バーチャルタレント夢の共演 『V-C
arnival VOL.2』DAY1レポート

2022.6.11(sat)V-Carnival VOL.2 DAY1
6月11日(土)12日(日)の2日間、いまVTuber・バーチャルタレントシーンでトップを走る面々が集結した『V-Carnival VOL.2』が開催された。
2回目の開催となる今回、ホロライブからはときのそら、さくらみこ、星街すいせい、湊あくあ、Mori Calliope(森カリオペ)ら10名が出演。にじさんじからは月ノ美兎、笹木咲、椎名唯華ら6名が登場。そのほかにも、電脳少女シロ、朝ノ瑠璃、HIMEHINA、MaiRといった面々が集った。
豪華なるライブでメインMCを務めるのはニッポン放送の一翔剣とともに、DAY1は月ノ美兎さん、DAY2はときのそらがつとめた。
初日となったメンバーはこちらだ。
【DAY1 出演アーティスト(敬称略)】
朝ノ瑠璃、AZKi、大空スバル、さくらみこ、笹木咲、椎名唯華、月ノ美兎、Kotone(天神子兎音)、猫又おかゆ、湊あくあ、MaiR、桃鈴ねね
MC:一翔剣、月ノ美兎 SPECIAL GUEST:ナナヲアカリ
昨年につづき2回目となる『V-Carnival』は、実際に組まれたステージにVTuberをAR技術で合成し、さらにCGエフェクトを加えた、『リアルとバーチャルが融合する音楽ライブ』となっている。今回はその初日の模様を記していきたいと思う。
一翔剣と月ノ美兎がフジテレビの球体展望室「はちたま」からMCをするところからスタートするが、まずこのシーンで「現実」と「仮想」の境目が非常に曖昧かつ調和のとれた絵となっていることに驚きを隠せない。球体展望室からみえる東京タワーの夜景を背にして、2人はDAY1の開幕を宣言した。
(c)V-Carnival
(c)V-Carnival
トップバッターを務めたのはホロライブ所属のさくらみこと大空スバル、1曲目は「でいり~だいあり~!」だ。金管楽器をメインにしたポップなナンバーを、ホロライブのなかでも指折りに元気な2人で歌い上げ、ライブは快活にスタートした。普段は5人で歌っているこの曲をスペシャル版として二人で歌うことに関して、大空スバルは「ちょっと正直緊張した!」と笑う。
(c)V-Carnival
二人の楽しげな空気感はそのまま、2曲目・3曲目はさくらみこがソロでオリジナル曲である「マイネームイズエリート☆」「サクラカゼ」を歌う。前者はシンセサイザーの効いた電波ソング、後者はストリングスとバンドサウンドが混ざりあったポップスと、ライブの序盤をみごとに盛り上げてくれるナンバーだ。「サクラカゼ」の終盤ではステージ上にパっと桜が咲き誇る、こういった演出はAR・CG技術でなければうまく表現できないであろう部分だ。

(c)V-Carnival
ステージに2番手で登場したのは、バーチャルロックシンガーとして活動を続けているMaiRだ。自身の楽曲「Shout My Life」をパワフルに歌ってみせると、「姉さーん!」と自身の盟友ともいえる”忍者系バーチャルyoutuber”朝ノ瑠璃を呼び込む。様々なライブイベントで一緒になってきた二人はお互いを「一番の仲良しかつ、一番のライバル」と認めあっている、そんな2人で披露したのはLiSAが歌唱したアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』OPテーマ「ADAMAS」だ、息のあっているところを見せながら熱く熱唱を披露する。
(c)V-Carnival
この熱いバトンを受け取って一人ステージに残った朝ノ瑠璃も、自身の楽曲の中でももっともロックな一曲「PLATFORM」を大舞台にぶつける。「どうですか?私の歌で愛は伝わったでしょうか!?」と叫びながらバーチャルyoutuber界隈を愛してくれる人に届ける一曲を歌い上げた。
(c)V-Carnival
続いて登場したのはKotone(天神子兎音)、こちらもロックサウンドをメインにした自身のメジャー1stシングル「PUNISHMENT」でその熱量をぶつけていく。ライブで初披露となるこの楽曲を歌いながら「まだまだ声出しますよ!」と画面の向こうを煽リながらボルテージを上げていくKotone、そこには配信だからという垣根はない。
