L→R 桜井 賢(Vo&Ba)、坂崎幸之助(AG&Par)、高見沢俊彦(EG)

L→R 桜井 賢(Vo&Ba)、坂崎幸之助(AG&Par)、高見沢俊彦(EG)

【THE ALFEE インタビュー】
思いどおりにならなくても
僕らは生きていかなくちゃいけない

今年でデビュー48周年を迎えるTHE ALFEEが2年8カ月振りとなるニューアルバム『天地創造』をリリースした。これまで欠かすことがなかった全国ツアーをコロナ禍で中止にせざるを得ない中、その時間を創作に当て、かつてないペースでレコーディングを行なったという本作は、世間を覆う不安感を払拭してくれるような前向きな作品となった。

THE ALFEEの48年を客観的に考えて、
たくさん曲を作った

本作はコロナ禍での制作されたアルバムであって、約2年8カ月振りというTHE ALFEEとしては短いインターバルでのリリースとなりました。過去25作品との違いは何だったでしょうか?

高見沢
2年間、全国ツアーがなかったんです。4ツアーやらなかった。これが一番大きいですよね。その時間全てを創作にシフトしました。今まではツアーをやりながらレコーディングしたり、ツアーをやりながら曲を作ったりしてたんですけど、ツアーがないからそれだけに集中できたという。改めてTHE ALFEEの48年というものを客観的に考えて、たくさん曲を作りましたよ。その中で“THE ALFEEのどこがいいのか?”とか“THE ALFEEの強味などこか?”とかを自分なりに探しながら楽曲を作りました。改めて思ったのは僕らは3人ともリードヴォーカルがとれるというの強みがあること。3人による3声のコーラスはTHE ALFEEの武器ですからね。曲は僕が作りましたが、3人の力がないと完成できません。3人の力を最大限合わせて作り上げたアルバムだと思いますね。

過去、今作ほど客観的にバンドのことを見つめて作った作品はなかったですか?

高見沢
ないですね。やっぱりツアーをやっているとツアーのほうに神経が向くことも多いですからね。このコロナ禍の中でシングルを3枚出したんですけど、それも今までにはないペースなわけですから、そういうことも含めて、いろいろなことを考えながら制作したので、それは初めてのことだったかもしれません。

坂崎さんはいかがですか? 今回のレコーディングのこれまでとの違いというと?

坂崎
作業的にはコロナがあったので、ほんと密にならないように気をつけていて。今までにも自分たちのスケジュールの関係でひとりずつ録っていったことはあったんですけど、今回はそういうことじゃなくて、コロナ禍という外的な要因ですからね。コーラス録りさえもひとりずつスタジオに入ってやっていた。3人一緒にスタジオに入れないですから。そこは今までと極端に違っていたかもしれないです。

桜井さんは今回のレコーディングを振り返ってみていかがでしょうか?

桜井
レコーディング時間としてはタイトだったと思います。僕がメインで歌う曲とそうじゃない曲の録音するスケジュールが出て、それを全部消化していくわけですけど、昔は3カ月間くらいずっとスタジオに入ってやっていたんですよ。だけど、今回は時間の制約の関係上、それこそ2日間でベースを4曲入れるとか。そのぶん、ベースや歌のレコーディングは集中してできましたね。まぁ、それは作者が完成度の高いものを作ってきたからこそ、我々はできるんだと思いますけど…でも、時間はタイトだったなぁ。

これは他の媒体のインタビューで読んだのですが、昨年のシングルリリース時、シングル用以外にもたくさんの曲ができているのを知って桜井さんが驚ろかれたと。曲作りのペースも今までにないほどに早かったんですね。

桜井
そう。アルバムの前にシングルを3枚出したんですけど…その最初の時(2020年9月発表のシングル「友よ人生を語る前に」)はまだ緊急事態宣言が出ている頃だっけ?
高見沢
出ていたね。
桜井
そこでマネージャーから電話かかってきて、“桜井さん、時間ありますか?”“何?”“レコーディングです”“えっ! レコーディングすんの?”って(笑)。そうしたら“高見沢さんはずっと前からやってますよ”って。まぁ、それはそうだよね。外に出ちゃけない時にできる仕事ってスタジオワークしかないしね。で、“でも、どうせまだ歌詞はできてないんだろ?”って訊いたら“いや、できてます”“えーっ!?”って(笑)。だから、高見沢はその時にずっと曲を溜めていたみたいで、アルバムを作るっていう話を聞いた時も“嘘だろ? 無理だよ、この短期間じゃ”と思っていたけど、もう全曲できていたという。“準備がいいねぇ”って思ったよ。
高見沢
ツアーがないぶん、時間はたっぷりあったからね。

それを怪我の功名と言っていいかどうか分かりませんが、外に出れない期間が長くあったがゆえにたくさん曲も書けてアルバムも作れたという。

高見沢
そういうことですね。僕の場合、緊急事態宣言中はモヤモヤしていたんですよ。そのモヤモヤをすっきりさせるのは創作しかなくて。頭の中に浮かんだことを音にして具体化しちゃうんですよね。そうしないと落ち着かないし、眠れない(苦笑)。

