THE BEAT GARDEN 忘れられない恋を
女性目線で振り返る新曲「それなのに
ねぇなんで?」に綴った“らしさ”と
“新しさ”

冬のような寂しさや悲しみを乗り越えて、新しい季節へと飛び込んでゆく、すべての人に贈るリアル・ロストラブソング。THE BEAT GARDENのニューシングル「それなのにねぇなんで?」は、様々な別れと出会いが交錯する春のシーズンを舞台に、忘れられない恋を女性目線で振り返る、THE BEAT GARDENの“らしさ”と“新しさ”が交差する注目の1曲だ。結成10年、新体制による初めてのツアーと、活発な活動を続ける彼らもまた、新たな変化の季節をたくましく生きている。THE BEAT GARDENはいつも、あなたの心に寄り添う曲を作り続けている。
――プロフィールを見ると、今年でちょうど10年になるんですね。この3人が出会ってグループを結成してから。
MASATO:え、10年? そうか。
REI:すごいですね。
――気づいてなかった(笑)。ということは、特に意識していなかったということ?
U:そんなに意識していなかったです。今までも“何年経ったね”とかあんまり思わなかったし、友達のままここまで来ちゃった感じ。
MASATO:ずっと26歳ぐらいの感じが続いてますね。
U:永遠の26歳(笑)。でも本当にそんな感覚なんですよ。デビューしてからは、時が止まっている感じがする。違う時空にいる感じ、するよね。
MASATO:しますね。で、最近おはぎがちょっと好きになってきて、“あれ、年取ってきたかな?”って気づきますよね。
――あはは。そこでなぜ、おはぎ。
U:俺は大葉だな(笑)。あの苦い味がわかるようになって、“なるほどねー”と思う。逆に、“チョコレートがキツくなってきたな”とかね。
MASATO:REIなんか、最近、干しいも食べてますからね。
REI:ヤバイですね(笑)。
――何の話だっけ(笑)。そうそう、結成10年の話。
U:年を取ると、食の変化はあると思います(笑)。でもそれ以外に“10周年だ”とか、あんまり思わないです。精神的にも、そんなに変わらない気がするし、だから、ここからなんですよ、グループとしては。
MASATO:間違いない。
U:まだまだ、ここからです。酸いも甘いも経て、本当に等身大になってきた気がします。今、すごくいい感じです。
――頼もしい。しかも、ちゃんと評価もついてきてるじゃないですか。セールスのチャートも、ライブの動員も、動画のアクセス数も。進んできている方向は間違っていないということだと思います。
U:自分たちでも、そう思います。最初は“エレクトリックダンスロック”という、自由に踊らせる音楽から始まって、ファンの人たちという存在に出会って、“言いたいことがけっこうあるかも”と思うようになって。そこからラブソングを書くようになって、まだBeemer(ビーマー=THE BEAT GARDENファンの呼称)ではない人たちにも聴いてもらえるようになって、より広い視野を意識するようになって。今はまっすぐに、初めて聴いてくれる人に届けたい思いも込めながら、もともとのファンの人たちにも「もっと大きくなったほうがいいよ」と言ってもらえるような、すごくいいマインドで活動できている感じはすごくあります。それはTHE BEAT GARDENのチーム内でも、SNSの反応を見ても感じますね。だから、ここからです。
――素晴らしい。いいこと言ってます。
U:今、すごく楽しいんですよ。ルームシェアをするようになってから、特に。
――それは、前回のインタビューで言っていた、メンバーが作業するための部屋を借りたということ?
