Little Glee Monster MAYUとmanaka
に訊く、これまでのリトグリにない新
曲「Your Name」と“名前”にまつわ
る想い

TVアニメ『ヴァニタスの手記(カルテ)』オープニングテーマとなっている「Your Name」を3月2日にリリースしたLittle Glee Monster。今までのリトグリにはないクールなミドルチューンの今作に、メンバーはどのように向き合い、歌をつないだのか? また、楽曲タイトルにちなんで“名前”にまつわる想いを、MAYUとmanakaに訊いた。
――資料が届いた瞬間、前回のインタビューでmanakaさんが、“1月になったら、喜んでいただけることがあるかも”と話していたのは、これかー!って思いました。
manaka:そうです、これでした(笑)。
――前作に続きと言いますか、ニューシングル「Your Name」にもアニメのタイアップが付いていて。今回は『ヴァニタスの手記(カルテ)』のオープニングナンバーです。
MAYU:はい、嬉しいことに。しかも私は弟と妹がいて、2人ともアニメが大好きで。今回もお話をいただく前から、“すごく面白いんだ”みたいな感じで、みんなで盛り上がっていたアニメだったので。“えっ?! この間、話してたやつだ(喜)”ってなって。
――となればもうお姉ちゃんとしては、“次はリトグリが主題歌を担当だよ!”みたいな?
MAYU:いや、誇らしげというよりはもっと普通に、“リトグリが歌うことになったよ”っていう感じでしたね。私も嬉しいから、みんなで一緒にめちゃめちゃ喜びました。
――今、家族のいい団欒が見えました。
MAYU:ハハハハ。ありがとうございます。
manaka:私は今回の話があってからアニメを見させていただいて、レコーディングしたんですけど。『ヴァニタスの手記』はパリが舞台のお話で、すごく絵も綺麗ですし。私たちの歌う「Your Name」も、今までにないようなかっこ良さがある曲なので、ピッタリだなって感じました。

