MANKAI STAGE『A3!』Winter Troupe 
雪の中で咲いた花 リリース記念、冬
組メンバーによる全曲解説インタビュ
ー!

MANKAI STAGE『A3!』から春・夏・秋・冬の4つの組別にリリースされるオリジナルアルバム第4弾は、冬組のMANKAI STAGE『A3!』Winter Troupe 雪の中で咲いた花。ダイヤモンドダストの煌めきのようなサウンドに彩られ、冬組の透明感を歌に替えて閉じ込めたこの1枚を、高遠丞役の北園 涼、御影 密役の植田圭輔、雪白 東役の上田堪大が全曲レビューで紹介!(月岡 紬役の荒牧慶彦&有栖川 誉役の田中涼星からのメッセージもアリ)。もうじきやってくるMANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE~WINTER 2022~の予習にもぜひ。
ーーエーステ恒例となりましたチーム別アルバム解説、トリはもちろん冬組! まずはM-1『Constellation』。出会い〜チーム結成までの物語を夜空の星座になぞらえた、優しい“始まりの歌”からスタートです。
上田:一聴すると歌いやすい歌のように思うんですけど、結構メロディーラインが難しくて、僕は今回のレコーディングで一番苦労した曲かもしれないです。
北園・植田:へえぇぇ〜。
上田:ある一箇所の音が取れなくて……。冬組の曲って結構丁寧に歌うことが求められてたりするでしょ? 声の色味をすごく大事にしないと全然後ろの音とも馴染まないし、曲の持つ雰囲気をしっかり掴まないと世界観も伝わらないし。
ーー全体的にバックの音よりもヴォーカルが際立つ曲の比率は多いかもしれないですね。
植田:そう! それ、すっごいプレッシャーだよね。
上田:でね、そう思って出来上がりを聴くと、「やっぱり5人の歌声のバランスっていいんだよなぁ」ってことも改めてこの曲から感じられてて。
植田:ちなみにレコーディングは僕が一番最後で……。
北園:僕が一番最初、か。
北園 涼
ーー歌入れの際、トップバッターならではの気の持ちようとか、あるんですか?
北園:特にないですね。みんなの声の感じはもう知ってるし、それぞれのいいところを出していけばいいから変にあれこれ考えてやる必要もないし。今まで一緒にやってきた感覚があるから、歌声も必ずちゃんと重なり合うってわかってる。
植田・上田:(頷く)。
北園:だからホント、自分が好きなように感じたままに歌わせてもらいました。イメージとしてはこれまでの期間で成長した冬組という状況が一個乗っかったナンバー、かな。“今の冬組”っぽいなって感じました。
植田:大人だし大事なことも声を大にして言って来なかった大人たちが、♪僕らだけのWINTER って言ってる感じとかが、スゴく愛しくて……。
北園:なんなら「みんなの事を愛している」って言ってるよ(笑)。
上田:そうなんだよね〜。
植田:なんか男でも「きゅん」ってする内容なんだよなぁ。しかもそれを大人な組って言われている僕ら冬組が歌っちゃってることがすごくもう……エモイなぁと思いながら歌ってました(笑)。やっぱりいい曲って取り組みやすいと言うかノリやすいと言うか……なんかもうやってて楽しくてね。スッと歌っちゃえましたね。
ーーM-2は『to bloom...』。みなさんのヴォーカルが追いかけあったり重なり合ったり、コーラスの響きが気持ちよく染みてくる1曲。
上田:来た来た!