シーンの黎明期から活躍しつづける彼女ら3人が持ち前のパフォーマンス力でパワフルに楽曲を披露していく。体を大きくうごかし、衣装や髪の毛は揺れ、ステージの左右を跳ねるように歩いていく一つ一つの動き、それらがしっかりと描写され、3Dを活かしたステージ演出も加わって、彼女らの力強さがより深く見る者に刻まれるようだ。
そしてKotone(天神子兎音)が「アタシの激推し」というホロライブの桃鈴ねねを呼び寄せる。ハイテンションにお互いにキスを送りあう熱いメッセージの交換から、EGOISTの「My Dearest」をデュエットする。
(c)V-Carnival
イントロが始まるとすぐにフッと上空に浮かび、客席のなかに建てられたミニステージに移動し、2人はクリアな声色で「わたしの最愛の人」というメッセージを重ね合った。何度も歌いながら目線を合わせる二人の姿には信頼と愛情を感じた、そこにはバーチャルもリアルも関係なく、二人が持つ感情が、曲とともに配信を見る我々に放たれているのだと思えた。曲が終わってもストレートに感情を言葉にしあう2人、日々の配信で生まれるそれぞれの関係性などを、ライブなどで垣間見ることもできるのも、バーチャルタレントシーンの面白さかもしれない。
(c)V-Carnival
(c)V-Carnival
ここからはホロライブの面々が続々とパフォーマンスしていくターンだ。桃鈴ねねが自己紹介のような一曲と「ねねねねねねねね!大暴走」、再登場した大空スバルが「ぷ・れ・あ・で・す・!」を歌い、湊あくあは「#あくあ色ぱれっと」とそれぞれのソロ楽曲が立て続けに投下されていく。
(c)V-Carnival
リズミカルなポップナンバーが次々と披露されていくなか、3人ともにステージを所狭しと動き回り、ダンスもバッチリと決めていくのは流石だ。大空スバルのパフォーマンス中には彼女のモチーフとも言えようひまわりが咲き誇り、湊あくあのパフォーマンス中には「お菓子の家」がステージ上に出現するなど、大胆な3D演出に随所で驚かされる。

大空スバル、湊あくあ、桃鈴ねねはユニット「NEGI☆U」としても活動している3人。先日1st EP『ねぎゆーのパないうた』をリリースした彼女らは、「チャリで来た」「ズッ友」「ピエンな顔」とさまざまなポーズと表情で視聴者を盛り上げてくれた。
ここで前半パートの締めとして「つまりはいつもくじけない!」(TVアニメ『ジャヒー様はくじけない!』エンディングテーマ)を披露。風船が大量に降り注ぐなか、圧倒的熱量でリレーションされてきた流れを今日一番のハイテンションナンバーで締めてみせた。
ここでMCパートとして一翔剣と月ノ美兎の2人にバトンがわたったが、二人の第一声は「ライブ演出のすごさ」であった。「どこからどこまでが現実のステージ演出で、3Dのバーチャル演出はどれなのかわからなくなる。」「後ろから出ているレーザーの照明は現実のものみたいです」などを語り合う2人。
この5年に渡るVTuber・バーチャルタレントシーンのなかで数々のVR/ARのライブをこなしてきている2人が、口をそろえて絶賛するあたり、この日のライブ演出がいかに豪華で緻密なものかが伺い知れるだろう。出演者のインタビューもフジテレビのあらゆる場所から行う、という趣向が凝らされており、楽屋やフジテレビの入り口から展開されていく。
後半戦のスタートにはSPECIAL GUESTであるナナヲアカリが登場。ギター・ベース・ドラム・VJのバンドとともに、彼女にとっても初めてとなるバーチャルタレントとの共演となった。
(c)V-Carnival
ステージでは湊あくあと猫又おかゆがナナヲを迎い入れる。MCでは緊張する、と言い合う三人は共にナナヲの代表曲「チューリングラブ」を歌い上げていく。科学的な公式や数式がバーチャルな演出となって空中を飛び交っていき、リアルとバーチャルが違和感なくクロスしたステージングとなった。「サイン貰えばよかった!」と言いながらステージを去る湊と猫又が微笑ましい。
(c)V-Carnival
夢のコラボに続いてはホロライブが誇るソロシンガーであるAZKiが登場し、「いのち」をしっとりとした声色を活かして歌い上げる。前半戦からここまでボルテージが上がり続けていた心に染み込むようなメロディ。続く「オーバーライト」では赤色のペンライトと、花畑が広がっていく演出が彼女のパフォーマンスをグッと活かしていた。
