夜ドラ「卒業タイムリミット」で主演を務める井上祐貴 (C)NHK

夜ドラ「卒業タイムリミット」で主演を務める井上祐貴 (C)NHK

【インタビュー】NHK 夜ドラ「卒業タ
イムリミット」 主人公の高校生を演
じる井上祐貴「芯の強さ、目の強さを
意識しました」

 4月4日から放送開始となるNHK 夜ドラ(月~木放送)の第1弾作品となる「卒業タイムリミット」。本作は、作家・辻堂ゆめの小説を原作とした青春ミステリーで、卒業式を間近に控えた高校が舞台。生徒に人気がある英語教師の水口里紗子(滝沢カレン)が誘拐され、生徒の1人・黒川良樹を含む共通点のない4人の生徒に、犯人から”挑戦状”が届く。真相を追ううちに、徐々に水口の別の顔、そして集められた生徒たちが抱える問題も明らかになっていき…というストーリーが展開する。主人公の高校生・黒川を演じた井上祐貴に、本作の見どころ、撮影でのエピソードなどを聞いた。
-「卒業タイムリミット」は、NHKの新ドラマ枠「夜ドラ」の第1作目です。そこで主演をするプレッシャーはありましたか。
 もちろんプレッシャーはありました。でも、気持ちを切り替えることができた一番のタイミングはクランクインの日です。台本でしか見たことなかったキャラクターの方たちと、一緒にお芝居をすることによって、現場の雰囲気をちょっとつかめたというか。その日から、プレッシャーよりも『よし、やってやる』というスイッチが入りました。
-第1週の放送分を見ましたが、とても面白かったです。脚本を読んだときの感想を教えてください。
 面白いのはもちろん、とにかくこの先どうなるのかが気になる内容だなと思いました。映像がつながって、そこに音楽が加わり、トントントンとテンポよく進んでいく。その中に大事な要素もたくさん散りばめられていて、あっという間の15分。完成したものを見て 「あっ、面白い、間違いない」と思いました。
-井上さんは現在25歳ですが、高校生役を演じるに当たって、工夫したことは?
 高校を卒業してから6年たちました。意識したことといえば、やっぱり見た目は髪形ですかね。前髪を上げたら年齢が上に見えて、前髪を下ろしたら、実際の年齢よりも少し若く見えるんです。なので、高校生役と聞いたときは、自分の中で前髪は下ろしていきたいな、というのは思いました。
-同じ挑戦状を受け取ったのは、サッカー部でスポーツ万能の荻生田隼平(西山潤)、校内ミスコングランプリの美少女・小松澪(紺野彩夏)、そして黒川の幼なじみで学年一の秀才・高畑あやね(桜田ひより)です。高校生役の皆さんとのコンビネーションは、いかがですか。
 荻生田役の西山潤くんが完全なるムードメーカーなので、僕も井上というより黒川として、いい意味で流れに身を任せている感じがあります(笑)。そこに女の子2人も付いていく感じ。荻生田はちょっとはっちゃけているけど、荻生田も潤くんもキャラクターがすごく似ていてあまり変わらない。そこに誰かが突っ込んで、ちょっと笑いが起きたり、そんな雰囲気の現場です。
-黒川は無口でおとなしめの役ですが、自身と似ている部分は?
 僕は無口でも、静かでもない方だと思うのですが、誰かが何かを言ったときの反応やそれに対しての発言には、黒川に共感できることが多いです。お母さん(仙道敦子)とのシーンでも、高校生って、素直に感謝の気持ちを伝えたり、日常会話をするのが難しい年頃ですが、その感覚は僕も共感できました。また黒川は、的の外れたことを自信満々に言う荻生田に対し、冷静に言葉を返します。井上と西山潤としても、そういうやり取りがあるので、そこは共通部分です(笑)。
-井上さん自身の卒業式の思い出を教えてください。
 卒業式の思い出は、高校も中学も似たようなものなのですが、泣いちゃった…という(笑)。多分そんな泣くような雰囲気でもなかったですし、予行演習でも本番が始まった当日も、いつも通りに過ごしていたのですが、校歌を歌っているときに、なぜか急に涙が出てきてしまって。「ああ、学校生活が楽しかったんだな」と改めて実感した思い出があります。
-女子から「第2ボタンをください」と言われた経験は?
 なかったです(笑)。周りもなかったです。僕が知らないだけかもしれないですけど。もちろん皆で写真を撮ったりはしてはしました。両親が来て一緒に撮ったりとか、そういう思い出はあります。
-黒川は「元不良」という人物設定ですが、1週目ではそのような描写があまり見当たりませんでした。今後、元不良と分かる過去のエピソードが出てくるのでしょうか。
 あります。1週目は、まず事件の重大さを伝えるためにポポポーンとテンポ感のある内容で作られていますが、2週目から、高校生4人だけでなく先生も含めて、キャラクターが徐々に深堀りされていきます。そこに黒川が元不良というのが分かる映像なども出てくるので、期待していてほしいです。
-それぞれが、闇を抱えているような描写もありましたが、「この人、実はこんな人だったの?」と、驚くような展開もあるのでしょうか。
 どうでしょう(笑)? あるかもしれないって思いながら見ていただきたいです。僕も1週目を見たときに、そういう要素が散りばめられているなと感じました。僕はもちろん、今後の展開を知っているので、映像を見ながら「ああ、これがああなるんだ」って、改めてつながる瞬間もあったので、そういう目線でも楽しんでほしいです。
-序盤、黒川は一人で物事を解決しようとするタイプに見えましたが、井上さん自身は困ったことが起こると、自分一人で対処するタイプですか。それとも周りを頼りますか。
 「まず自分でやろう」という思考になっちゃうような気がします。内容にもよると思いますが、絶対に無理なことは一人ではしません。でも基本的にはまずは自分で、何とかできないかっていうふうに考えますね。
-プライベートでの悩みなどは、あまり友人に相談したりはしない?
 そうですね。話しても、結局決めるのは自分だしなあって思うと…。聞く方が多いです。聞くのが好きなんです。人の相談をよく受けるというよりは、たわいもない会話をしていて、気付いたら(自分が)聞いているなあということは多いです。
-監督から演出の上でここを意識してほしいと言われたことはありますか。
 いっぱいあります。常に言われてずっと軸として意識していることは、「命が懸かっている話なので、緊迫感を大切にして」ということ。その緊迫感の中で、一番先頭を切って事件の真相、真犯人に近付こうとする黒川がいる。だから、芯の強さ、目の強さは意識しました。黒川が“ここはやるぞ”って決めているシーンだったら、「今からこいつは絶対に何かをしようとしているんだな」というのが目で伝わるように。とにかく「緊迫感が少しでも緩まないように」ということは最初に言われたので、ずっと意識しながら演じています。
(取材・文・/山中京子)

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