植田:いい歌っ。
上田:……やっとフルで歌えたなって気持ちですね。ある意味感慨深い1曲。ただびっくりしたのは東のハモリパートがめちゃくちゃあったこと! 現場でもスタッフさんに「東さんだけちょっと量が多いんですけど」って言われたもん(笑)。
北園:ああ〜。そもそもみんなハモりが結構あったけど。
植田:ね。僕も「これは自分のハモりパート多いなぁ」って思って……。
上田:だよね。そのさらに多い量だからもう……びっくりしたぁ。
北園:ハハッ(笑)。ヤバイよねぇ。
上田:さらっと聴くこともできるけど、じっくり聴くと本当にハーモニーが豊かで「こんなに音が重なってるんだ!」って気付ける曲。
植田:僕はこの曲が一番難しかった。やっぱりどうしても取れない音があって、音が重なりまくってるからどれが主旋律かわからない……というか、もともと原作の曲は普段から聴きまくってるので、知ってる歌として勝手に染み込んじゃってるメロディーがあってさ。
植田圭輔
北園:そういうの、ある、ある。自分はもう自分なりのその音で馴染んじゃって覚えてること。
植田:それ! 音合ってると思って歌ってたら「それ全然違う」って。「え、全然違うは言い過ぎじゃないですか!?」「いや、全然違います」と。
北園・上田:(笑)。
植田:実際、やっぱり結構違ったんだよ(笑)。知ってるのに歌えない、歌の世界は深いなぁって思いました。
北園:僕もこれはレコーディングに時間かけましたね。ハーモニー部分を録る量が多かったので。あと公演ではホントに一部分しか歌えなかったからこうして全部歌えたのも嬉しかったですし、自分が歌うとこういう感じになるんだって……歌詞と感情のリンクとかストーリーの繋がりももう一度改めて発見できたのも良かった。僕らが歌うとこういう世界になるんだ、と。
上田:うん、確かに。
ーーM-3は『星と雪のプラネタリウム』。紬→丞→密→誉→東→紬と繋いでいくキャラクター紹介ソングです。
植田:これはもうライブ仕様だよね! でもさ、自分も好きでいろんなアーティストのライブを映像で見るけど、冬組がこういうことするとこんな風になるんだなぁって、つくづく思った。密なんかもう紹介文、3言くらいで済ませちゃってるし(笑)。
北園:ラップみたいなテンポで紹介していくんだよね、そもそもは。
上田:他の組はそうだよね。だからちょっと……ショックだった〜(笑)。東ってカッコいいところもあるしノリのいい人でもあるから、ここはいつもとちょっと違うテンション、ガッとラップ行っちゃえるなって楽しみにしてたら全然そうじゃなくて。フリースタイルラップでもハズしていくほうのやつでした(笑)。
北園・植田:ハハッ(笑)。
ーーラップというよりは朗読のような柔らかさ。
上田:ね。リズムは全くなくてレコーディングも「この間尺の中で言ってもらえればお任せで」って感じでした。でもテンションが上がる曲なのは確か。もしかしたらアルバムの中でもこの曲を一番たくさん聴いてるかもなぁ。この紹介バトンのインストのところをみんなはどうやってパフォーマンスするんだろうって、一番ステージの「画」を想像できない面白さも含めて好き。
上田堪大
北園:僕とか涼星は結構踊るだろうなぁ。
植田:……僕、ワンエイト寝てるかもしれない。
北園:それは結構僕やばいぞ(笑)。
植田:これ、最初の紬が丞を紹介するパート、好きなんだよなぁ。まっきーああいう時ってテンション上がるとだいぶ声のキー高くなるじゃん。
上田:わかるわ〜っ!
植田:「舞台をこよなくあぁいしてるっ」「たすくぅっ⤴︎!」っていうのが、ああ〜、まっきーの紬だよなぁ、いいよなぁって思う。とっても。
北園:(笑)。確かにあれはかなりテンション上がってる時のまっきーだね。
植田:ライブのオープニングにしたらいいと思うけど。
北園:うん。あのテンションで幕が開いたら相当スタートからハイテンションで行けそう。僕がまっきーからもらい、自分も次へとその勢いを渡していけたらいいなぁ。
上田:まっきー、おそらくライブの時はより声が高くなってると思いますよ。
北園:間違いない。
植田・上田:(笑)。
ーーM-4はそんな荒牧さん担当の紬のソロナンバー『「君」』。自身の心に様々な問いを投げかける反復の積み重ねが、曲のラストに向けて心の熱量を呼び起こしてくれるシンプルで心地よいミディアムナンバー。
植田:あの……これは言ってはいけないと思うのですが……僕、いつも飛ばしちゃうんです。この曲。
北園:お、なるほど。そういう感じか(笑)。
上田:ひどい! あー、でも……なんかちょっとわかる。フフッ(笑)。
ーーリーダーの歌ですよ。何故??
