「“役者”として“役者”にしかでき
ないライブを」——MANKAI STAGE『A
3!』Troupe LIVE~WINTER 2022~ 公
開ゲネプロレポート

2022年2月23日(水)TACHIKAWA STAGE GARDENにて開幕したMANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE~WINTER 2022~。MANKAI STAGE『A3!』が春・夏・秋と組ごとに開催してきたライブステージも、この冬組で季節を一周。エーステファンの思いを繋いできた特別なステージの締めくくりを担った荒牧慶彦(月岡 紬役)、北園 涼(高遠 丞役)、植田圭輔(御影 密役)、田中涼星(有栖川 誉役)、上田堪大(雪白 東役)の5人のハーモニー、冬組が描く“彼らだけの星座”、その輝きをレポートしたい。

※以下、ネタバレがございます。ご注意ください。
ステージ中央、横一列に腰掛けた5人の手にはそれぞれ1冊の本。ライブは星にまつわる物語の朗読からスタートした。しっとりとした大人の空気が持ち味の冬組にお似合いの『overture』である。そして「探しに行きましょう。僕たちだけの星座を──」という言葉に続いての1曲目は『星と雪のプラネタリウム』。紬→丞→密→誉→東→紬と順番に呼びかけとソロダンスとで繋いでいくこのナンバーで、まずはメンバー紹介を。サビでの5人の声の重なりも心地よく、手振りを活かした“星座ダンス”もキュート。ブラック&差し色デザインのセミフォーマルな衣装が照明に映えてとても綺麗。歌で一体となる特別感、ステージ上と客席とが自然とニコニコ顔になっていく柔らかなヴァイヴスが場内に満ちていくのを感じる。そこから『Brand new world〜Troupe LIVE WINTER〜』、さらに短い挨拶を挟み『MANKAI☆開花宣言』への流れもいい。歌詞の割り振りもそれぞれのキャラクターにぴったりで、♪さあ 幕を開けましょう 僕らだけの物語… …のフレーズはまさに今のこの体感。ブワッと一気に温度を上げるのではなく、5人揃って心の芯からじわじわと着実にオーディエンスを温めていく展開が冬組流だ。

 (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会2022

(中央左から)高遠 丞 役:北園 涼、有栖川 誉 役:田中涼星  (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会2022
“芝居歌”的な丞&誉『筋肉ラプソディ』はビッグバンド風味。コミカルさとカッコよさのバランスも絶妙、息つく間もなく繰り広げられる演劇バカ✕芸術家のケミストリーにグイグイ引き込まれていく。そこから一転、ジャポネスク調の『魂蔵』は密&誉の艶やかなヴォーカルが光るナンバー。ネオ和装な衣装に身を包み扇子を手に歌い踊るふたりの「おやすみ……」のつぶやきが、ドラマティックな余韻となって染み込んでくる。こうした冬組メンバーのエンターテイナーぶり、音楽表現の幅の広さを改めて堪能できるのもライブならではの醍醐味だろう。
(左から)御影 密 役:植田圭輔、雪白 東 役:上田堪大  (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会2022
回替わり演出の公演曲コーナーは劇中劇の衣装で。この回は殺人事件を題材にした謎解きモノ『主人はミステリにご執心』から『esの憂鬱』。執事の鷺島(誉)と財閥の子息・志岐(密)がジャジーで気だるげな空気をまとい、謎めいたテンションと品の良さとで場内を包んでいく。これもまた冬組に備わった上質な手触りだ。
鹿島雄三 役:鯨井康介  (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会2022
冬組ライブにサポートメンバーとして参加してくれたのは、4人のダンサーと鹿島雄三役の鯨井康介。厳しいOBとして、また信頼できる先輩演出家としてMANKAIカンパニーをクリエイターの立場から見守り指導してくれる雄三と冬組のタッグは好相性。「ユゾ(雄三)トーク」に「鹿島部屋」にドラマパートの重要人物にと、ステージに愛あるスパイスを存分に加えてくれた。
もうひとつの回替わり演出、劇中劇ショートバージョンは『天使を憐れむ歌。』。ミカエル(紬)、ラファエル(丞)、ウリエル(密)、メタトロン(誉)ら天使の背中に生えた大きな羽根、フィリップ(東)の白衣姿、悲恋のストーリー、上空から舞い降りる羽根に彩られるエンディング……新生冬組旗揚げ公演で舞台上に登場した5人の姿は今でもこの目に焼き付いている。あれから時を重ねてより洗練されより役者たちに染み込んでいるこの作品世界が美しい。
 (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会2022
まだまだお別れしたくない気持ちを抱きつつ、ここからラストまでさらに温度を上げて再びライブパートへ! 白いスーツにチェンジした5人が揃い、みんなで手振りもお約束の『biooming smile〜Troupe LIVE WINTER〜』。声は出せないけれど繋がっていく気持ちが高まるハッピーなナンバーだ。思いを交歓し合いながらステージ奥最上段で一列に並ぶ冬組。やがて大きな盛り上がりのまま曲が終わり……一瞬の静寂。そのまま全員が後方へハケていく……と思いきや、4人が紬を中央へと促す。その思いに応えるようにひとりステージ前方に戻ってくる紬。ソロナンバー『君』が流れ出す。
月岡 紬 役:荒牧慶彦  (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会2022
身の回りの大切な人や大切なモノのことを思い、静かに自問自答を繰り返していくこの歌は確かにこんなシチュエーション──終演後の誰もいないステージ、片付け終わった楽屋、ひとりの帰り道──にぴったりだ。リリックビデオ風の映像を背に、役者たちが生きるONとOFFの両方を描くエーステの世界観を独り言のように噛み締めながら歌う紬の姿は、そのまま全ての団員の姿に重なるようにも感じられた。
 (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会2022
続く『Brand new world 〜Troupe LIVE WINTER〜』は嬉しいサプライズ! 紬の歌声から感じた思いがギュッと詰まったトルライ振り返り映像、春夏秋冬それぞれのステージの印象的な場面が大きなスクリーンに映し出される憎い演出だ。4組が繋いできたライブのバトンを客席で一気におさらいしたところで5人がステージに戻り歌い出したのは『20 for colors〜Troupe LIVE WINTER〜』、なんと、映画『MANKAI MOVIE「A3!」』の主題歌。この欲張りな“全部入り感”、4つの季節を担ってトルライに幸せなエンドマークを……というカンパニーからのメッセージ&大いなるサービス精神に、客席からもより一層大きなアンコールの拍手が贈られた。

