Dannie May ライブパフォーマーとし
て底力を見せ、輝く未来への新たな一
歩となった結成3周年記念ライブをレ
ポート

Dannie May『3rd Anniversary “Period!”』

2022.3.18 渋谷CLUB QUATTRO
2022年3月18日は、Dannie Mayの3歳の誕生日だ。『3rd Anniversary “Period!”』と題した、結成3周年記念ワンマンライブを共に祝おうと、全国各地から集結したファンの熱気渦巻くここは渋谷CLUB QUATTRO。外は冷たい本降りの雨だがそんなの関係ない。メンバーにとっても思い出のあるこの場所で、午後7時、バンド史上最大のバースデーパーティーが幕を開ける。
祝ってもらう気満々のオープニングSE「Happy Birthday」に乗り、笑顔満面で登場する3人。盛大な拍手が静まるのを待って、マサが麗しいアカペラで歌い出す、ドラマチックな1曲目は「バブ28」だ。Dannie Mayが誇るマサ、タリラ、Yunoの爽やかな三声ハーモニーが会場いっぱいに響きわたる。今夜はロマンチックな夜になる予感。
「渋谷クアトロ、こんばんは。Dannie Mayです。今日はよろしく!」(マサ)
Dannie May
しっとりとした幕開けから一転、曲は「灰々」から「暴食」へ。Dannie Mayの0歳から1歳の時期を代表するファンキー&メロディアスなダンスチューンを連ね、一気にスピードを上げる。サポートドラマー・成瀬太智が叩き出すリズムは質実剛健、タリラの弾くキーボードの音色は自由奔放、Yunoの操るビートは変幻自在で、マサのボーカルは強力無比。点滅するストロボライトが目をくらませ、マサが「手を上げろ!」と煽りまくる。ちなみにDannie Mayの手振りはロックのそれじゃなく、ヒップホップのあれだ。フロアを埋めたオーディエンスの一体感がすごい。
Dannie May
「三つ子の魂百まで、という言葉がありますが、俺たちもこの3年で基礎ができあがったということです。4年目からもっとDannie Mayを発展させていくために、今日はみんなでお祝いしたいと思います」(Yuno)
オリジナルと歌い分けを変えYunoのジェントルな歌声がたっぷり聴ける「簡単なことが言えなくなるのは」は、あたたかい手拍子と共にどこまでもハッピーに。マサのテクニカルなギターと歌の両立に驚かされる「針よ墜とせぬ、暮夜の息」は、辛口スパイスを効かせてあくまでもトリッキーにダンサブルに。そしてタリラの摩訶不思議なセンスに翻弄される「ナイサイシンシャ」は、ひたすらに幻想的で夢見るように。Dannie Mayの3年間の基礎を余すところなく披露する、カラフルな音と言葉と歌のおかげで、飽きるということがない。
Dannie May
7曲目、「白ノ歌」(ハッカ)と題した曲は、マサが作曲、タリラがアレンジ、Yunoが歌詞を書いたという、ライブ初披露の新曲だ。メジャー感あるポップな曲調に、無機質な機械音のループを組み込んだ、抜群にキャッチーだがその奥に謎を秘めたような、そそる1曲。リリースが楽しみだ。そしてライブは中盤の佳境へと……進むはずが、Yunoの機材にトラブルが起きた。音が出ない。どうするDannie May。すかさずマサが、アコースティックギターを手に歌い出す。待ち構えていたようにタリラがハモる。不安げな空気を一掃し、オーディエンスに笑顔と拍手を思い出させる、見事なリカバリー。そしてミラーボールに灯りを投げて盛り上げた照明スタッフ、まさにグッジョブ。
「♪どうしよう~」と、マサが今のこの状況をそのまま歌詞にした即興ソングの、あまりのかっこよさにオーディエンスが今日イチに沸いている。これもライブ、これがライブ。Yunoの機材が復活し、「一生あなたと生きていくなら」は、マサの呼びかけで、フロアが無数の携帯電話のライトで美しく染まった。これがライブ、これぞライブ。このあと再びYunoの機材がダウンしてしまうが、もう誰も不安な顔はしていない。マサがアコギで「暴食」を歌い、タリラがオーディエンスに「一番遠いところから来た人?」と話しかける。沖縄から来たあなた、とてもラッキー。こんなライブ、たぶん一生に何度もないはずだから。
「こんなこと初めて。やっぱり3歳までっていろいろありますね。まだまだ半端者です、我々は」(Yuno)
Dannie May
ついに復活した機材を前に、満を持してライブは後半へ。フォーキーでハートウォームな「異郷の地に咲かせる花は」から、タリラがソロをとる異形のストレンジファンクチューン「If you イフユー」へ。あまりに妖しく実験的だが、不思議にポップな心地よさを感じる。これもDannie Mayの得意技。そこから一気にギアをトップに入れ、「適切でいたい」、新曲「黄ノ歌」(オウカ)、そして「ええじゃないか」と、Dannie May王道のマイナーメロディアスファンクチューン3連発でクライマックスへ。「ええじゃないか」は、Yunoがタオルをぶん回しながらマサがギターかき鳴らしながら叫び歌う、まさに無礼講祭り。音源でDannie Mayを聴いて、お洒落で知的でかっこいい音楽だなと思った人は、ライブに来てフィジカル的な音圧とグルーヴと歌の強さ、そしてコーラスの迫力にきっと驚くはずだ。
Dannie May
「クアトロに戻ってこれて、めちゃくちゃ幸せです。こんなにあたたかいお客さんがついてくれて、めちゃくちゃ幸せです。以前の俺に打ち勝つために、最後、アコギでやります。みなさんの力を貸してください」(マサ)
クアトロに戻って来た、というその理由は、マサとタリラが学んだ音楽専門学校のオーディションで、かつてここに立ったことがあるから。その時の痛切な挫折体験を語りながら、Dannie Mayの結成を経て、今ここにいる幸せを語るマサに向け、そしてメンバー全員に向け贈られる熱い拍手。ラストチューン「ユウヤケ」の、メランコリーいっぱいの美しいメロディが胸に沁み入る。これからも3人が歌い続ける決意が、言葉にせずとも伝わってくる。
Dannie May
5月25日、シングル「朱ノ歌」(シュカ)リリース。6月22日、新EP『五行』リリース。7月17日心斎橋JANUS、そして22日恵比寿リキッドルーム。アンコールでのうれしい発表に大歓声が湧いた。タリラがリードを取る、ゆったりとグルーヴィーな「メロディが浮かばなくても」、アッパーなファンクチューン「ユートピア」でみんなが踊った。輝くミラーボールの下、共に夢を抱いて進む風景を歌う「御蘇 -Gosu-」で、誰もが幸せに包まれた。
Dannie May
「今日は本当に、助けてくれてありがとう。いっぱい曲書いて、みんなの期待に応えられるように、恩返ししていくので、これからもDannie Mayをよろしくお願いします」(マサ)
“Period!”、つまり一つの“時代”そして“区切り”。3歳の誕生日という区切りの日、新たな決意を胸に、次のピリオドへと進むDannie Mayの次なる目標は、新EPと大阪・東京のワンマンライブだ。トラブルに負けず、ライブパフォーマーとして底力を見せたこの日のライブは、輝く未来への新たな一歩になっただろう。灯れ火よ、交わり合う輝きと、いつの日か皆で。

文=宮本英夫 撮影=小澤彩聖

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