植田:うーん……なんだろう……今は特に一人で聴く感じじゃないなぁというか……うまく言えないけど、ライブとかリハとかで本人が歌うところを早く見たいなって、思うんですよ。
上田:これ、悩める紬の歌なんだよね。旗揚げ公演で悩みは解消したはずなのに……って思って歌詞を読んでると、いや実はこれは紬ひとりのことじゃなく、春夏秋冬全部を振り返り思い浮かべて最後にたどり着く冬組のリーダーだからこそのこのテーマ、この歌詞、この歌なのかもなって思ったりしました。
ーー幾重ものメッセージが込められている。
北園:ライブでどういう流れでこのソロに行くのかなっていうのも、結構大事かもしれない。(演出の松崎)史也さんがそこにたどり着くまでを素敵に構成してくださるとは思うけど、紬がどんなタイミングで歌い、僕ら冬組はどんな思いでその歌を聴くのかっていうドラマが絶対あるはずなので。
北園 涼
上田:あー。だからやっぱりこれはトルライ4作の積み重ねが集約される歌でもあると思うな。
植田:そうだよね。んー、なんかすごいハードル上がってる気もするけど(笑)、ま、荒牧さんならやってくれるでしょ。
北園:リーダーに担ってもらいましょう、冬組の全てを。いや、トルライのすべてを。よし、また一個上がったな(笑)。
植田・上田:(笑)。
ーーリーダーの思いを挟み、アルバム的にはここでまたガラッと空気が変わります。ペア曲の1曲目、M-6『筋肉ラプソディ』。丞&誉の芸術的且つ個性的なナンバー!
北園:これはもう曲をいただいた瞬間に「なんだコレは!?」となりましたよ。
植田・上田:(笑)。
ーー芸術について考察する二人の掛け合いは基本コミカルなテイストですが、グルーヴィーなサウンドで、実はとってもカッコいい曲ですよね。
北園:ノリがいいし覚えやすいし歌っててもすごく楽しいですよ。レコーディングは涼星が先で……なんか、ふざけてましたよ。「え、知らない歌詞ある!?」って思った。やってんなぁ〜って感じ(笑)。
植田・上田:(爆笑)。
ーーノリノリでグイグイ場を掌握していく誉と、戸惑いつつも誉ワールドに食らいついていく丞の掛け合いのコントラストも楽しい芝居歌。
北園:やっぱりそこは意識しましたね。でももうこの曲は丞もノリで行くしかない。歌詞にもありますけど、♪やるならとことんやってやる って。その通りのテンションでレコーディングさせてもらいました。
上田:いいよねぇ〜この曲!
植田:ジャジーな感じって言うのかな。音がホントカッコいい。
植田圭輔
上田:そう! カッコよくて面白い。一番理想的なスタイル。
北園:レコーディング、涼星は結構「自由にやって」って言われてたみたいなんだけど……。
上田:現場でのムチャ振り! 
北園:うん。だから「よくやった」って思うよ。僕はアドリブはほとんどしなかったんですけどね。一応暴走を止める側なんで「そこまで涼星には付き合えないぞ」って(笑)、あくまでも真面目に歌ってます。聴きどころは有栖川に「これは芝居にも繋がる」って言われちゃうと分からなくても頑張っちゃう丞っていう関係性。結局うまいこと乗せられちゃってる丞っていいよなって、曲ですかね。フフッ(笑)。
ーーペア曲はどの組もみなさん「意外な組み合わせだった」とおっしゃっていました。冬組はどうでしたか?