ここからはにじさんじから出演する2人、椎名唯華と笹木咲のなかよしコンビによるパフォーマンスが続く。まずは椎名によるDECO*27「乙女解剖」のカバーからスタートし、椎名と笹木のデュエットでキノピオピーの「ねぇねぇねぇ。」と笹木によるかいりきベアの「ダーリンダンス」をそれぞれカバーしていく。
(c)V-Carnival
(c)V-Carnival
(c)V-Carnival
「乙女解剖」では原曲のMVをリスペクトするようなマンガの吹き出しや画面上から下へのスクロールを活かした3Dを活かした歌詞表示、赤と白を基調とした照明演出がとても印象的に映え、「ダーリンダンス」のサビでも原曲のMVをオマージュした3D演出が見え、立体的かつカラフルにステージを盛り上げてくれた。
椎名、笹木と仲がいいホロライブのメンバーといえば、本日出演する猫又おかゆを思い浮かべるファンも多いだろう。そんな予想をバッチリと引き受けるように登場した猫又は、自身の楽曲「もぐもぐYUMMY!」「デタバレネコ」を披露する。
(c)V-Carnival
比較的低めでソフトな彼女の声色を活かしたテクノポップをうたいあげ、「昨年も出演したんだけど、バックにフジテレビさんがいるんだよね~」といつも通りのムードでMCをすると、グイグイと進んでいったライブのテンションが彼女のユルい空気感へと一気に仕上がっていったあたり、彼女のキャラクター力を思い知らされる。
そんなユルい空気感は、とんでもない演出をパっと打ち出せる絶好のタイミングともいえる。MCとして出演していた月ノ美兎が「歌う側に回りまーす!」と声をかけつつ、なんとステージの上から傘につかまって降りてくるという登場を見せてくれた。名作映画『メリー・ポピンズ』を思い出させるような摩訶不思議なファンタジーさも、AR/CG技術があってこそだろう。
(c)V-Carnival
「それいけ!学級委員長」のファンシーなテクノポップを披露したあと、彼女のディスコグラフィでもブっとんだ歌詞とステージ演出をみせてくれる「みとらじギャラクティカ」を歌っていく。
ステージ上には大型の宇宙船がいくつも浮遊したり、流星や隕石がステージ上を流れていくのも豪華な演出であったが、これまでのライブイベントでも何度となく見せてくれていた「洗濯機爆破」もこの日はVカニ仕様となってバッチリ表現され、「やはりやったか!」とSNS上でも話題となっていた。
(c)V-Carnival
最後はロケットに乗って退場していった彼女をみて、一翔剣もおもわず「やりたい放題やってましたねぇ~」と一言。そんな彼の横にロケットごと戻ってくる月ノ美兎と、いつもの彼女らしい振る舞いにニヤリとさせられてしまう。ナナヲアカリもトークの中で月ノに「一緒にロケットに乗って登場したい」と今後のVtyuberとのコラボに興味を見せた。
続いてトークには椎名唯華と笹木咲が登場し、大舞台にも臆さないいつも通りのマイペースなトークで一翔剣と月ノ美兎ともに沸かせると、最後にはサプライズとしてTrySailの「adrenaline!!!」をDAY1の出演陣全員でデュエットし、華々しく締めた。
それぞれのフィールドで長く活躍してきた面々が一堂に介するその情景は、この5年間で積み重ねたシーンの厚みを感じずにはいられない。
なにより、VR/AR/CGを使った空間演出とリアルステージの融合、そして照明を的確につかった舞台演出の噛み合いは、最初から最後までもれなく音楽とタレントの魅力を引き出していた。これらは昨年に引き続き、LATEGRA社とFIREWORKS社のスタッフによって生み出されている。
前者はホロライブの3度目となる全体ライブ『hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported By ヴァイスシュヴァルツ』などを担当し、後者は『Animelo Summer Live』のステージ演出を長年に渡って務めてきた。
新進気鋭なテクノロジーに多くの大舞台をステージングしてきた舞台演出が噛み合ったこのライブは、徐々にそのクオリティをあげ、ラインナップの充実さも加味すれば必見のライブだといえよう。DAY2への期待を大いに持たせてくれつつ、夢のような時間を与えてくれたこのライブは、7月10日までeplusのStreaming+にてアーカイブ配信が提供されている。ぜひチェックしてもらいたい。
レポート・文=草野虹

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