 (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会2022

上記曲以外にもアンコールも含め、あのナンバーやあの1曲……オリジナルアルバム収録曲と過去公演で披露された楽曲で構成された『Troupe LIVE』。特に『~WINTER 2022~』は紬の「“役者”として“役者”にしかできないライブを届けます」の言葉通り、全体的に芝居心とまっすぐ歌を伝えていくパフォーマンスに徹した“王道感”のあるステージングで、観劇後も「ライブを楽しんだぞ」という満足感が心をしっかりと支配していた。「たまにはこういうのも悪くない」と表現することの喜びをさらに噛みしめていた丞の尽きることない演劇熱。「寝ないでがんばるー」と宣言し実行した密のキレのあるダンスと歌のスキルの高さ。「やっぱり天才はどの分野でも輝く」と自由に躍動しながら仲間と共に場を楽しんでいた誉。「いつも以上にみんなと繋がれた気がする」とこれまでで一番柔らかな笑顔と力強い歌声を披露した東。そんな5人が届けてくれた歌いっぱいの素敵な時間に「冬組は“運命共同体”」のフレーズがよみがえる。名もなき星たちも一つひとつを繋いでいくと、そこにしかない星座となって新たな意味を持って輝く。今日ここで生まれた「冬組座」の澄んだ輝きとハーモニーも、ステージを観た観客の心の夜空にクッキリと刻まれることだろう。
※劇中劇コーナーはAパターン〜Cパターンまで回替わりの演出となっています。
 (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会2022
月岡 紬 役:荒牧慶彦 コメント
春組からバトンを繋いできた Troupe LIVE のゴールを目指して、僕ら冬組も最後の最後まで最高のパフォーマンスをしたいと思いますので、観に来てくれる方々、どうぞ期待して、そして楽しんでいってください!
高遠 丞 役:北園 涼 コメント
まずは稽古期間何事もなく、ここまで来れたことを嬉しく思います。それぞれの組が単独公演を経験してTroupe LIVE を行ってきたわけですが、各組のらしさ、それぞれの役ならではの LIVE 楽しみ方、取り組み方が出ていたと思います。
その集大成。
季節が一周し、冬組も MANKAI カンパニーが繋いできたバトンを持って、ACT2!に向けて区切りのゴールテープを切れるようにカンパニー一同力を合わせて最後まで走り抜きたいと思います。楽しみにしていてください。
御影 密 役:植田圭輔 コメント
バトンを繋いできました。そして Troupe LIVE も僕ら冬組の出番。
僕らもこのバトンを ACT2!に繋げるよう頑張るだけです。
なんといっても単独ライブ! この公演でしか味わえない空気を楽しみたいと思います!
有栖川 誉 役:田中涼星 コメント
待ちに待ったトルライ冬が始まるわけですけれども、シンプルに楽しみにしていました。他の組のライブを見て、エーステの魅力やキャラクターの魅力を再発見して、このエネルギーが監督くんに届いてると思うと興奮が収まらなかったのを思い出します。
今度は冬組がバトンを受け継いで監督くんの元へ届ける番なので、世の中の嫌なしがらみを忘れるくらい素敵な時間をお届けできればなと思います。また、演劇をもとにしているこの作品を通して、演劇の面白さや、歌を通して歌詞に思いを乗せて少しでも心豊かになる瞬間を共有できたらと思います。
全力で楽しませていただきますので一緒に Blooming しましょう!
雪白 東 役:上田堪大 コメント
いよいよ Troupe LIVE~WINTER 2022〜が開幕します。
まず、無事に開催できることにたくさんの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。トルライ最後である冬組は、運命共同体が全開のライブに仕上がったんじゃないかなと思います。このライブでしか味わえない冬の温もりを、思う存分カントクと一緒に楽しみつつ臨みたいです。
よろしくね、カントク。
取材・文=横澤由香

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