北園:僕、最初「密と」って聞いてたよ。
植田:そうだよね?? 僕も涼と歌うと思ってたもん。
上田:で、僕は誉と歌うって聞いてたから……またさっきの発言に戻りますけど、「やっとちょっとノリノリのやつ歌える!」って思ってたからさぁ〜。でも蓋開けたら「違う!」(笑)。
上田堪大
ーーギリギリまでシャッフルされたんですね。
北園:そうみたいですね。でもこのペア同士もそれぞれのキャラクターと曲調とが合っててなかなかいいんじゃないでしょうか。ここならではの作品ができたと思うし。
ーーということで、もうひとつのペア曲は密&東のM-6『魂蔵』。“眠り”のイメージで綴られる世界もまたこの二人だけに通ずる深いテーマ。歌詞もサウンドもジャポネスク調にしっとりと聴かせてくれます。ちなみに「魂蔵」とは寝ている間の人間を守ってくれる「枕」のこと。
植田:今までのエーステにはないサウンド作りに僕もエンジニアさんの本気を感じまして、これは責任重大だなぁ……と。堪ちゃんとはレコーディング前に何度か打ち合わせもして。
上田:うん。
植田:どの曲も事前の準備はしてますけど、これに関してはまた改めて準備を……デモを聴いてキーのこととか、僕がそんな高い声じゃないので歌い分けをどうしようかとかを確認してって感じで。
上田:歌詞に関しては冒頭で東が「役に入って歌うっていうのはどうかな?」って言ってるんだけど、そう考えるとライブでは多分いつもと違う衣裳を着るんじゃないかなっていう想像もしたり。また、密に関してはこれから本編で描かれていくだろう出来事、東はこれまでの公演で描かれていた心情なんかが全部リンクしていくような内容だから──最初に歌詞を読んだ時、マジで「深いなぁ」って感じました。聴く人に共通して「何か」を想像させるであろう歌。
植田:「月夜」とか言っちゃってるからねぇ。おおぉ~って思った。
上田:そうなんだよね。原作を知ってるとさらにいろいろ思うだろうね。
植田:レコーディングでは「マジで密を忘れちゃうくらい色っぽくやって欲しい」「役に入るよりも歌に入り込むってことを全然やっちゃっていいです」って言われました。僕的にはそれもありつつ、やっぱりライブで和のテイストで歌うのかなぁっていうビジュアルなんかを想像しながら歌ってました。
上田:思い出した! 「おやすみ」、何回録った? 自分は何個か言い方変えて録って、その場にいらっしゃったスタッフさんたちと……めっちゃ恥ずかしかったけど(笑)、一個ずつ聴き返してどれがいいかを選びましょうってなって。
植田:あ、僕もそれやったかも!
上田:結果どれになったかは出来上がりで確認したんですけどね。「この感じが採用になったんだ」って。
(左から)北園 涼、植田圭輔、上田堪大
ーーそこはヘッドフォンで聴くとちょっとドキドキしますね。
北園:あ〜、そういうのもいいですねぇ。
上田:あれね、イヤフォンで聴くと左耳が密で右耳が自分で……。
植田:えっ!?
北園:そういうことなの?
上田:うん。振り分けられてるんです。そうやってすごく繊細なところまでこだわって仕上げていただいた一曲ですね。
北園:僕、この曲に関してはぜひミュージックビデオをとって欲しいなぁって思ってて。
植田・上田:オォ〜ッ。
北園:着物とか着て、桜の樹の下? 夜の京都? そしてお屋敷みたいなところの廊下をこう……ふらふらっと歩きながら歌うとか。なんかそういうのがいいな、見たいなって思いました。綺麗な映像が心に浮かぶ、すごく雰囲気のある曲だなぁって思って聴いています。
植田:いいなぁ、それ。やりたい。
上田:夜にね、いいよね。じゃあちょっと京都の方にアポ取って……。
北園 涼
植田:え、いいっスか?
