれも意識をしている。
そう感じ取ってもらえたら嬉しいですね。楽曲単体でも楽しめるようには制作していますが、やはりタイアップ曲のカップリングなのでそういうところも意識しています。
――『終末のハーレム』内だとこの曲と同じような心情のキャラクターは多数登場している感じはしますからね。
あてはまりそうなキャラクター、たくさんいますよね。是非作品と照らし合わせて皆さんなりの解釈で楽しんでもらいたいです。
――やはり今回の2曲はやはり『終末のハーレム』があってこその楽曲になっているということなんですね。
そうですね、なので楽曲と共に『終末のハーレム』も楽しんでいただけたらと思っています。どうしようか悩んでいる方にはノンクレジットのオープニングがYouTubeに上がっているのでそちらを見ていただけたらな、と(笑)。
――オープニング映像だけでも見て作品の世界を感じてもらえたら、ということですね。
あと、今回楽曲の中で本当にいろんなことに挑戦させてもらっているんです。それも聴きながら発見してもらえたら嬉しいと思っています。
インタビュー・文=一野大悟

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