MAYU
いろんな経験を積み重ねて、表現力や出せる声の幅、想いの乗せ方だったり、たくさん得たものがあるから。まさに今だから歌える曲だなって思います。

――『ヴァニタスの手記』の物語に対する印象も聞かせてもらえますか?
MAYU:歌詞の中に《愛すべきことは 何があるのだろう その名をきっと1回でも多く呼ぶこと》っていう、文学的な言葉があるんですけど。アニメの主題歌を歌わせていただく時は物語の世界観に寄り添うので、そこは手記を持っている主人公のことが読み取れるフレーズなのかなと思いますし。あとはアニメの世界観というのも、メロディやサウンドとすごく合っていて、そこでも表現できたんじゃないかなって。
――前回のインタビューで“アニメの主題歌を担当させてもらうと、お客さんの層が広がる”という話をお聞きしましたが。『半妖の夜叉姫』からの振り幅を考えると、今回はまた違う場所へと広がっていそうです。
MAYU:『ヴァニタスの手記』は海外でもとても人気だという話を聞いているので。『ヴァニタスの手記』を入り口に、いろんな国の方がリトグリと出会ってくださったり、歌声が気になるなって思ってくださるかもしれないですし。
――新たな場所へも、とは思っていたけど、海を渡るとは!
MAYU:本当にそうなんですよ。今回も素晴らしいきっかけになってくれそうで、すごく楽しみです。
――言われてみれば、なんですけども。昔、旅先のホテルでテレビをつけたら、子供の頃に好きだったアニメの主人公がスペイン語を喋ってて。驚きつつも、その主人公は青い目のブロンドで、ビジュアル的にはむしろ違和感がなかったっていう。
MAYU:確かに(笑)。今言っていただいた通り、『ヴァニタスの手記』の舞台であるパリ、フランスの方にはより刺さるのかもしれない。絵もすごく綺麗なので、そこもみなさんが見たいポイントのかなというふうに思います。
manaka:そうそう。『ヴァニタスの手記』はどこか都会的な感じがあって、そこが曲調と合っているというか。だから私たちも前半は息を多めに含ませた声で歌ってみたり、声に加工したり、これまでにあんまりない表現をしていて。
――先ほどから“これまでのリトグリにない”という言葉が出てきますが、「Your Name」を最初に受け取った時はどうでしたか?
manaka:何度も言ってしまうんですけど、元気や、誰かを応援するとか、いつもとはテイストがまったく異なるクールな曲だなぁっていう印象でした。
MAYU:私は個人的に好きなテイストの曲というか。最初に聴いた時は、グッと引き込まれて、歌えたらいいなぁと思っていて。なるほど、アニメの世界観とマッチしているかもって。そして歌詞がアニメに沿ってブラッシュアップされて、さらにマッチしたので。だから『ヴァニタスの手記』の曲になって歌えたことは、ほんとに嬉しかったです。
――完成した「Your Name」と、アニメのオープニング映像とのシンクロ具合は奇跡的というか。
MAYU:だから、自分たちの曲だけどテンションが上がるし、ゾワゾワくるところもあるんですよね。SNSでも“OP、リトグリだったんだ!?”っていう反応を結構見かけて。リトグリっぽくない曲だし、パッと聴いただけでは、クレジットを確認しないとわからないみたいで。ただアニメファン、原作ファンの方が、“今回の曲はすごく合ってて好き”と言ってくださっていたので。そうやって自分たちが思っていることが、ヴァニタスファンのみなさんにも伝わったのがとっても嬉しかったです。
――思い返せば前作「透明な世界」でも、今までにない雰囲気の曲だって話していたから。変わらず今もリトグリのライブに行けば、ポジティブなパワーをもらえるけれども、そことは異なる部分、経験だったり、年齢だったりを重ねることで、深味みたいなものも出せてきているのかなぁと。
MAYU:そこはかなり大きいと思います。特に「透明な世界」の、いつもだったらサビで張り上げるようなところを、あえてファルセットで表現する歌い方だったり。今回はまたそれとも違う、儚さだったり、切なさだったり、微かにダークさもある不思議な曲なので。学生時代の私たちが歌っているのは想像できないです。例え歌ったとしても、この曲の良さは出せなかっただろうし。さらに女性にも、成長とともに声代わりが多少あったりするし。言っていただいた通り、いろんな経験を積み重ねて、表現力や出せる声の幅、想いの乗せ方だったり、たくさん得たものがあるから。まさに今だから歌える曲だなって思います。
――曲へのアプローチとしては、どういうことを考えてレコーディングに臨んだのでしょう?
MAYU:歌割りが決まってからレコーディングする時は、前に歌ったメンバーの声を聴くんですよね。特に今回は1番と2番でメロディがガラッと変わるので、最初はみんな息が多めで、ささやくくらいの、そしてちょっと色気もあるような。
――語尾が少し伸びるようなね。
MAYU:そうです。いい感じの気怠い雰囲気が出ていたので、それぞれでテンション感を合わせたりだとか。私は字ハモを入れたんですけど、そこでもやっぱりみんなのテンションに合わせましたし。あとはさっきmanakaが言っていたように、1番で初めて声に加工を入れた効果で都会的な感じが出て、サウンドとの相乗効果と言いますか、そこもすごく聴いて欲しいところです。それぞれの歌い方を聴いて歌うっていうのは、どの曲でもそうなんですけど、毎回、一番重視しているところかなと思います。
manaka:歌い繋いでいくと言いますか。前の人の歌を聴いて、この雰囲気だったら自分はこんなアプローチがいいかな、というような感じで決まっていくんです、いつも。
――今回の前の人の歌は、自分がイメージしていた表現と重なる部分が多かったですか?
MAYU:そうですね。打ち合わせをしなくても、曲を聴いた感触は自然とみんな一緒だったりするので。“こういう曲でいこう”って話し合う時もあるんですけど、普段はあまりしないというか。“やっぱりこんなイメージやったよね”みたいなことが断然多いんです。
――新しい挑戦の曲でも、いつも通りにいけて、こんな気怠さが出るのはすごいです。
一同:(笑顔)。
――声のエフェクトも、思わず振り返りましたもん。リトグリで間違いないよね?って。
一同:あははははは。
――それと同時に、そっか。こういうアプローチもありなんだなって。今までもナシにしていたわけではないだろうけども。
manaka:そうなんですよ。自分たちの内側からの変化は当然あるんですけど、タイアップする作品によってもたらされる幅もあるなっていつも思っていて。『ヴァニタスの手記』のオープニングを担当することができたから、この曲を歌えたと思うし。いいきっかけというか、特別な巡り合わせをいただきましたよね。