上田:うん! ……なんてね(笑)。
北園:ハハハッ(笑)。
ーーアルバムはここからM-7、MANKAI STAGEの公演曲でつなぐメドレーへと突入します。まずは旗揚げ公演『天使を憐れむ歌』より『Don't cry...』。人間に恋した天使の物語、ミカエル(紬)&ラファエル(丞)が登場。
北園:これはね、もう我ながら全然違うモノに仕上がったな、という感想ですね。
植田:僕は聴いてて一番震えたのがこの曲だった。特に涼に震えたよ。
上田:うん、ホントに。
北園:ちょっと低めの声が前よりもちゃんと出せるようになったから……かな。僕、丞のときくらいしかああいう声の出し方をしないんですよ。だからいろんな現場を踏んできて、今回のレコーディングの時に「ああ、自分もこういう声出せるようになってたんだ」って、改めて気づくことができて。
ーー抑制を効かせながらダイナミックに展開させていくメロディーライン。ユニゾンだけどハモっているようにも聴こえてくる寄り添い方、お二人の声質の違いがとても心地よく響いて。
北園:そうですね。歌いながら公演本番のことも思いましたし、一緒に歌っているまっきーの紬のことも思いながら…ミカエルのことを思いながら一心に歌いました。自分の中に原作へのリスペクトも深くありますし……うん、本当にいい『Don't cry...』のハーモニーが紡げたなぁと思います。あの、僕、初演(AUTUMN & WINTER 2019公演)の頃にバチバチに声を潰してしまって……。
上田:うわ、そうだった!
植田:懐かし〜。そんなこともあったねぇ。
植田圭輔
北園:『Don't cry...』がしばらく歌えなかった期間があったんですよ。それがすごい悔しくて、今回そういう意味でもしっかりリベンジできたかなって思っています。
上田:めちゃめちゃ安定してるもんね、歌声。僕もこれを聴いて公演のこと思い出して、本当に涼の声が全然違うから……今回涼のAメロ聴いた瞬間「おいっ!」って言っちゃったくらいに耳心地が変化してたのも衝撃でしたし、感動でした。もちろん、元から歌は上手いんですよ。だから上手くなったっていうんじゃなくて、この歌にまたひとつ新しい涼を見たっていう感覚。
植田:僕も涼の原作リスペクトを感じた。『Don't cry...』って僕らの中でも古株な歌というか、エームビ(MANKAI MOVIE『A3!』~AUTUMN & WINTER~)のほうでもやってるし結構回を重ねているという意味でも結構大事な歌。その始まりの歌をこうしてしっかりと聴くことができたのはやっぱり懐かしい気持ちにもなるし、この尺で聴けることが嬉しいです。
ーー続いて第二回公演『主人はミステリがお好き』より『esの憂鬱』by鷺島 亨(誉)&東条志岐(密)。スーッと気だるげなテンポにスイッチしていく曲の変わり目から艶っぽい激情を秘めたヴォーカルで聴かせていく流れも美しく。
植田:このメドレー全部、すごく好きですね。
北園・上田:(頷く)。
植田:でね、これは自分で言うことじゃないかもしれないんだけど……僕、涼星と声の波長がすごく合うんですよ。本番やってる時もめ〜ちゃくちゃ楽しかった。
北園:そうだね。で、このふたりのこの曲もまた、いい。
植田:そもそも作品自体、劇中劇もすごく好きだし、大事にしてたし、冬組単独公演でやる前から僕らカラオケで歌っていたので(笑)。
上田:持ち歌だね。
上田堪大
植田:ハハハッ(笑)。その時は原作の真似しまくり&誇張しまくりで思いっきり楽しんでましたけど、今回のレコーディングでは自分たちの密と誉っていうキャラクターを大事に表現して、思い切りふたりで歌い切ることができた。そういう機会をいただけてすごく嬉しかったです。
ーーアルバムを聴いていると涼星さんは“七色の声”だな、という印象を受けました。曲によって、相手によって、歌の表情がクルクル変わる表現の豊かさがある。この曲でも違うニュアンスが感じられますよね。
植田:涼星は耳が良いんですよね、多分。音ハメとかも得意だし……舞台上にいてもどの音が心地いか、みたいなのを探ってキャッチするのも好きみたい。