U:そうです。ほぼゲーム部屋ですけどね(笑)。
――あら(笑)。駄目じゃないですか。
U:今は、ほぼ毎日一緒にいるんですよ。この前、久しぶりに対バンイベントに出て。僕らが昔からお世話になっている『SHIBUYA SWISH』というイベントに、3年ぶりに出たんですけど、全然違和感がなかったんですね。3年前は、何日ぶりかに会って、“THE BEAT GARDENになる”という4人のスイッチを入れて、“ステージでライブをする”というスイッチを入れて、スイッチが2個あったんですけど、今は一個でよくなったんです。“このままステージに行こう”みたいな感じで、楽屋の空気もすごく自然だし、DJのKowta2も含めて、4人でいることの緊張もまったくないので、一緒にいる時間が長いことは大事なのかな?と思います。だから、やっぱりゲームですね。
――あはは。そこに戻る。
U:二人は嫌がるんですけどね。普通は「あと一回やろう」だけど、僕が「あと5回やろう」とか言うから(笑)。しかも、いつもやってる『スマッシュブラザーズ』は、けっこう時間がかかるんだよね。一戦で15分ぐらいかな。それを5回やると、1時間以上かかるんで。でも楽しいです。ちなみに『スマブラ』は、僕が一番強いです。
THE BEAT GARDEN/REI
やっぱり一緒にいる時間は大事だなとあらためて思いました。曲作りもライブも、良い方向に変わってきている感覚があります。
――えーと、話を戻して(笑)。真面目な話、そうやって一緒にいる機会が増えたことで、グループ内の関係性がより深まっている実感はありますか。REIさん。
REI:そうですね。ルームシェアをする前と後では、グループの雰囲気も全然違うなと思いますし、やっぱり一緒にいる時間って、ゲームもそうですけど、何かを共有することは大事だなとあらためて思いました。たぶん、会わなくなることは簡単だと思うんですよ。でもこうやって普通に会えている状況を作れたことで、曲作りにおいても、ライブにおいても、良い方向に変わってきているのかなという感覚があります。
――いい流れですね。そうして出来上がったのが、2022年の最初の新曲「それなのにねぇなんで?」。女性目線の、リアルなロストラブソングになってます。
U:女性目線になって、“好きな人を忘れられない時って、どうするんだろう?”ということを考えた時に、普通に書いていくなら、楽しい思い出がたくさんあるから忘れられない、ということだと思うんですけど、逆に、嫌なことを思い出すほうが、“本当に好きだったんだな”ということが伝わるのかな?と思ったので。今回は、そういうふうに書いていきましたね。
――リリースが4月という、季節感も考えて?
U:そうですね。まず“春のラブソング”というテーマを決めて、春は出会いや別れの季節なので、それに沿って考えていきました。以前に「遠距離恋愛」という曲をリリースさせてもらった時に、THE BEAT GARDENを初めて知ってくれた人たちが、YouTubeやTikTokのコメント欄に自分の赤裸々な思い出を書き込んでくれて、Beemer以外にも曲に寄り添ってくれる人たちはたくさんいるんだなと思ったので。その人たちの人生の一部になれる感覚が本当にうれしくて、シンプルに曲に救われたというか、気持ちが楽になる瞬間があったんだろうなという気持ちがあって。それで今回、“春のラブソング”なので、ハッピーな曲よりは、気持ちに寄り添えるような曲がいいなと思って、こういう曲になりました。
――作曲のクレジットが「THE BEAT GARDEN」になっているのは、かなり珍しいパターンですね。
MASATO:3年ぶりらしいです。『メッセージ』(2019年3月発売アルバム)に入っている「One」以来。
U:もともとは、REIが持ってきたバラードだったんですよ。
REI:自分の中では、春のせつない別れみたいなものを表現したいなと思いつつ、たぶんほかのアーティストさんも春の曲をたくさん作られるから、差別化したいなという気持ちもあって、最初はバラード調のものを作ってみたんですよ。それは、メロディはいいと言ってもらえたんですけど、ちょっと重すぎるということで、“じゃあここからブラッシュアップしていこう”ということになりました。
U:“もっとBPMを上げた四つ打ちバージョンを作ってもらっていい?”って、REIにお願いして、それをMASATOに渡して、メロディの細かいところを詰めていった感じです。
――まさに全員のリレー作業。
U:そうです。楽しかったよね?
MASATO:楽しかったです。
U:それぞれの持っているメロディのクセとかもわかってきているから。自分が得意なもの、苦手なものもわかるから、任せられるようになったんですよ。苦手なものを頑張るぐらいなら、得意な部分を伸ばしていこうと。
――いいこと言いました。
U:本当にそんな感じです。今、余計な力が入らずに曲作りができていますね。どんどん、そうなってきたよね?
MASATO:なってきましたね。テーマによって、“それは僕じゃないと思う”というものあるんですけど、前はそこで頑張っちゃっていたのが、“ここはお願いします”と言えるようになりました。それぞれの良いクセもお互いにわかっているので、“こういう曲はUさんが作ったほうがいい”“REIが作ったほうがいい”というものが、ある程度見えてきました。
THE BEAT GARDEN/U
この曲を書いている時は、苦しかったです。(主人公の)女の子がかわいそうで、“この子に前を向かせてあげなきゃいけない”という感じでした。
――そして、リリック担当はUくん。まず、歌詞を女性目線にした理由は?
