しゅーず「本当に胸がいっぱいです」
 “醒めない夢”を生み出した、約2
年半ぶりの有観客ワンマンをレポート

Shoose Oneman Live 2022 -Fiore-

2022.3.26 Zepp DiverCity(TOKYO)
最高の歌に彩られた美しき夜の中で、しゅーずという歌い手はその空間の中に〈醒めない夢〉を生み出していったのだった。
2019年10月にZepp Tokyoにて開催された活動10周年ワンマン『Shoose 10th Anniversary Live -DEEPEST-』以降、配信ライブ以外のリアルなライブの場とは少し距離を置いていたしゅーずが、このたび約2年半の時を経ての有観客公演『Shoose Oneman Live 2022 -Fiore-』を開催した。このタイトルに冠されたFioreとは仏語で“最高の人”の意を持つ言葉だという。つまり、これは長きにわたるコロナ禍においてずっとしゅーずの“生歌”を待ち続けてくれていた人々の存在を指す言葉として、しゅーずがファンへの想いを捧げたタイトルであったに違いない。
しゅーず
「みなさん、ようこそお越しくださいました。『Shoose Oneman Live 2022 -Fiore-』へ。それにしても……壮観ですね。このステージに立った瞬間、つい胸がギュッ!となっちゃいました(笑)。本当に皆様のお顔をこうして見ることが出来て大変嬉しゅうございます。ありがたいことに、このコロナ禍のご時世にあって今日のチケットはソールドアウトになっているということで。わたしが皆様の前で歌うというのは約2年半ぶりですから、皆さんも長らく待たれたと思います。(中略)こうした中でもライブをさせていただけるということに、心から感謝しております」
まずは現状での最新アルバム『Velvet Night』収録曲にして珠玉のシティポップチューン「EXPLORER」を伸びのあるボーカリゼイションで場内に響かせ、てにをは作曲のボカロチューン「ヴィラン」では複雑な心理描写を歌声で表現し、小気味良いリズムと共にドラマが描き出されてゆく「イルミネート」では“私”という一人称で物憂げな歌を聴かせるなど、幕開け早々から地に足の着いたパフォーマンスでオーディエンスを魅了してくれていたしゅーず。しかし、どうやらこのライブでのMCによると本人は内心ではかなりの緊張を感じつつ、同時に感慨深さにも浸っていたらしい。
しゅーず
ちなみに、今回のライブでは「アネモネ」と「Little Rain」の2曲がこのステージで初披露となっていたほか、ロックテイストの強い亜沙作曲の「背徳シュガー」はファンからの強い要望に応えるかたちで久々にライブで歌われることに。また、本編後半に入ってからは「[A]ddiction(Fiore ver.)」などでダンサーチーム・ATYを交えての“歌って踊る”ダイナミックなパフォーマンスも続々と披露してくれたことを考えると、演者であるしゅーずとしては2年以上のブランク明けで、いきなりこれだけのワンマンに臨んだということは、心身の両面で相当なスタミナを必要としていたはずだ。
そんな奮闘するしゅーずに加勢するべく、本編の佳境へと入ったタイミングではなんとシークレットゲストとしてXYZチームの盟友・un:cが登場。BL風味たっぷりなカラみを見せつけながらの「ストロウ」や、2人揃ってのダンスステップまでキメてくれた「Booo!」でさらに場内はおおいに沸き立つことになった。
しゅーず、un:c
その後、今年1月にはシングル化もしたGARNiDELiAのtokuによる楽曲「Night Wander」では自らの書いた詞をドラマティックに歌いあげ、EDM要素の強い「狂喜乱舞」ではオーディエンスがタイトル通りの盛り上がりを見せつつ、作詞曲ともにしゅーず自身が手掛けたビタースウィートな「VELVET NIGHT」で本編を一旦は締めくくったものの、2年半ぶりのライブはまだまだこれだけで終わるわけがない。
アンコールでの恒例となっている椎名林檎のカバーとして「NIPPON」が選ばれていたのも秀逸な選曲だったのは言うまでもないが、ここぞとばかりに再び歌とダンスで魅了してくれた「キャットアイメイク(Arrange ver.)」、さらには彼の凛々しく力強い歌とファンによる手旗のフリによって一体感のある素晴らしい場面が創出された「マンティス▽クライシス」をもって、ようやく素晴らしき大団円をみるに至ったことは言うまでもない。しっとりとした切ない曲から、ド派手にハジケる曲まで何でもござれなしゅーずの生歌とステージングは、結果的に2年半の時を経てよりブラッシュアップされていたと確信する。(ちなみに、このライブの模様は5月14日20時より配信されることが予定されているそうで、当日はしゅーず本人も「リアタイでコメ欄に出現しちゃおうかな」とMCで予告していたことをここに付記しておきたい)
「……本当に胸がいっぱいです。またの機会がありますことを祈っております。みなさん、ありがとうございました!!」
しゅーず
今宵のライブでも歌われた「Night Wander」の歌詞にある〈彷徨いながら 醒めない夢を〉という1節のように。2年半の時を経てしゅーずが紡ぎ出していった歌たちは、ことごとく観衆たちを〈ずっとこのまま 夢を見て〉いたいという気持ちにさせたものと思われる。最高の歌に彩られた美しき夜の中で、しゅーずという歌い手はまさにこの空間の中に〈醒めない夢〉を生み出したのだ。

文=杉江由紀 撮影=堀卓朗(ELENORE)

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