ーーなるほど! そしてメドレーの締めは第三回公演『真夜中の住人』より九頭玲央(東)&瀬尾浩太(丞)の『正体』。ハードなサウンドが醸し出すドライブ感とブロマンステイストの歌詞がマッチし、二人の声が重なるほどに切ない気持ちにさせるスリリングなナンバーです。冬組では珍しいロック調。
植田:これが聴きたかった! 本当にいい歌ですよ。これ聴くとは僕もうマジでファンの気持ち(笑)。なにしろこの二人はウチの歌番長ですから。
北園・上田:(笑)。
上田:僕的にも「やっと来たな」って感じ(笑)。今回自分は2日に分けてのレコーディングで、『正体』は1日目に歌って、でも自分的にはちょっと納得がいかなかったんです。特にAメロが……なんか今日ちょっと調子よくないなぁって自分で思っちゃって。で、2日目のレコーディングが順調でめっちゃ時間巻いたんです。そこで「ちょっともう1回歌わせてもらっていいですか」って歌わせてもらったテイクがこのアルバムにも採用されている、はず、絶対。聴いてても自分の声が違うのわかるから……うん、やっぱりこの曲はある意味一番こだわっているかもしれないですね。欲を言えばフルで歌いたかったんですけど……2番のサビの歌詞、大好きなんですよ。この劇中劇ならではの世界観が凝縮しているようで。でももうずっと涼の声聴きながら歌ってたから、ドラマはここにもしっかり込められたと思います。
北園:そっか。僕が先に歌入れたんだもんな。この曲、舞台ではサウンドアレンジが違ってたんですよ。
上田:そう。そこも含めて涼はどんな風に歌ってるんだろうなぁって声の感じも聴きながら、だったらこういうほうがいいかなって……料理の調味料を合わせていくような感じで? ふたりのバランスも意識して歌いました。
北園:僕もサビは特に気を遣ったというか……堪大さんと一緒に歌うところは「堪大さんどう歌うのかな」って想像しながら歌ったし、でも堪大さんは歌うまいから僕がどれだけやってもそれを超えてくる歌唱してくれるだろうなと思って。
上田:ハハッ(照)。
植田:いいですねぇ〜。
北園:うん。そんな心持ちで全力でやらせてもらい、「あとは好きにやっちゃって!」って。もちろん完成形聞いたときは「よし、これだ。完璧」って思いました。
北園 涼
上田:だね。めちゃめちゃいい仕上がり。
ーーやっぱりアルバムの形で聴くと純粋に歌を堪能できて、観劇とはまた違う新たな感動や発見がたくさんありますよね。
植田:今回も冬組5人で歌いましたけど、普段仕事としてやってるときに人の歌を聴いて素直に「あ、めっちゃいいな」って思うこと、あんまりないでしょ?
北園:んー、そうっすね。
植田:やっぱり自分のやることに集中するからさ。でも5人の歌いいなぁって思う自分が普通にいる。そう考えるとエーステってどこか仕事を超えるみたいな気持ちもあるのかなぁって。楽曲が好き、みんなが好きっていう気持ちがさ。
上田:うんうん。
北園:あるね。
植田:音楽に関しては(ディレクターの)Yuさんがやばいからなぁ、そもそも(笑)。
北園:作ってくださる楽曲のレベルがすごいですからね。こだわりや遊びココロも豊富で。
上田:僕らの歌声とか人間性までもわかっていて、レコーディングの時には「ここまでできるよね」「ここは挑戦してみようよ」って感じのことをいろいろアドバイスしてくださる。そういう愛情も全部作品に乗っかってるから……それがすごくいいなぁって思いますね。
植田:愛に溢れた人格者なんですよ。
上田:ずっと一緒だもんね、スタッフさんも。その絆はやっぱり強いよ。
北園:信頼感のある現場です。
ーー愛と信頼に溢れるアルバム。そのすべてを締めくくるラストナンバーM-8は各組共通の『MANKAI☆開花宣言』。遠くで祝福の鐘が鳴り響いてるような煌めきを感じる冬組バージョンでお届けです。
上田:僕、大石昌良さんが歌ってるやつを目覚ましに設定してて、毎朝 ♪夢をいっぱい〜 で起きてるので……。
北園:起きるのに夢なんだ。
植田:(笑)。
上田:え? あ、そうだよね(笑)。ま、それで聴き慣れてる歌だったんだけど、今は冬組のみんなの声でもなんの違和感もなく聴けてて、それってなんか実はすごいことなんじゃないかなぁって改めて思ってる。
植田:原作の曲でもあり、ちゃんと自分たちの歌にもなっているってことだからね。最初は僕も「ウチらがこれ歌うってどんなかなぁ」って思ったし……どうでした?