manaka
楽しんで待っているほうが芹奈のプレッシャーにならないだろうから。“精一杯心躍らせてやっていこう!”みたいな話し合いをしました。

――ここまでの話からすると、レコーディングはスムーズに進んだんですね。
MAYU:さっきチラッと言ったんですけど、頭から終わりまで、字ハモは私が担当していて。「Your Name」はメロディラインが独特で、かなり難しくて。いつもは、歌うとなんとなく、ハモりはこんな感じかなって想像がつくんですけれども、今回は全然予測できなくて、正直、苦戦した部分もあって。でも、一度掴んで歌い出すと本当に面白いんです。そこでですね、今回はリードボーカル抜きの音源も入っているんです。
――そう! インストではなく、リードボーカル抜きっていうのがめっちゃ新鮮でした。
MAYU:オリジナル音源でも聴こえるとは思うんですけど、“こんなに複雑にハモってるんや”っていう発見や驚きがきっとあると思うので。個人的にはそこを聴いて、楽しんでもらえたらしあわせですね。
manaka:自分はその、息が多めだったり、みんながニュアンスのある歌い方をする中で、私の声が私であることがスパイスになるなって、歌いながら感じていたんですね。
MAYU:うんうん、わかる。
manaka:今回はみんなに寄せて歌うというより、ちょっとしたアクセントの役割を担おうって、パートをもらった時に考えて。いい意味で自分らしさを残しつつ、私のメインパートが曲のスパイスになったらいいなっていうふうに心がけました。
――manakaさんのスパイスが効いたフレーズ、教えてもらってもいいですか?
manaka:サビですね。サビでは特に、私は自分らしさを意識して歌いました。
――広がる感じがしました、一気に世界が。
manaka:あっ、嬉しいです(ニッコリ)。
――あとはこう、ライブも含めて、名前を呼ばれることの多い2人だから余計に、この歌詞を深く理解できたんじゃないかなって。
MAYU:あぁ、そうかもしれない。一見、難しい歌詞に感じるかもしれないし、大きく捉えたら愛の曲だと思うんですけど。“名前を呼んでもらえることが愛”っていうのは、恋愛以外の場面にも当てはまることだと思うので。おっしゃっていただいた通り、お仕事上、ファンのみなさんだったり、スタッフの方だったり、名前を呼んでもらう機会が多いので。しかもこの数年はグループの状況が変わったり、世の中的にも大変だったり、いろいろなことが重なったから。そういう時に声を掛けてもらえる、求めてもらえるというのは大きな力になったし、自分たちもお返しをしたいなって心から思っています。

