ヤングスキニー 初ライブとなった無
観客配信ライブから約1年ーー未発表
の新曲も交え最新の姿を届けた初の有
観客ワンマンをレポート

ヤングスキニー 1stワンマンライブ~バンド、バイトばっかで~

2022.2.19 Shibuya Milkyway
ヤングスキニーの歌は矛盾だらけだ。君のためなら何だってやれると思うのに素直になれない。生きづらさを抱えながら今日も生きている。そんなヤングスキニーのヒリついたロックが、この日、Shibuya Milkywayに集まったお客さんの心を強く揺さぶった。2020年8月の結成から、わずか1年半。コロナ禍で望むようなライブ活動ができないなか、YouTubeで公開されたミュージックビデオで急速に知名度を上げたヤングスキニーが初めて開催した有観客ワンマンライブ『ヤングスキニー 1stワンマンライブ~バンド、バイトばっかで~』だ。
ヤングスキニー
キャパの10倍のチケット応募数があったという満員のフロアは開演前から期待感が高まっていた。SEに、foaraの「イフユーアー」が流れ出すと、ゴンザレス(Gt)、りょうと(Ba)、しおん(Dr)がスタンバイ。最後にかやゆー。(Vo/Gt)がステージに現れる。ジャーンと音を鳴らし合い、「ヤングスキニーはじめます」という開会宣言で、「8月の夜」からライブがはじまった。激しく明滅する光を浴びて投下する衝動的なバンドサウンド。りょうとが頭上で手を叩くと、フロアのお客さんも一斉に手拍子で応えた。「今日は自分たちの集大成を見せたいと思います」と、しおん。コロナ禍にバンドを結成したヤングスキニーにとって初めてのライブは無観客の配信ライブだった。あれから1年。対バンやイベントとも違い、いまは目の前に自分たちだけを見るために足を運んでくれたお客さんが大勢いるという歓びを素直に口にする。まだまだ持ち曲が少ないため、「今日は今ある曲を全部やります」と組まれたセットリストのなかには、未発表の新曲「コインランドリー」もあった。ミニマムなグルーヴでゆったりと聴かせるスタリッシュなナンバーはバンドの新機軸。まだまだヤングスキニーはどんな色にも染まってゆく、大きな可能性があることを痛感する。
ヤングスキニー
ヤングスキニー
この日は、これまで金髪がトレードマークだったボーカルのかやゆー。が黒髪になってステージに現れたのも、ひとつのサプライズだった。ということで、中盤のMCでは髪色にまつわるMCで笑いを誘った。「次はお客さんに投票(拍手)してもらって、多かった人が金髪にしよう」という流れで選ばれたギターのゴンザレスは、「わかってたよ、大体(笑)」と苦笑い。和気藹々としたやりとりで会場が和ませたところで、アコースティックコーナーに移った。ベースのりょうとはシェイカー、ドラムのしおんはカホン、ギターのゴンザレスはタンバリンという編成で届けたのは、大人になることへの戸惑いや焦りをリアルに綴った「19歳」。そのまま、「僕にとって大切な曲をやろうと思います」と、バンドの知名度を上げるきっかけになった「バンドマンの元彼氏」へなだれ込む。ひとつの恋が終わったはずなのに終わりにすることができない。かやゆー。の飾らないボーカルがそんなじりじりとした心情を捉える。

ヤングスキニー

雨音と天気予報を伝えるアナウンサーの声、踏切の音。場面がガラリと転換するようなSEが流れたあとは、「愛鍵」から再びバンドセットに戻った。先ほど、アコースティックで聴かせた「バンドマンの元彼氏」も、今度は改めてバンドバージョンで演奏した。2年前に初めてバンドで完成させたというこの楽曲を、あえてほぼ弾き語りに近いアコースティック編成とバンド編成の両方で聴かせたのも、この日のこだわりだったのではないだろうか。かやゆー。の歌に込まれたエモーショナルな感情は、ギター、ベース、ドラムという楽器隊の演奏の力を得てさらに鮮やかに広がっていく。
ヤングスキニー
ヤングスキニー
クライマックスにかけては、昨年12月にリリースされた初の全国流通盤2ndミニアルバム『演じるくらいなら、ありのままでいいけどね』からの楽曲が続いた。春から夏へと季節が移り変わっても断ち切ることのできない想い。それを切々と歌い上げるバラード「また冬が終わって」を歌い切り、かやゆー。はギターを爪弾きながら語りかけた。「この楽しい時間が終わったら、仕事だったり、バイトだったり、また憂鬱な日々が続いていくと思う。でも、今日みたいに楽しい日もまたくる」。さらに「みんなの憂鬱な日々は僕が消すから」と、ヤングスキニーというバンドが存在する意味を力強い言葉で伝えると、その想いを楽曲に込めた「憂鬱とバイト」をひときわ熱のこもった演奏で聴かせた。最後はしおんの「ワンツー!」のかけ声を合図に推進力のあるビートが疾走する「ロードスタームービー」。ステージ際まで歩みでたゴンザレスとかやゆー。がぶつかり合いながら、こぶしを突き上げる。「今日は最高の夜でした、ありがとう!」。晴れやかなかやゆー。の叫びに、フロアは大きな拍手で包まれた。
ヤングスキニー
アンコールでは、新曲「東京」が初披露された。「上京して2年。たくさんの出会いがありました。知りたかったことも、知りたくなかったことも知って、どこか変わってしまった。でも、それは東京という場所のせいじゃなくて、自分のせいだってわかってる」。そう言ったかやゆー。が、集中するようにワンテンポ置き、スッと息を吸いこんで届けたエモーショナルな楽曲には、目的地を見失い、ひとりで彷徨うような焦燥感が色濃く滲んでいた。ラストは「今日来てくれたみんなに愛を歌いたい」と言って、バンドのはじまりの曲「世界が僕を嫌いになっても」。きっと作ったときは<僕>から<君>への小さなラブソングだったはずのその曲は、この日、この瞬間にかぎっては、「僕ら」から「集まったお客さん」への大きなラブソングとして会場に響きわたっていた。
ヤングスキニー
なお、この日のライブでヤングスキニーは初のツーマンツアーを開催することを発表した。現場での経験を積み重ねてゆくことで、これから彼らはもっとかっこいいバンドへと進化していくだろう。

文=秦理絵 撮影=タチバナジン

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