L→R 太田 旭(Ba)、日野遥希(Vo&Gu)、阿部千樹(Dr)、下橋場舞人(Gu)

L→R 太田 旭(Ba)、日野遥希(Vo&Gu)、阿部千樹(Dr)、下橋場舞人(Gu)

【シロとクロ インタビュー】
ひとりぼっちから始まる
“出会い”の物語

山陰発のギターロックバンド・シロとクロが、初の全国流通盤となる2ndミニアルバム『From Lonely』をリリース。“孤独”という言葉をタイトルに置いた作品にはどんな想いと背景があるのだろうか? フロントマンの日野遥希(Vo&Gu)に訊いた。

曲に対して、より素の自分を
出していけるようになってきた

2020年11月にギタリストの下橋場舞人さんが加入し、3ピースから4ピースになりました。もともと音色が豊かなバンドですから、4人になったのは必然的な印象があります。メンバーが増えたというよりは、あるべきかたちになったというか。

あぁ、嬉しいです。2020年6月にリリースしたシングル「宛名のない、」を作ったことで、“もっといろんな音を入れられたら楽しいだろうな”と思ったり、もうひとりギタリストが入ってくれたら音も歌も表現が増えるだろうと自分の音楽観にも変化が出てきて。ちょうどその頃に舞人の所属していたバンドが解散して、もともと仲が良かったこともあって声をかけました。舞人と僕はルーツも好きな音楽の系統も違うので、僕とは違うエッセンスや発想をギターで表現してくれるし、彼にギターを任せられるぶん、歌にフォーカスを当てた制作ができるようになって、そしたら歌詞に対する感じ方も変わってきたんです。

歌詞の感じ方が?

はい。シロとクロはメロディーのキャッチーさや楽曲の展開を評価してもらうことが多いんですけど、僕自身は昔から言葉に力があるバンドだと思っていたんです。舞人に入ってもらったことで歌について考える時間が増えて、自分の中で歌詞のひと言に対する責任感がより増してきました。特に今回は自分に向き合う時間が多かったので、前よりも自分のことを歌っている曲が多いんですよね。

前作『Your Song』(2020年12月発表の配信EP)の「優しくなれたら」もそういう曲だったのではないでしょうか?

確かにあの曲は完全に自分のことですね(笑)。『Your Song』の中で最後に書いた曲なので、今作はそこと地続きかもしれない。やっぱり曲を書くことは自分の過去を振り返る行為だと思うし、今は自分の言葉で書いている感覚がより強くなっているので、自分の身近なものについて歌っていると感じますね。曲に対して、より素の自分を出していけるようになってきました。

その結果が“From Lonely”というタイトルの作品とは、なかなか意味深です。「優しくなれたら」の歌詞でも《独りで生きていると気づいてしまった》とお書きになっていたので。

本当だ! 言ってもらって気づきました(笑)。歌詞はメロディーと一緒に出てきて、絶対に気持ち良くはまる言葉を軸に広げていくので、「優しくなれたら」もメロディーと一緒にサビの言葉がまるまる出てきたんです。そこから過去の自分を振り返って言葉にしていったので、もともとそういう意識を持っていた人間なんでしょうね。僕は2020年よりも2021年のコロナ禍で孤独感に飲み込まれてしまって(苦笑)。

2020年よりもですか。

2020年は“みんな同じ境遇だ”という意識があったから、あまり寂しさはなかったんですよね。それが2021年3月に1年以上振りにライヴ活動を再開したら、どうしてもコロナ禍前のライヴとのギャップを感じて打ちひしがれてしまって。

シロとクロは2018年に「night walking」のMVが注目を集め、同年の『RO JACK』で優勝して『COUNTDOWN JAPAN 18/19』に出演。2019年はその勢いをより加速させる一年間でした。そのイメージのままでいくとどうしても…ということですね。

コロナ禍のライヴ活動がシビアなことを頭では理解しつつも、今までついてきてくれた人やかかわってくれた人はみんな戻ってきてくれると心のどこかで信じていたんです。でも、会わない期間があるとどうしても離れていってしまう人がいる。この状況下ですし、もちろんみなさん事情があるのは分かっているんですけど、その多さに打ちひしがれてしまって。だから、昨年は離れてしまった人たちとまた出会っていく一年間だったんですよね。歌詞にはその感情が色濃く出ていると思います。

今作は7曲通して聴くとひとりの若者の成長物語として成立していて、なおかつ7曲7様の孤独の解釈を感じられる作品になっていると感じました。

曲作りの時点ではアルバム全体のストーリー性までは考えていなかったんです。でも、7曲全部が“孤独”を意識した曲になっていて、“俺ってひとりぼっちなんだなぁ”と思ったんですよね。それと同時に、ひとりぼっちの状況をなんとかしようとする希望も含まれた曲ばかりだなとも思って。だから、“ひとりぼっちから始まる”という意味で“From Lonely”というタイトルにしました。7曲それぞれベクトルは違えど、その感情は入っていると思います。

2021年に配信リリースされた「Hey Lady」と「Baby Moon」は、ふたりが出会う恋物語が綴られています。2曲のジャケットの世界観や、どちらにも“奇跡があふれる”という意味合いの歌詞など、関連性も多いです。

2曲とも大本のテーマは“出会えた奇跡”ですね。「Hey Lady」は洋画でよくある、クラブでつまらなさそうにしている美女に声をかけるような(笑)。「Baby Moon」は初恋や純粋な愛を書きました。同じテーマでありつつも対比をつけて、同時進行で書いていきましたね。世の中にはいろんな出会いがあって、そのどれもが奇跡なんだと歌いたかったんです。

双子のような存在の2曲ですが、曲順的に「Alone」で夢に向かって一歩を踏み出した若者が「Hey Lady」で偶然の出会いを迎え、「Bae」で描かれているような恋に落ちて、「Break Time」でその恋が終わり、「戦場、東京」でひとりぼっちになったあとに「Baby Moon」というピュアな恋に落ちる…という物語に着地しているのも感動的で。

そこまで読み取ってくれて嬉しいです(笑)。「Bae」と「Break Time」もストーリー的にはリンクさせて作った曲で、ものすごく恋に落ちた者同士でも別れてしまうことを書いています。「Break Time」は“コーヒーブレイク”と“ハートブレイク”の両方をかけて、7曲中4曲目の“折り返し地点”という意味も入れていて。この曲を真ん中に置くために「Bae」みたいな内容の歌詞を書いたんですよね。この曲の元ネタは3人時代からあって。

3人時代からどれくらいリニューアルされたのでしょう?

歌詞もできていたので曲として完成していたんですけど、そこからメロディーを3回くらい変えて、BPMを20上げて、歌詞もアジサイの歌から恋の歌に(笑)。切なくてしっとりとした曲から疾走感のある楽しい曲になりました。それで恋に夢中になっていく「Bae」と恋が終わる「Break Time」の対比を見せられればと思ったんですよね。アルバムの中でもアクセントになったと思います。
L→R 太田 旭(Ba)、日野遥希(Vo&Gu)、阿部千樹(Dr)、下橋場舞人(Gu)
ミニアルバム『From Lonely』

OKMusic編集部

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