【この2.5次元がすごい】ミュージカ
ル「るろうに剣心 京都編」客席が3
60度回転する劇場全体を使った演出に
没頭

(c) 和月伸宏/集英社 誰もが知る人気漫画「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」が舞台化されるということで、さっそく私も劇場に向かいました。小池徹平さんが主人公の緋村剣心を演じるミュージカル「るろうに剣心 京都編」です。志々雄真実との死闘を描く原作でも人気のシリーズで、もともと2020年に公演が予定されていましたが、コロナ禍の影響で中止になってしまったという経緯があるためより期待が高まります。
小池修一郎さんが手がける「るろうに剣心」の世界
(c) 和月伸宏/集英社 会場はIHIステージアラウンド東京。円形の劇場の中心に位置する客席が360度回転する日本で唯一の劇場です。回転に合わせて舞台が転換される演出も多くあり、スピード感のあるストーリーを盛り上げてくれます。特に剣心たちが京都へ向かう場面や、それぞれ違った戦いを繰り広げる場面では、スムーズな場面転換によって物語に没頭できました。
 脚本と演出を手がけるのはミュージカル「エリザベート」をはじめ数々の名作を生み出している小池修一郎さんです。主演の小池徹平さんも「小池先生が、あの劇場をどう使ってどんな楽曲と共に皆さんの元に届けられるのか、ワクワクしています」と以前コメントしていました。実際の舞台も、360度に配置されたセットすべてに高さも奥行きもあり、まさに劇場全体を使った演出でした。楽曲やセット含めた細かく豪華な演出は小池さんらしさもあり、見ているのではなく世界に入り込んでいるような観劇体験ができました。
魅力的なキャラクターを演じきる役者陣
(c) 和月伸宏/集英社 そして、やはりすばらしいのが人気キャラクターを演じる役者のみなさんです。明治維新後には不殺(ころさず)の誓いを立て、流浪人となった剣心には優しくお茶目な一面もあり、代表的なのが「おろ」という口癖。小池徹平さんの「おろ」もとにかくかわいらしく、舞台をほっこりさせてくれました。大切なものを守るために戦う姿とのギャップは、まさに剣心らしさを感じさせてくれたのではないでしょうか。また、注目したいのが志々雄真実を演じる黒羽麻璃央さんです。全身に火傷を負っているため包帯で隠された顔からは、表情を読みとることはできず、演技も難しいのではないかと思いますが、悪人でありながらもどこか惹かれてしまう志々雄の魅力を存分に魅せてくれました。頭が良く、カリスマ性があり、自分が悪であることを認識したうえでその道を貫く志々雄。そんな彼の姿を全身で演じる黒羽さんは圧巻で、クライマックスのシーンは特に見逃せない見どころと言えます。
 華やかな舞台に、迫力のある殺陣、そして物語を支える楽曲と、エンターテイメント性の高い本作。それだけでなく私は物語の重要性もあらためて感じました。幕末から明治時代と大きく変化していく日本の様子。そしてそこに生きる人たちを見ていると、変わりゆく時の中で自分は何を大切にしたいのか考えさせられるようでした。私自身も、好きな作品は何度も見に行くタイプ。本作もぜひお代わりしようと、友人を誘いチケットを改めて取りました。何度も見たくなるミュージカル「るろうに剣心 京都編」は6月24日までIHIステージアラウンド東京で上演中です。

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