​金属恵比須・高木大地の<青少年の
ためのプログレ入門>第29回 ダミア
ン浜田陛下のプログレ入門!〜D.H.C
.ライヴを語る〜

金属恵比須・高木大地の<青少年のためのプログレ入門>

​第29回 ダミアン浜田陛下のプログレ入門!〜D.H.C.ライヴを語る〜
「青少年のためのプログレ入門」にとうとうダミアン浜田陛下、降臨。
ジャパニーズ・ヘヴィ・メタル界において唯一無二の存在感を放つ聖飢魔IIの創始者である。「蠟人形の館」など数々の名曲を生み出し、今はDamian Hamada’ s Creatures(以下D.H.C.)を率いておられる地獄の大魔王である。
D.H.C.結成の際、金属恵比須は“改臟”され、筆者も大地“ラスプーチン”髙木として合流した。陛下に謁見をした時、初めてお話した内容が特撮映画についてだった。聖飢魔IIのミサにおけるオープニングSEが『ゴジラ』シリーズの名作「三大怪獣・地球最大の決戦 メインタイトル」という選択などから推測するに、特撮ファンであろうというのは容易に想像できた。次いで話題にあがったのがプログレの話。これは意外だった。とめどもなく溢れるプログレ愛を感じ、金属恵比須が陛下と出会うのは必然であると感じた。
だが、雑談だけではもったいない。むしろ後世に残していかねばならない。そのような勝手な使命感を覚え、プログレ啓蒙のために対談することとなった。
さらに、2022年4月30日に行なわれた金属恵比須のライヴや、D.H.C.初ライヴのこと、さらには7月に控える東名阪ツアーに関してお聞きした。
Damian Hamada’s Creatures ダミアン浜田陛下 (撮影:山田晋也)

■陛下リスペクト! 金属恵比須新曲「魔少女A」
高木大地(以下:高木) 金属恵比須「猟奇爛漫FEST Vol.4」をオンラインでご視聴いただきありがとうございました。
ダミアン浜田陛下(以下:陛下) うむ、本来なら会場に出向きたかったのだが所用で行くことができなかった。しかし、人間界には背信、じゃなくて配信という便利なものがあるので助かった。「猟奇爛漫FEST Vol.4」、存分に楽しませてもらったぞ。
高木 ありがとうございます。どのように感じられましたか?
陛下 「観客の年齢層が異常に高いっ!」と思ったな(笑)。これは褒め言葉だぞ。ロックをひと通り、いや2周3周と聴いてきた、あるいは観てきた手練れのロックファンを虜にしているのだから、これは誇るべきことであろう。素晴らしいな!
高木 印象的だった曲は?
陛下 もちろん「魔少女降臨」だあ!
高木 それ、 D.H.C.の曲名と混ざってますね……。
陛下 まあ、そういう説もあるな。
高木 (キッパリ)「魔少女A」です。
【動画】2022年4月30日「猟奇爛漫FEST Vol.4」で初披露「魔少女A」

陛下 聖飢魔IIへのオマージュてんこ盛りの「魔少女A」が私としては一番面白かった。存分に楽しませてもらったぞ。しかし、あれを1日で作るとはそなたの才能は素晴らしいな!
高木 ありがとうございます。D.H.C.のアルバムを3枚制作していると作曲法がやはり身に付きますね(笑)。陛下に怒られることを覚悟で作った曲でしたのでホッとしました。メンバーもデモ・テープを聴いた瞬間、「これはヤバいのでは?」と本気で恐れていた者も(笑)。ちなみに最初の仮タイトルは「われら改臟人間」でした(笑)。
陛下 ライヴは新曲+金属恵比須スーパー・ベスト・セレクションといった感じでどの曲も良かったぞ。ところで、途中オルガンが壊れたにもかかわらず、数曲後、勝手に直っていたのはなぜなのだ? やはりゼウスの妨害だったのかね?
高木 ゼウスがライヴ・ハウスの電圧を下げたみたいです(笑)。オルガンが直ったのは、ひとえにお客様のおかげでした。戦隊ヒーローショーのように皆さんで「がんばれがんばれハモンド!」と声をかけたら突如直ったのでした。
陛下 なるほど! ドラゴンボールの元気玉みたいなものだな。
高木 戦隊ヒーローといえば、『秘密戦隊ゴレンジャー』から『大戦隊ゴーグルファイブ』そして、2021年の『機界戦隊ゼンカイジャー』の音楽担当をされた渡辺宙明先生が作曲指導をしてくださった「星空に消えた少年」もライヴで演奏しました。
陛下 うむ! 私の世代では『マジンガーZ』や『野球狂の詩』だな。渡辺宙明氏は日本最高齢の現役作曲家だからな。見習いたいと思っておる。
高木 約10万歳年上なのに(笑)。
Damian Hamada’s Creatures (撮影:山田晋也)

