ももすももすの『きゅうりか、猫か。』

ももすももすの『きゅうりか、猫か。』

ももすももすの
『きゅうりか、猫か。』
- #5 若松英輔/悲しみの秘義 -

シンガーソングライターの“ももすももす”が、音楽・アート・映画・書籍など、毎月好きな芸術作品を紹介する連載コラム。

こんにちは、ももすももすです。

みなさんお元気ですか?
私はあいも変わらずあんまり元気ではありませんが、
なんとか生きています。

春の嵐で遠くで雷が鳴ったり、
気候の変化と時間の流れを感じながら、
得体の知れない大きな渦に巻き込まれて生活していることを、
実感している次第であります。

それはそうとたまには早めに本題に入ってみましょう。
いや、まだ入りたくない…。

この間まだ春なのに蝉が鳴いていました。
蝉も土の中で大きな孤独を感じたりするのでしょうか。
しかし、蝉のディテールはあまり得意なものではありません。
同じジャンルで言うと、切り開いた鰻のディテールも苦手だったりします。
人間のために美味しく調理されているのに、
こんなことを言われて散々ですね。

この場を借りて鰻に謝ります。

ごめんなさい。

さて、今日紹介するのは若松英輔さんの「悲しみの秘義」です。
この本は、宮沢賢治、リルケ、プラトンなどの名著に記された言葉を、
作者自ら掘り下げて、26章にわたり、
人間の抱える深い悲しみについて、非常に繊細に綴られた一冊です。

私はこの中でも18 孤独を掴むという章に心を惹かれました。
この中で紹介された画家の岸田劉生の孤独について書かれた文章のうち、
「しかし、自分はこの自分の孤独を感ずる事の他に、自分の生存を感ずる事の出来ないものである。そうして、自分の生存といしに脅威と祝福とを感ずるのである。人間は孤独を掴んでからでなければ真の生活を創め得ないことを自分は真に感ずるのである。」
という一節には強く胸を打たれました。

人生と孤独は切っても切り離せないもので、孤独を通じて他者と出会うものであるという意思を感じます。

たとえ横に猫がいても大きな悲しみと孤独は常に私に被さっているけれど、それは当然のことでその中に答えがあるのかも知れません。

でも正直なところ、もうどうしたらいいのか分からないのです。自分が大きな化け物になってしまいそうだし、言葉が話せなくなってしまうかもしれないし、何を読んだら救われるのか迷子になってしまったのです。

そんな今日は今から悲しみと孤独についてもう一度考えてみようと思います。

それではまたね。
ももすももす プロフィール

ももすももす:常々渦巻く思考を独自の詩的な表現で紡ぐシンガーソングライター。学生時代に組んだバンドでも作詞作曲を手掛け、2018年からソロ活動を開始。同年にデモ音源「うさぎの耳」を配信リリースし、19年2月にはシングル「木馬」でメジャーデビュー。20年3月には1stアルバム『彗星吟遊』を発表した。ももすももす オフィシャルHP

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OKMusic編集部

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