かれん

――去年、一昨年と廻ったツアーでは、ファンの方が声を出したくても出せない、メンバーの名前が呼べないという現実もあって。
manaka:まさにそういう体験でより感じましたね。名前を呼んでもらうって、温もりやパワーがもらえるんだなぁと。
――例えば、苗字も含めての本名で過ごす時間と、リトグリのMUYUやmanakaっていうアルファベット表記になった時では、何か切り替わる感じはありますか?
MAYU:そんなにないかなぁ。普段は漢字やひらがなで過ごしているし、アルファベットで自分の名前を打ったり書いたりしないので。今言われて改めて、“そうか。確かにリトグリの時はMAYUだな”みたいな特別感?(笑) 別にそこにスイッチのオン/オフはないですけど、ハッとすることはあるかもしれないです。
――家族や友だちとご飯を食べている時と、リトグリで歌っているMAYUさんとの境目はないんですね。
MAYU:全っ然ないですね。
manaka:私もないなぁ。
――なるほど。このタイミングで届いたっていうことは、レコーディングはツアーと並行して行われたということでしょうか?
manaka:そうです。レコーディングは夏だったので。ただ普段からツアーと並行して行うことは多いので、いつもの感じというか。
――楽曲的にライブに引っ張られた表現という感じではないけれども、お客さんに向けて歌う日々の中で、気持ち的な影響を受けたりするのかなって?
MAYU:あると思います。もちろん、ツアーと被ってない時期も精一杯レコーディングしているんですけど。ライブが生活の中にあると、ファンのみなさんの姿や、ライブで歌う自分たちの姿、歌っている時に目の前に広がる景色が想像しやすいので、やっぱり歌いやすいですよね。
manaka:私もレコーディングだけをやっている期間よりも、ツアーと並行してやっているほうが、ファンの方のライブでの様子を思い出しながら歌えるから。心持ちはちょっと変わる気がしますね。
――カップリングには、レミオロメンの名曲「3月9日」のカバーが収録されています。このオリジナルがリリースされた2004年って、リトグリのみなさん全員子供ですよね?
manaka:4、5歳かな?
――この曲をカバーすることになった経緯を聞かせていただけますか?
MAYU:以前、大阪の番組で歌わせていただいたんです。そこ以外でもアカペラメドレーに入れたり、普段から歌うことの多い曲だったんですけど、その度にみなさんが熱い反響をくださって。今回はちょうど卒業シーズンのリリースだし、録ってみようってことで。
――サウンドも含め、原曲とはガラリと雰囲気が変わっていますが、リトグリにとってはこれが勝手知ったるアレンジなんですね。
MAYU:いや、歌割りだったり、コーラスアレンジだったり、私たちがこれまで歌っていたものとは変わっていて、また新しく作り直した感じなんです。
――楽曲提供なら、歌った瞬間、リトグリのオリジナルだけれども、カバーするとなると、揺るぎない正解がひとつあるわけじゃないですか。そこはどんなふうに意識して歌っているんだろう?
manaka:カバーさせていただく時はリスペクトを込めてと言いますか。原曲に勝とうとかじゃなくって、私たちなりに楽曲の魅力を伝えられたらいいなぁと思って歌っていますね、いつも。しかもこうやってカバー曲を収録するのは久しぶりなので、レコーディングもとても楽しかったんです。
――藤巻亮太さんは、実は友だちの結婚式のために作ったらしいんですよね。だけどMAYUさんが言っていた通り、気がつけば卒業式の定番曲として歌い継がれていて。
MAYU:そうですね。卒業シーズンに歌われる名曲というイメージだったので。実際、卒業式で歌われた方も多いと思いますし、私たちも学生時代に歌ったりしていたので。だからレコーディングでも、私は学生時代や卒業の時期を思い出しながら歌いましたね。
manaka:私もです。卒業の切なさだったり、だけども晴れやかな気持ちだったりを、この曲で感じてもらえたらなぁっていう気持ちで、当時の景色を思い浮かべながら歌いました。
――メロディももちろんだけど、めちゃくちゃいい歌詞じゃないですか。
一同:そうですよね~。
――個人的にお気に入りのフレーズがあれば、是非。
MAYU:《この先も 隣で そっと微笑んで》のところです(即答)。最初はユニゾンで、《微笑んで》くらいから4声に分かれるんですけど、完成した音源を聴いた時はもう鳥肌が立って。そのままユニゾンでいくのかなぁと思ったら、バッと分かて、盛り上がりにさらなる広がりが生まれて。そこは自分が歌っているにもかかわらずかなりゾワゾワしたので、皆さんにも感じて欲しいところですね。
manaka:まさしくそこの表現はリトグリにしかできないことなので、私もすごく素敵だなと思いました。
――さらに通常盤、初回生産限定盤、期間生産限定盤には、昨年廻ったツアーのファイナル、大阪フェスティバルホール公演から、それぞれ異なるライブ音源が入っていて。
MAYU:「愛しさにリボンをかけて」は、クリスマスが近かった大阪でしか歌ってなくて。そういう特別感から入れようってなって。「Hurry Up!!」は前作のカップリングで、発表してからセットリストに組み込んだので、ライブで聴けた方が少なかったっていうことで選んで。「Classic」は、実は今回のライブで初めてだったんですね。しかもライブバージョンにはアカペラの部分があったりもするから。結構珍しいというか、ギフト感のある3曲を選んで入れた感じです。

アサヒ

――最後に、Little Glee Monsterの今後についても少しうかがいたくて。芹奈さんの休養も含めて、しばらくの間“こうやっていこう”みたいなことって、みなさんでお話しされたりしたのでしょうか?
MAYU:はい。去年も4人で活動していた期間がありましたけど、その時は不安やプレッシャーが大きい中、4人でこの場を乗り切ろう、頑張って駆け抜けよう、みたいな。本当にもう、なんとか、なんとか、なんとか!っていう気持ちだったんです。でもそういう気持ちのままだと、もっと良くなるはずだったものが半減しちゃったり、グループ的にもしんどくなっちゃうのかなと思うし。私たちはずっと芹奈を待っているし、芹奈の居場所があるってことに変わりはないので。今は4人だけど楽しく歌っていきたいと思っているんです。決して悲観的にならず、前向きな気持ちで。
manaka:ほんっとに全員がそれぞれの想いを出し合って。4人で今ある状況を乗り越えるよりも、楽しんで待っていることが、帰って来る場所という意味でも安心できると思うので。そういうほうが芹奈のプレッシャーにならないだろうから。“今ある状況の中で、精一杯心躍らせてやっていこう!”みたいな話し合いをしましたね。
――春頃にはアルバムが届くと聞いております。
MAYU:そうなんです!
manaka: 2022年は「Your Name」から始まって、アルバムや新曲ももちろんですし、みなさんに直接お会いできる機会もたくさん作れたらなぁと思っているので。随時、新しいニュースを待っていてもらいたいです。
――そして次回はまた、“随時が来ましたね”ってインタビューが始まるという。
manaka:確かに(笑)。
取材・文=山本祥子 撮影=大橋祐希

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