U:最初は男性目線で書いていたんですけど、部屋の中に見えるものや、その時の感情について考えているうちに……僕は自分が男だから、自分の部屋も男のものばかりだし、浮かぶ景色が男性のもののほうが想像しやすいんですね。そういう意味で、女性目線で書くことは、歌詞を書く人としてしっくりくるところがあるんです。
――なるほど。言われてみれば。
U:それから、今回は“好きな人を忘れたくても忘れられない時に、嫌なことを思い出す”というテーマがあったので、自分が今まで相手にしてあげられなかったこととか、いろいろ思い出しながら、それを女性目線に置き換えて書いていった感じです。でも、わりと、服は畳むほうなんですけど。
――あはは。《畳まない服も言い訳も重ねるのが得意で》のところね。これは自分ではないと。
U:そうです(笑)。
――ここ、うまいこと表現してますね。“重ねる”の使い方。
U:ありがとうございます。今の時代って、TikTokやSNSを見ていても、自分の感情をストレートに描くものが多いじゃないですか。それはすごく大事なことだと思うんですけど、僕は、ちょっとわかりづらい言い回しや、言葉遊びも好きなので。《畳まない服も言い訳も重ねるのが得意で》みたいな表現は、THE BEAT GARDENらしさにもつながっていると思います。
――間違いないですね。
U:でもこの曲を書いている時は、苦しかったです。(主人公の)女の子がかわいそうで、“この子に前を向かせてあげなきゃいけない”という感じでした。たぶん、相手の男性も、嫌な人ではなかったと思うんですよ。嫌な人で、いっそ浮気でもしてくれたら忘れられたかもしれないのに、今は必死になって彼の嫌なところを思い浮かべているということは、そういうことだと思うんですね。それがすごくかわいそうで、歌う時もそんな気持ちになって、“この子の思いが報われてほしい”と思います。たぶん、もう一度前を向く時には、“忘れられない”ことを認めてからじゃないと、進めないと思うんですよ。
――うん。そうかもしれない。
U:そうなるまでは、誰と出会っても、元カレの記憶は消えないと思うので。だから最後に《まだ好きだってこと》をはっきりと言わないでおきたかったんですけど、サビの終わりでちゃんと言わせてあげたほうがいいなと思って、そういう言葉にしました。“つらいけど、認めたほうが次に行けるよ”というふうに、その子のことをずっと考えていたので、苦しかったですね。
――そんなにまでして、感情移入を。
U:しかも、苦しさが2倍なんですよ。男としては、“服はちゃんと畳んでよ”とか、“LINEの既読がつかない”とか、言われるのは嫌じゃないですか。そういう、自分が言われたら嫌だなと思う気持ちと、女の子のつらい気持ちが両方あったので。つらかった……。
MASATO:今回、めっちゃ書き直してましたよね。
U:20、30回は直したと思う。地獄でした(笑)。
MASATO:でも、ストーリーは最初から一貫していたし、前ほどつらい感じはなかった気がします。表現したいことはあるけど、どういう言葉にすればいいのかを、ずっと考えている気がしました。僕も言葉にすることはできないですけど、“でも気持ちはわかります”とか言ってました。
REI:歌詞に関しては、僕も共感することぐらいしかできないんですけど。今回、Uさんが何十回も書き直している中で、“ここをもっとこうしたら”と思うこともあって、自分なりに調べて、“こういう言葉はどうですか?”とか、言ってみたりはしました。
U:短歌とかね。
REI:そうですね。直接それを使うとかではなくて、何かUさんのヒントになればいいなという気持ちで、送ってみたりしました。協力できているかどうかはわからないですけど。
U:できてますよ。ありがたいです。
REI:それで、上がって来る歌詞がいつも素晴らしいから。それはメンバーとして、いつも思います。
U:あざーっす! うれしいです。
THE BEAT GARDEN/MASATO
初めて地元(滋賀)でワンマンができることがすごく楽しみ。8月1日が結成記念日なので、いい10周年を迎えるステップになるツアーにしたいです。
――Uくんの、細かい観察力や描写力が、よく出た歌詞だと思いますよ。《切り過ぎた髪も変わる爪も褒めてくれていた》とか、すごくリアル。
U:僕、褒めれないんですよ、気づいても。恥ずかしくて。だから書いたんです(笑)。爪を褒めるのって、恥ずかしくないですか? あ、でもMASATOは褒めるよね。