■問題ワードが共通点? 陛下オススメのプログレ(1)
高木 陛下の信者、そして聖飢魔II信者にもプログレの世界を知っていただきたいと思い、陛下におすすめのプログレ名盤について語っていただきたいと思っています。
陛下 なるほど。
高木 プログレ・ファンかつ金属恵比須のファンの方々に対して「観客の年齢層が異常に高いっ!」とおっしゃられていましたが、陛下も10万歳を引けば大体同世代になるかと思います(笑)。10万歳を引いたリアルタイム世代として信者の皆さんにもプログレの魅力を教えていただければと思います。ズバリ、最初に聴くべきものはなんでしょうか?
陛下 たとえばハード・ロック/ヘヴィ・メタルが好きな者には、何といってもキング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』がオススメだな。そなたたちも影響受けまくりであろう?
高木 受けまくりです(笑)。オススメの曲は?
陛下 ハード・ロック/ヘヴィ・メタル・ファンならば1曲目の「21世紀のスキッツォイド・マン」に間違いなく痺れるだろう。
高木 たしかにイントロのギター・リフはハードで、一度聴いたら忘れられないインパクトがあります。
陛下 ちなみに発売当初と現在では邦題が変わっている。時代が移り変わり“問題”となる言葉があったためだ。実は聖飢魔IIの曲にも「JACK THE RIPPER」という曲があるのだが、最初「衝動殺人者」というタイトルだった。同じく表現に“問題あり”とされ、タイトルを変えた点においても私としては共感できる曲なのである。
Damian Hamada’s Creatures (撮影:山田晋也)

■クラシック・ファンにはこれ! 陛下オススメのプログレ(2)
高木 クラシック・ファンへのオススメは?
陛下 ルネッサンス『お伽噺』だな。このアルバムはプログレッシヴ・ロックとクラシックの融合の到達点のひとつだと私は思っておる。話が変わるが、私は最初、金属恵比須を聴いた時にローズ(人間名 稲益宏美)の歌声がルネッサンスのヴォーカリストであるアニー・ハズラムの声にどことなく似ているなあと思ったのだ。それを本人に告げたところ、「実はスターレス髙嶋(髙嶋政宏)さんにも同じことを言われました。」と返ってきたので、私だけではないようだぞ。
高木 そうです(笑)。が、実は稲益も私も通ってないんですよ。作曲の段階では「紅葉狩」はサイモン&ガーファンクルを意識したんです。
陛下 そうなのかっ? サイモン&ガーファンクル味はどっかに飛んで行ったみたいだな(笑)。
高木 はい、コンドルのように(笑)。

■ポップス・ファンはこちら! 陛下オススメのプログレ(3)
陛下 では次! ポップスが好きな者はイエス『こわれもの』がオススメだな。メロディが覚えやすく非常に聴きやすいアルバムだ。1曲目の「ラウンドアバウト」はアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』第1部のエンディング・テーマにも使用されておったな。原作の荒木飛呂彦氏がアニメ化の際、イメージに近い楽曲として挙げたらしい。しかし、なんせ原曲は8分以上あるので、回によって流れる部分が異なっていたという珍しいエンディングであった。
高木 陛下が作られた曲で最も長い曲は何分ですか?
陛下 メジャー作品としては未発表だがダミアン浜田名義の「組曲・最終戦争」が合計で44分超となり、最長だな。組曲ではなく単体の曲として最長なのは「Tears in the Rainbow」で7分50秒という長さである。
高木 Damian Hamada's Creatures『魔界美術館』収録ですね。
Damian Hamada’s Creatures (撮影:山田晋也)

■ファンクラブにも所属! 陛下オススメのプログレ(4)
陛下 最後に「どうせプログレを聴くならいかにもプログレというモノを聴きたい!」というチャレンジャーには、エマーソン・レイク&パーマー(ELP)の『タルカス』がオススメだ。1曲目の「タルカス」はいきなりアップテンポの変拍子(4分の5拍子)で始まり、20分にも及ぶ組曲となっている。
高木 陛下の作曲スタイルにも影響が感じられますね。
陛下 そうだ。なんせ、私はELPのファンクラブにも入っておったからな(笑)。
高木 (笑)。
陛下 また、「タルカス」はオーケストラ版、吹奏楽版なども世に出ており、音楽界全体に衝撃を与えた曲でもある。そういえば「タルカス」のオーケストラ版はNHK大河ドラマ『平清盛』でもBGMとして使われておったな。
高木 野蛮で最高のアレンジでしたね。キース・エマーソンの作曲法というのは、まず初めに頭の中にあった曲のイメージがオーケストラ・バージョンだったと思うんですよね。それをロック化しているから馴染むのではないかと。
陛下 なるほどな。見事な分析である。

