2022年2月21日 at 豊洲PIT

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【Dragon Ash ライヴレポート】
『DRAGONASH 25th Anniv. LIVE
“THE SILVER LILIES”』
2022年2月21日 at 豊洲PIT

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 今、私の手元にあるDragon Ashの1stミニアルバム『The Day dragged on』には、“97・2・21”と記されている。その日から、ちょうど25年後の2022年2月21日、彼らは東京・豊洲PITで『DRAGONASH 25th Anniv.LIVE“THE SILVER LILIES”』を開催した。

 会場のオーディエンスだけではなく、配信のオーディエンスも見守る中、客電が落ちると、まずはhiroki(Gu)がギターを轟かせる。すると、櫻井 誠(Dr)がドラムを叩き出し、さらにBOTS(DJ)のビートが、T$UYO$HI(Ba・The BONEZ / Pay money To my Pain)のベースが重なり、そしてKj(Vo&Gu)が歌い出す――《ある朝並木道を歩いている/傷はもう癒えたんですか》。『The Day dragged on』の1曲目、「The Day Dragged On」…つまり、Dragon Ashが最初の一歩を踏み出した楽曲からライヴはスタートしたのだ。しかも、各々の音色が重なり合う、まるで楽曲が躍動しだしたセッションを想像してしまうような、ロックバンドならではの始まり方で。それにしても、オーディエンスが手をあげるタイミングが、かつてのまま。Dragon Ashと長いこと生きてきた猛者が集まっている証だ。

 続いては、やはり『The Day dragged on』に収録されている「天使のロック」。憧れや焦燥が綯い交ぜになったような疾走感がある、つまり青い楽曲だと思っていたけれど、2022年の演奏で聴くと洗練されている。でも、内側に秘めたる青い炎は見えた気がした。
さらに「Public Garden」と、Kj、櫻井、そしてIKÜZÖNE(B)の3ピース時代の楽曲が続く。BOTSに促され、会場にも温かいハンドクラップが響く。当時から変わらぬ抒情性が、今も心身に染み渡る。

 さらに、KJが“言葉の人”であることを深く認識した「Fever」、櫻井が配信のカメラに向かって歌いかけた「Under Age’s song」、ガッと空気をアッパーに持っていった「Just I’ll say」と、不朽のライヴアンセムが畳みかけられる。極めつけは、“もうハイライト!?”と思うほどエモーショナルだった「運命共同体」。オーディエンスに楽しんでほしい気持ちを込めたセットリストだとは思うのだけれど、メンバーもニコニコと楽しそう。そんな中で、ふと目を見開いて《進め運命共同体》と歌ったKj。肝心なところで鋭利になる今の彼のパフォーマンスは、とても説得力がある。

 この25年で、Dragon Ashはさまざまな踊り方を教えてくれたと思う。その中でも、大きな提示となったと言える「Los Lobos」がネクストソング。さらに「Let youeself go,Let myself go」では、いわゆる“横ノリ”で心地良さそうに踊るオーディエンス。コロナ禍のルールとして、揉みくちゃになることはできないけれど、それでも楽しめるセットリストを、Dragon Ashが考えたことが伝わってくる。続く「Beautiful」でもやさしいメロディーに合わせてユラユラ揺れる客席の様子が見られた。

 ここで、櫻井の長めのMC。このレアケースなセットリストは、D.A.CREW(オフィシャルファンクラブ)のアンケートをもとにして作ったことを明かす。その後に畳みかけたのが「花言葉」「Hot cake」と「Iceman」という、隠しトラック3連発。これは“分かってる人しかいないよね?”とでもいうような、無言の信頼を感じる流れだった。さらに次の「Life goes on」「Snowscape」という流れも粋。配信では一瞬イントロが聴こえるだけでチャットが沸き上がる状況に。グルーブが気持ち良すぎる「Revolater」で、ライヴならではの醍醐味は頂点に達した。

 かと思ったら、そこはまだ頂点ではなかった。なんだか聴き覚えのあるイントロが…「Episode 4」だ! そして、ステージに飛び込んできたのはSBKのSHUNとSHIGEO!! 言わずと知れた“TMC”時代からの盟友である。《HIGHとLOW》がステージを交差し、鮮やかに躍動する。もちろん、オーディエンスも歓喜。Dragon Ashのアニバーサリーは、もちろん名曲で辿ることもできるのだけれど、やっぱり彼らに仲間の存在は欠かせない。そう、改めて確信した時間だった。