不安になると。

高見沢
モヤモヤですよ。ムラムラじゃないですよ(笑)。
坂崎&桜井
あははは。
坂崎
ムラムラは若い時だよね? 今はムラムラしない(笑)。
高見沢
(笑)。そういう部分も含めて、コロナ禍というものを逆手にとったりね。コンサートができないから配信番組にシフトしたりとか…『Come on!ALFEE!!』をやり始めましたから。“音楽は不要不急のもの”と言われた瞬間に、やっぱりこう…自分の中にあるミュージシャンとしてのレジスタンスっていうんですかね(笑)。そこは感じました。

“不要不急と言われたままでいいのか!?”というスピリットが湧き上がってきたんですね。

高見沢
そうですね。もちろんそこで、“何もやらない”という選択もありましたよ。でも…まぁ、これは自分としては性格的に、“何もやらない”という選択肢はありませんでしたね。音楽を長年やってきて、制限されることなんて今までなかったから、“制限されるってこんなにつらいんだ”とか、コンサートをやる自由がないなんて。今までは考えられませんでしたから。ましてや、県を跨いで移動も自粛しないといけないとか、ツアーなんて無理ってことですからね。

コンサートができないだけでなく、県を跨ぐことさえもできない。THE ALFEEにとっては両手両脚をもがれたに等しいでしょうね。

高見沢
そうですよ。県を跨いで行くのがコンサートツアーですからね。今まで当たり前にできていたことが制限されてしまった。もちろん、この国では発言の自由や生活の自由は保障されていますよ、だからこそ、コロナ禍における音楽活動の自粛は致し方ないこととして守り通しましたよ。だから、この2年間、会食なども一切せず、自分のテリトリーだけで創作活動やった結果がこのアルバムにつながっていったところはありますよね。

『天地創造』を拝聴して、このアルバムは前向きというところで一本筋の通った作品だと感じました。「別れの心象」という文字どおり、別れ歌もありますが、それにしても完全に後ろ向きな内容ではありません。今、高見沢さんのお話を聞いて確信したんですが、やはり本作の前向きさはコロナ禍において希望を求めた結果なんですね。

高見沢
そうですね。これは以前もよく話したことなんですけど、コロナ禍でニュースに触れたり、新聞などを読むと暗くなっちゃうんですよ。ニュースは事実しか報道しませんからね。コロナ禍の事実には希望がない!(苦笑)。

起こったでき事が述べられるだけで、しかも、それがどんどん…

高見沢
どんどん悪くなるというか。一時期の報道で“このままでは新規感染者数が1日5万人を超えるかもしれません”とかなって“そんなに!?”とか思うじゃないですか。人間そんなふうに煽られてるとやっぱり不安になりますよね。だから、“煽られても動じない楽曲を作ろう!”なんて不遜にも思いましたよ。“音楽は決して不要不急ではない!”と自分を鼓舞しつつ、自分なりの答えを出していきましたね。なので、「別れの心象」も別れであるにせよ、前向きに生きていこうという歌になってます。
坂崎
THE ALFEEの場合はバンドが前向きですからね(笑)。
高見沢
人間は後ろ向きだけどね(笑)。

いやいや、そんなこともないでしょう(笑)。

坂崎
3人でまとまると前向きになるというかね(笑)。まぁ、歌を聴いた人の背中をちょっとでも押してあげられたら…と思いますね。
高見沢
そうだね。僕らもそうだったからな。
坂崎
落ち込んでいる時やダメな時だったりに、音楽を聴いて前向きになれるというのは基本ですから。もちろん、センチメンタルな気持ちになる曲もあるでしょうし、そういう曲を聴いて泣いたりしてすっきりする場合もありますけど、このコロナ禍ではそういうことよりも思いっきり前向きなほうがいい。世界中が後ろ向きでしたからね、この2年間は。だから、“センチメンタルに浸ってる場合じゃねぇ!”みたいな(笑)。
高見沢
現実が大変だったからね。怪獣が出現したわけでもないのに、まさか緊急事態宣言が出るとは思わなかったよ。こういうことは映画の世界の話だと思っていましたから、最初は本当にびっくりしましたよ。
坂崎
発令したら、どんな感じになるのかな分からなかったからね。

街からは人が消えましたね。

坂崎
5月くらいに浅草に写真を撮りに行ったんです。人がいない浅草という珍しい写真がいっぱい撮れましたよ。そういう意味では歌の世界だけでも前向きに、思いっきり前向きでいいんじゃないかと思います。
高見沢
あとね、このアルバムは前向きではありますけど、テーマとしては“思いどおりにならないのが人生”というのが自分の中であるんですよ。夢見たことが100パーセント叶う人っていないじゃないですか。だいたい99パーセントがダメな場合が多いですよね。その中で、僕らは生きていかなくちゃいけない。どんな時も、後ろ向きになっちゃいけないから、“思いどおりにならない人生”がテーマでもありますね。
L→R 桜井 賢(Vo&Ba)、坂崎幸之助(AG&Par)、高見沢俊彦(EG)
アルバム『天地創造』【初回限定盤A】(CD+DVD)
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OKMusic編集部

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