植田圭輔
ーー元気ソングですし初めはみなさんが歌うという新鮮さもありましたけど、今はナチュラルに冬組の温度感で彩られた聴き心地を楽しんでいます。
植田:ありがとうございます。一個気になるのはねぇ……涼星の声、なんかセコない? アイツ、なんかいい声してるんだよなぁ。
上田:あっそれね、うん、僕もこの曲に関しては確かに涼星ちょっと声違うなぁと思った。
植田:僕の ♪忘れたいジレンマ のあとの涼星の ♪拭いたいトラウマ がなんか色っぽい感じでイラッと来るんだよなぁ……いい意味で(笑)。
北園:ハハハッ(笑)。いい意味で、ね。
上田:(笑)。
植田:歌詞の歌い分けは歌いたいって思ったところを割ってもらえたので、そこは嬉しかったです。
上田:どこを歌えるかっていうのも楽しみのひとつではあるからね。
北園:僕はもうズバリ「『A3!』だなぁ」って感じですよね、この曲は。レコーディングで一人で歌っててももちろん楽しかったですし、出来上がりのみんなの声を聞いたらより冬組ならではのこの曲の楽しみ方っていうモノがここにしっかり詰まってる気がして。「これがエーステの冬組です!」ドン、ですね。
ーー気づけばこのアルバムを携えてのMANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE~WINTER 2022~も確実に近づいてきています。各々で具体的な構想、希望、要望などなど芽生えているのでは?
植田:秋組はバンド入ってたんですよね。だったらもうウチらはカルテットですか? みたいな……ね(笑)。弦楽器多めのコンサートしましょうよ。
北園:あと、生ピアノとか。
上田:(笑)。
上田堪大
北園:でも秋組でちょっと予算使いすぎちゃったんで──とか言われない?
植田・上田:(笑)。
ーーではそこは……もろもろ、本番までのお楽しみということで(笑)。
上田:とりあえず春夏秋とご覧になってきた監督さんたちは、もうかなりの期待値で待ってくださっていると思うので……。
北園:4組の締めくくりだし、自然とハードルは上がってるでしょう。
上田:うん。それは僕ら出る側もね。あれこれいろいろ、期待したいな。
植田:ライブだからこそちょっとハミ出てもいい部分ってきっとあるので、何をやるにしても僕らは僕らでそこを楽しんで見せていけたらと思うし、当日は僕等にしかできないトルライをお届けできるように。でも何よりもまずはちゃんと幕を開けられたらというのが一番ですよね。心からそれを願っています。
上田:冬組は特にいろいろな状況に直面しながらエーステをやり続けてきて……ホントに僕ら、カントクさんと苦楽を共にしているというか同じ思いをしてきたからこそ、トルライの幕が開いた時は願っていた再会が叶う瞬間。お互い体に気をつけて、ぜひ会場で会いましょう。
北園:ホントの理想はコーレスのある世界だけど……とにかく僕らが今届けられる限りの万全の状態で、冬組らしいステージをお届けできることと思います。ライブってやっぱりお客様と創るモノですからね。ぜひ同じ空間で一緒に盛り上がって、最高の思い出を作りましょう!