 そこから、昨年リリースされた「ダイアログ」へと続く。配信のチャットには“昨年一番聴いた”という言葉も見られた。混迷の時代、この楽曲が光となった人も、少なくないだろう。Kjは《あなた》と歌いながら、思い切り手を伸ばした。さらに、ひとりひとりが思いっきり跳んだ「Jump」、《足は光の差す方へ》と歌う「Canvas」と続く。Dragon Ashはずっと変わらずに私たちを躍動させ、照らしてきたということが、時代をこえた選曲から伝わってきた。

 その極みと言える楽曲は、やはり「百合の咲く場所で」。《川の流れは冷たくて/胸が張り裂けそうになって/外は陽の光が眩しすぎて/ここで歌っている》――ライヴハウス、フェス、時には大きな会場、そして今は家で聴いている人も。どんな時も、それぞれの“ここ”で、Dragon Ashは歌い続けてきた。そんな記憶が、まさに川の如く脳裏を駆け巡って、グッと込み上げてきてしまった。

 しかし、泣いている場合じゃないのだ…そう、「Deep Impact」! Mr.Qと山田マン、ラッパ我リヤのふたりがオンステージだ。《いよいよ壁が無くなるぞ》と叫んだ2000年代初頭。2022年、すっかり壁はなくなった。彼らが壁をブチ壊してきたから、今がある。この日、25年の軌跡を、最も象徴的に表した楽曲だったかもしれない。…となると、大切な楽曲「Lily」から、やっぱりこれも演奏しなければ、アニバーサリーは締め括れない。もちろん「ROCK BAND」! SATOSHI(山嵐)とKO-JI ZERO THREE(GN-z WORD)がステージに駆け込んできて、息ぴったりの歌声を響かせる。“この曲があったから今までやってこれました”――そんな真摯な言葉が、すっと心に入ってきた。

 最後はKjの“25年間、俺たちの青春につき合ってくれてありがとう”という言葉から「New Era」。曲中では“まだやり足りないから、もうちょっと続けていくよ”と宣言。さらに、BOTSはステージを降りる前、“25年と言わず、30年、35年、40年と、まだまだ続けていきたい”という気持ちを明かしてくれた。思えば、Dragon Ashが続いている限り、私たちの青春も続く気がする。音楽を愛し、仲間を愛することを、青春と呼ぶのではないだろうか。

 この25年、彼らにもいろいろなことがあった。メンバーが増えるとともに音楽性も幅を広げていき、進化を恐れなかった。正直がゆえにさまざまな挑戦に立ち向かい、障壁にぶつかることもあったけれど、その澄んだ瞳は変わらなかった。さらに、IKÜZÖNEとの別れがあり、ATSUSHIとDRI-Vとも道を分ったけれど、やっぱり歩みを止めることはなかった。そんなロックバンドの過去・現在・未来が、まるごと感じられるような、永遠に心の引き出しに仕舞っておきたい、とてもとても特別なライヴだった。

撮影:TAKAHIRO TAKINAMI/取材:高橋美穂

■DRAGONASH 25th Anniv. LIVE “THE SILVER LILIES”
セットリスト・プレイリスト 
https://dragonash.lnk.to/20220221

セットリスト

  1. 1. The Day dragged on
  2. 2. 天使ノロック
  3. 3. Public Garden
  4. 4. Fever
  5. 5. Under Age’s song
  6. 6. Just I’ll say
  7. 7. 運命共同体
  8. 8. Los Lobos
  9. 9. Let yourself go,Let myself go
  10. 10. Beautiful
  11. 11. 花言葉
  12. 12. Hot cake
  13. 13. Iceman
  14. 14. Life goes on
  15. 15. Snowscape
  16. 16. Revolater
  17. 17. Episode 4
  18. 18.ダイアログ
  19. 19. Jump
  20. 20. Canvas
  21. 21.百合の咲く場所で
  22. 22. Deep Impact
  23. 23. Lily
  24. 24. ROCK BAND
  25. 25. New Era
Dragon Ash プロフィール

ドラゴン・アッシュ:1997年、Kj、IKUZONE、桜井誠の3人でデビュー。その後、BOTS、HIROKI、ATSUSHI、DRI-Vが加入し7人編成になるも、12年にオリジナルメンバーのIKUZONEが急逝。13年、現在のメンバー6人で再び前進することを決意する。今アルバムよりKenKenがレコーディングに全面参加。デビュー時よりあらゆるジャンルを驚異的なスピードで横断し、Dragon Ashとしか表現しようのない音を鳴らし続けている。Dragon Ash オフィシャルHP

OKMusic編集部

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