MASATO:見るようにはしていますね。それは、握手会とかで教えてもらっている気がします。“変化に気づいてあげないと”ということは、昔よりも強くなったと思います。
――ああー。メンバーに見せるために、ネイルをきれいにしてきてくれる人がいたり。
U:メンバーの名前を入れてくれたりして。それは“きれいだね”って言えるんですけど、普段は言えないんですよ(笑)。でもこの曲の“彼”は、きっとそういうことができていた、素敵な人だったんだろうなと思います。
――この女性は、今、次の恋や次の生活へ向かう、踊り場にいる感じですかね。
U:そうですね。今はコロナが少しずつ明けてくるタイミングですけど、少し前までの自粛期間は、恋人同士もそれまでよりも一緒にいる時間が多かったというか、連絡を取る頻度も高かったと思うんですよ。でも、だんだん外に行けるようになってくると、それぞれの出会いが増えるぶん、会えない時間が増えたり、思ってもいなかった別れが訪れたりするかもしれない。解決できない思いが、この時期に増えてくるかな? と思ったので、この曲のように、しっかり前を向いた失恋ソングではないし、今でも会いたくて会いたくて、という歌でもなくて、一番苦しい時期の恋心みたいなものを感じている人が多くなるのかな? という気持ちが、自分の中にあったんですね。だから、本当にタイムリーな曲だと思います。これから上京する人とか、新しい環境になるとか、そういう中でもしも寂しい思いをしている人がいたら、この歌を聴いてもらって、ちょっとでも楽になってくれたらすごくうれしいです。“そういう人、ほかにもいるよ”と思ってくれたら。
――ライブで聴けるのを楽しみにしています。セトリの、どのへんの位置に入って来るでしょうね。曲調としてはリズミックでノリやすいけど、感情的にはすごくせつないから。中盤で、雰囲気を変えるポジションとかですかね。
U:そうかもしれない。バラードのあととか。
REI:アカペラで、MASATOさんの頭サビ始まりなので。ライブでやると、ハッとする瞬間になると思うんですよ。そういう瞬間が作れたらいいなと思います。
U:今までは、自分が頭サビを歌うことが多かったので。また、いい流れができそうです。
MASATO:新しいことができそうですよね。
――『THE BEAT GARDEN one man live 「in your tour 2022」』は、5月14日の横浜からキックオフ。7月まで全国を回る、過去最大規模のツアーです。
U:今までワンマンで行けていなかった場所にもたくさん行けるので。ヤバいですね。超うれしいです。
MASATO:めっちゃ楽しいでしょうね。
――ツアーのテーマは?
U:シングルのリリースツアーというよりは、新体制での初めてのツアーということもありますし、コロナ禍でずっと待ってくれていたファンの方に、こちらから会いに行くとずっと言っていたので。みんなの地元に行ける機会を増やせて、過去最大規模でできることが一番うれしいです。コロナ禍で出会ってくれた、新しい方たちもたくさんいるので、そういう方たちの近くに行けるのが楽しみです。
REI:新しい方たちも、ずっと応援してくれていたBeemerの方たちも、みんなのところへ自分たちから行けることが、すごく大きいと思っています。Kowta2を含めた新体制のツアーでもあるので、いい意味で新しい自分たちを表現しつつ、今までのやり方からも離れずに、いい距離感のライブができたらいいなと思います。
MASATO:僕は、初めて地元(滋賀)でワンマンライブができることがすごく楽しみです。上京する前に、“必ずライブをしに帰って来るから”って、友達に言っていたので、それが叶ううれしさと、地元のラジオもやらせてもらっているので、そこにも貢献できることと。そういう個人的な楽しみもあるんですけど、さっき教えていただいた10周年のこともあるので……。
U:“教えていただいた10周年”って。めっちゃおもろい(笑)。
――僕が発見したわけではないです(笑)。
MASATO:8月1日が結成記念日なので、いい10周年を迎えるステップになるツアーにしたいです。いつも、すごくあたたかい気持ちで待っていてくれるBeemerがいて、去年の配信ライブとかでも、“また会おうね”って毎回約束をしてきたので。それを信じて待ってくれていた人たちに、待ってて良かったと思ってほしいし、また会う約束をするツアーにしたいなと思います。
取材・文=宮本英夫 撮影=森好弘

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