【レポート】世界を制したダンサー「
Miyu」がジャズクラブで初のソロ公演
を成功!

(ダンスク!より転載)
LEADING ACTORS -Dance Experiment-
Miyu Live Showcase “ON to ON”
music directed by Jun Miyakawa
2022年4月9日(土)〜4月10日(日)

丸の内COTTON CLUB
ダンサーのソロ公演。

コンテンポラリー系のダンス公演ではなく、ストリートダンス出身のソロ公演と言うと、菅原小春以来ではないだろうか。
この日の主役であるMiyuは、ストリートダンスが習い事として定着し、中学校でダンスが義務化となった2010年代=ダンス黄金世代の申し子とも言える存在だ。
キッズ時代から全国トップのチームで腕を磨き、テレビやイベント、各種メディアで活躍。

やがてハウスダンスに活路を見出すと、ダンスバトルでは上位常連のダンサーとなり、2017年には師匠とのタッグで世界大会「Juste Debout」にて優勝の快挙!

当時19歳の若さと恵まれた美貌に加え、スタイリッシュなステップと表現力は、これまでのストリートダンサーのイメージを大きく刷新するものだった。
その後、モデルやタレントなどにも活動の幅を広げるが、元々は器用にいろんなものをこなすというより、1つのことにひたむきにストイック打ち込む、アスリートタイプのダンサーだ。
「音をダンスで表現すること」
Miyuの表現の柱を作り、今なお彼女を突き動かし続けるこの普遍的なテーマ。

ダンスを突き詰めていった先にあったのが、この日のミュージシャンとのコラボであり、新たな世界との接点であるジャズクラブのステージであった。
音と恩に彩られたステージ
会場はジャズの名門丸の内コットンクラブ。

このラグジュアリーな雰囲気が似合う若手ダンサーもなかなかいないだろう。
バンドメンバーと一緒に板につくと、いきなりドラムに合わせたダンスの即興が始まる。

彼女の特徴であるよく伸びた背筋と目線の強さが、ステージの中心をスッと示している。彼女の生来の華かさはジャズクラブでもキラリと映える。
続いてファンキーなバンドアンサンブルに乗せて、さまざまなダンススタイルが披露される。生音にMiyuのステップと笑顔が軽やかに反応する。さすが、バトルで鍛えてきただけあり即興は彼女の真骨頂だ。動きの幅と表現の多彩さと共に、この日のライヴを誰よりも楽しもうという、彼女の覚悟とも言える姿勢が見えてくる。
「この日の公演のタイトルは、音楽のON(音)と感謝の気持ちを表したON(恩)で、ON to ONなんです」
笑顔にうっすらと汗を浮かべながらそう話したあとは、ミュージックディレクター宮川純の鍵盤メロディと語り合うようなダンスが続く。

もちろん彼女自身は、歌うわけでも言葉を紡ぎ出すわけでもないのだが、ダンスのシルエットは流麗にメロディを奏で、表情には言葉にならないエモーションが映し出されてゆく。
バンド演奏のインタールードの後は、ゲストシンガーkiki vivi lilyが登場し、バンド+ダンス+歌という新たなトライアングルがステージに浮かび上がる。
歌に対するダンスと言うと、バックダンサー的な見え方が想像できるが、Miyuの場合は歌と対等、あるいは前に出るフロントダンサーといった存在感だ。
同世代の女性同士のコンビネーションの良さがステージの温度を上げると、Miyuの師匠であるストリートダンス界のレジェンドHIROがサポートに駆けつける。
師匠と踊れる安心感、育ててもらった感謝の気持ち、2人だからこそ高め合えるステップの妙がステージの雰囲気を一変させる。さすが、世界を制したダンサー達が醸し出す空気感は、ジャズミュージシャンたちの即興とも堂々と張り合えるものだ。
終盤には、会場に駆けつけた仲間のダンサーたちが次々と即興に絡む。この辺も、彼女の人徳というか「恩」があってこその、エンディングの素敵なシェアだ。
「これまで一人で踊ることは避けてきたんです」
ソロ公演の最後のMCで語られた、彼女が抱えていた意外な苦悩。

順風満帆に見えるキャリアでも、彼女は人知れず負けを味わい、悔し涙に暮れ、一人で踊ることになかなか自信が持てなかったのだという。

だからこその今回の挑戦。
「自分は才能はないんです。あるとしたら、目標に向かって努力していける才能だと思っています」
自分の可能性と限界を広げるため、不器用ながらも実直に前に進んでいくチカラ。

彼女はそうやってこの日のソロ公演にたどり着き、これからもそうやって着実に歩みを進めていくのだろう。
音と恩、たくさんの想いを胸に。
レポート:石原ヒサヨシ(ダンスク!)
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