イベント告知時のキービジュアル

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『吉田豪と里咲社長 LIVE版 w/箕輪厚
介さん』感想:ロマン優光連載209

ロマン優光のさよなら、くまさん
連載第209回 『吉田豪と里咲社長 LIVE版 w/箕輪厚介さん』感想 3月28日にロフトプラスワンで開催された『吉田豪と里咲社長 LIVE版 w/箕輪厚介さん』。面白かったと評判のこのトークイベント。当日、別のイベントに出演していたために後日配信アーカイブを見たのですが、噂以上に面白かったです。 サブカル方面では不支持率の高い「意識高い系」の代名詞の一人である幻冬舎の敏腕編集者・箕輪さん。中年以上のサブカル層に支持の厚い吉田豪。しゃちょーこと、無意識過剰な社長アイドル・里咲りさ。そんな異色の組み合わせ(というか吉田豪としゃちょーのイベントにロフト側が箕輪さんをブッキングしていたわけですが)。吉田豪と箕輪さんの対決、里咲りさは意識高い系になることを選択するのか否かが、見る側の興味の焦点であったと思うのですが、おおかたの予想をいい意味で裏切るイベントだったと思います。
 いつも通りに無自覚な天然さと無邪気さとお金大好きぶり(でも、何かズレてる)を見せる里咲りさ。いつも通りに冷静に話を引き出し突っ込みを入れていた吉田豪が露骨に呆れていく様子。「本の売り方」「コンテンツとしての人間の売り方」といった話題に関しては的確な発言して加点がなされるが、無自覚さと無理解とデリカシーのなさを度々発揮しプラマイ0、最終的には酒の飲み過ぎで自分で掘った穴に自分で頭から飛び込んでいくような自滅的(本人はよくわかってないのではないかと感じさせてしまう)なムーブを見せる箕輪厚介。
 「人間」を見るという意味で、いいイベントでした。そして、面白かったからといって箕輪氏の印象は別に良くなったりすることもなく、人によってはよけいに悪くなっただろうというのが凄い点。イベントの性質もあり、内容を詳細に触れることはできないのですが、何となく感想を書いていきたいと思います。
 箕輪さんの無自覚さは本当に凄かったです。自分がどういう立場にあるのか、それを言うことがどういう意味になるのか、それが他人にいかに迷惑をかけてしまうのかということに対して、あまりにも無頓着で、秋山成勲VS青木真也戦後の発言をはじめとする失言・暴言がなんで生まれたのかもわかるような気がしました……。悪気はないんだと思いますが、それがよけいに良くないと思います。あと、全般的にユーモア感覚が独特だなと思いました。
 例え話になりますが「喧嘩に一度勝ちたかったから小学生と喧嘩して勝ちました」という話を嬉しそうにしてくる大人がいたら、普通どう思うでしょう? ドンびきですよね。そんな感じの無邪気さを箕輪さんから感じます。あれが計算の上だったら、ますます意味がわからないし、怖いです。
 編集者・フリーライターの久田将義氏がイベント前に吉田豪と行った配信番組の中で箕輪さんに否定的な発言をしていたという内容のツイートを見た箕輪さん。イベント内で久田さんについて自主的に度々発言。それが洒落にならない悪口と挑発になっていったあげく、現在もTwitterで久田さんを煽るようなツイートをしています。無視はできないけど、ちゃんと反論して言論で戦うようなこともせず、単なる悪口・いじりに逃げ、相手が怒っていると聞いたら、久田さんが暴力を振るいにくるみたいな話にして被害者みたいになってるし、その上で煽ってるし、本当に何がしたいのかわからない。もし、「プロレス」をやっていると思っているとしたら、びっくりですし、本当にそういうの辞めたほうがいいと思います。トラブルしか起きないし。
 サブカル好きだという自認のある箕輪さん。自分がサブカルの人に嫌われる理由が理解できず、意識高い系だから嫌われているみたいに感じてる節があります。確かに一般的にサブカル系の人は意識高い系を苦手とする傾向はありますが、箕輪さんの場合、サブカル系にいた方が、もっとサブカルの人に嫌われている可能性があります。
 今回の配信で、デリカシーがなかったり、知っていてもいいような話を知らなかったり(ターザン山本話とか)、何か解釈が浅かったり、箕輪さんのそんな局面を度々見たわけじゃないですか。そういう人が自分の好きなものを語ったり、はしゃいでるのを見るのって、わりとサブカルの人って嫌いますよね。意識高い系にいて接点があまりないから、サブカル系の人もセクハラ不倫事件とかみたいなことがない限り、あまり意識しないじゃないですか。吉田豪が何かRTしてこない限り。それがサブカルのフィールドに常時いて、目に入る機会が多かったとしたら、反感を招く機会がより多くなるのではないかという気がします。
 里咲さんに対するビジネス絡みのアドバイスは的確で、有能さを感じたのも確か。そこで感じたのは、例えば、西野さんは自分の言ってること、自分の思想を本気で信じていそうなんですけど、箕輪さんは自分の売ってるもの自体の内容の価値は信じてなさそうだなということ。だから、構造に対して冷静に語れるんだろうなと思いました。
 ここで、里咲さんの話に変わります。あの人も無自覚な人なんですが、変に自分の中のクリーンなイメージとか優等生的であることに非常にこだわりがあるというか、それが美学としてある人なんですよね。なんか微妙にズレてるけど。そういう見られたい自分があるから、どんなにうさんくさいお金儲けの話が大好きでも、本格的に向こう側にいかないんだと思います。それも微妙なバランスで成り立っているんだと思いますが。
 ぼったくり物販にしても、あれに騒いで話題にする人は、何というか、あまりお金を落とさない人ではないでしょうか。実際にしゃちょーにぼったくり物販や現場でCD-Rを焼くイベントでお金を沢山落としてきた人は、それをやっている時のしゃちゅーの言動に対してお金を払ってきたと思うんですよね。アイディア自体より、ライブありきというか、しゃちょーの芸に対してお金を落としてきたんだと思うんです。だから、対面イベントが減った今は大変なのではないかと思います。
 しゃちょーのいいところは、ホリエモンやら何やらに影響を受けたところで、独自解釈の結果、いつも何かが間違っていて、何か別のものになってるところです。しゃちょーはいつも何かちょっと勘違いしていて、そのマヌケさが面白いところだし、愛されるところなんだと思います。本人はそんなこと思ってないと思いますが。
 そして、吉田豪の絶妙な距離の取り方と誘導の仕方に「あー、吉田さんらしい吉田さんだなあー」と思っていたら、最後は本気で嫌がってたように見えたので、珍しいと思いました。箕輪さん、吉田豪に対する警戒心と恐怖心もあって酒を飲み過ぎてしまったようなところもあり、何か緊張感に耐えきれなかったんだろうなと感じます。自分も吉田豪と仕事をする時はめちゃくちゃ警戒しつつ、プレッシャーに負けないようにしなければと改めて思いました。
 あと、水道橋博士がnoteの日記でしゃちょーのことを箱崎社長と書いてたので「博士らしいウッカリ感が出ていて、いい博士だな」と思いました。なんか、良かったです。
(隔週金曜連載)

図版:イベント告知時のキービジュアル
※アーカイブは2022/4/11 22時00分まで購入可能 同日23時59分まで視聴可能 事後チケット詳細はロフトプラスワンの2022年3月28日のスケジュール表を参照
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【ロマン優光:プロフィール】
ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。現在は、里咲りさに夢中とのこと。twitter:@punkuboizz
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