■陛下と高木の意外な共通点――「ジェネシス・トラウマ」
陛下 プログレッシヴ・ロックはその形態が多岐にわたり、中には超難解なモノもあるので気をつけないといけない。
高木 私は小5の時にジェネシス『インヴィジブル・タッチ』を聴いたら、あまりにポップすぎる曲に面食らってしまい8年間トラウマとなりました。
陛下 私もちょっとしたトラウマがあるぞ。LPレコードが1枚2,500円から3,000円で売られていた時代に名盤発掘と銘打って1,500円で過去作品が発売された。その中にジェネシスの『怪奇骨董音楽箱』があり、タイトルに惹かれて買ったのだが、あまり受け付けず、しばらくジェネシスを聴かなかった(笑)。
高木 まさかのジェネシス・トラウマつながり(笑)。が、今では私が初心者の方にオススメしたいのはジェネシスです。
陛下 ほお!
高木 『月影の騎士』の「ファース・オブ・フィフス」、そして『フォックストロット』の「キャン-ユーティリティ・アンド・ザ・コーストライナーズ」です。後者は少々マニアックで日の当たらない曲ですが、「プログレ」と呼ばれるジャンルの音楽形式を5分で手短にまとめた佳作だと思っています。現在の陛下としては、ジェネシス、いかがでしょうか?
陛下 『静寂の嵐』を聴いてなかなか良いなと思ったぞ。『そして3人が残った』収録の「ダウン・アンド・アウト」も好きな曲だ。さらには、ある程度歳を取って改めてピーター・ガブリエル時代のジェネシスを聴き直してみたら、なかなか良いなと(笑)。今ではジェネシスの中では『月影の騎士』収録「月影の騎士」が最も好きな曲だ。美しいメロディ・ラインとスリリングなアレンジがたまらんな。
Damian Hamada’s Creatures (撮影:山田晋也)

■陛下、D.H.C.ライヴを語る
高木 陛下は2021年11月にD.H.C.のライヴでひさしぶりに降臨されました。いかがでしたか?
陛下 脳の若返りが行われた! D.H.C.がデビューした時に、雑誌のインタビューやラジオ番組などで、私は作詞、作曲、編曲、プロデュースには関わるが表舞台には一切立たないと言っておったのに、いつの間にかライヴに出ることになった(笑)。
高木 たしかに(笑)。
陛下 そんな私には2つの試練があり、そのひとつは22年ぶりに信者の前で演奏することであった。世を忍ぶ仮の教員時代に文化祭でギターを弾いたのがD.H.C.初ライヴの10年前であったし、それを最後に弾くことはほとんどなかったわけだ。そういうわけなので、とにかく地球上の重力に慣れるためのリハビリが大変だった(笑)。
高木 ギターは弾かないと本当に筋力がすぐに衰えて思ったように弾けなくなりますね。ましていわんや重力の克服をや!
陛下 もうひとつの試練はMCであった。今までライヴ時にMCをしたことは皆無であった。戸惑いがあったが、教員時代に人前で話すことに慣れておいて良かった。まあ、それでも結構大変だったがね。
高木 MCは演奏以上に緊張しますね。
陛下 そんな大変な思いをしてライヴの準備をしてきたわけだが、ライヴ中は充実感に満たされていた。10年以上忘れていた感覚であった。これも会場の諸君、および改臟人間と関係者たちのお陰だと思い感謝しておるぞ。やはりライヴはイイものだな。
高木 はい。金属恵比須のメンバーもツアーを楽しみにしております。2022年7月には東名阪ツアーが決まりました。
陛下 私の心に火がついてしまったのだ。ライヴは創作活動とは違った脳の働きを必要とし、しかもスピードも要求されるので、前回のライヴによってギターのリハビリだけでなく脳のリハビリも行われ、明らかに脳が若返ったと感じる。
高木 10万歳以上若返ったりして(笑)。
陛下 しかし、ライヴは準備も本番も結構な体力を要するので、いつまで私が参加できるかは不明だ。よって、ダミアンの参加するD.H.C.のライヴは観られる時に観ておいた方がイイぞ!
高木 前回、神奈川県横浜市でライヴを行なう理由は「神」がつくからとMCでおっしゃっていました。次は東名阪です。今回も何か意図でも?
陛下 日程順に名古屋、大阪、東京をアルファベットで表記して頭文字を並べると”NOT”になるだろう? その質問に対する答えは”NOT”だ!
高木 否定語ですか! 気づきませんでした!
陛下 そんなモン、ありゃしまへん!
Damian Hamada’s Creatures (撮影:山田晋也)

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