植田:そうだね。みなさんどうぞ楽しみにしていてください。だからさ……なんで今日まっきーと涼星はいないの? ってことも、一応最後に言っておこうかな(笑)。
北園・上田:ハハハッ(笑)。
(左から)北園 涼、植田圭輔、上田堪大
荒牧慶彦(月岡 紬役)よりメッセージ
荒牧慶彦
今回、参加出来ず申し訳ないです。月岡 紬役の荒牧慶彦です!
■アルバム全体への感想
この冬組CDアルバム、全体的に冬組の大人な色が全面的に出ていてお気に入りです! 移動中の時間でついつい聴いてしまいます。
■好きな曲、おすすめの曲、ソロ曲について
お気に入りの曲はもちろん紬のソロ『君』です。紬がMANKAIカンパニーに対して、そして今まで行ってきた公演について歌っている曲です。
■レコーディングのこぼれ話
曲調が似たものの繰り返しなので、どのように感情を入れるべきかがとても難しかったです。
■ファンのみなさまへ
心を込めて歌ったので、ぜひ何回も何回も聴いてくださると嬉しいです。
■ライブに向けて
冬組のトループライブ、春から繋がれてきたバトンをしっかりと受け取り、次の季節へ向かうために全力で頑張ります!!
田中涼星(有栖川 誉役)よりメッセージ
田中涼星
有栖川 誉役の田中涼星です。今回対談に参加できなくて申し訳ないです。ただ、いい対談だったんだろうなぁとは想像つくので、僕もいい感じの気持ちで答えたいと思います(笑)。
■アルバム全体への感想
すごくバランスの取れているアルバムだなと思いました。冬組は落ち着いてる印象が多いと思うのでバラードというかそういう雰囲気になりやすいと思いますが、丞と誉の曲がとんでもない曲だったり、密と東の曲は和テイストのような妖艶な感じもあるし、色とりどりなアルバムになっていて楽しみ甲斐のあるアルバムだと思います。
■好きな曲、おすすめの曲、担当曲について
もちろん全部なんですけど、原作曲である『MANKAI☆開花宣言』は本当に明るい気持ちになれる曲だなと思いながら歌っていましたね。これをみんな歌ってると思うとなんだかエモさを感じたりします。あとは『Constellation』ですね。また名曲ができたな、と(笑)。街中でちょっと雪が降ってる時に街行く人が「雪だ!」って空を見上げている瞬間を見ながらこの曲を聴いて、その雰囲気に浸っていたいですね。
■レコーディングのこぼれ話
『筋肉ラプソディ』に関しては、最初は特に味付けをせずにレコーディングをしていたんですが、Yuさんに「じゃあ色付けてみようか」と言われていろいろ試すうちに「もっとやっちゃって! もっとやっていいよ!!」と割と互いに楽しみながらレコーディングしたことを覚えています。そういう時のYuさん、本当に楽しそうなんですよね〜(笑)。誉の曲をレコーディングするときはどこかワクワクしてる感じが溢れ出てます(笑)。
■ファンのみなさまへ
ファンのみなさま、いつもエーステの応援ありがとうございます。今回アルバムをリリースすることができて、たくさんの方に聴いていただけて嬉しいです。各組、色の違う景色を耳から楽しんでいただいて、冬組ではいい意味で頭の中を忙しくしてみてください(笑)。とにかく楽しんでいただければ幸いです。
■ライブに向けて
トルライ冬は全組トルライの締めくくりでもあります。今までの作品でもバトンがしっかりと渡ってきて、冬組は季節的にバトンが渡ってくるのが常に最後なのですが、いつもみんなが作り上げたものを大切にして我々の公演でひとつ完結させながらもまた次の季節に繋いでいく……という、このエーステにとっては非常に大事な役割を担っているなと個人的に思っているので、とにかく楽しんで頂くことに全振りしようと思います。あとは観た方の心が温まって、心が踊るような──嫌なことを吹き飛ばせる、そんなエネルギーあるライブにしたいと思います。

Hair&MAKE:江口麻美・松葉由華(e-mu)
Stylist:岡本健太郎
取材・文=横澤由香   撮影=中田智章

SPICE

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