全音楽を担当した映画『ディア・ドクター』のサウンドトラック盤とオリジナルアルバムが同時発売だったことを受けて、今回はいつもとは趣向の違うライヴが行なわれた。トップバッターのMountain Mocha Kilimanjaro後、映画監督の西川美和が挨拶すると、サウンドトラックを制作したモアリズムと今野 昌（デルタ兄弟）、有花らが映画の世界観を引き立てる同ナンバーを演奏。心に染み入る上質なサウンドの数々に、じわじわと興奮が込み上げる。バンド単体になってもその興奮冷めやらず、1曲目「素晴らしい世界」から、ある種メンバーのショータイムとでも言おうか、自由度の高い「マボロシ列車」までバラエティーに富んだラインナップで会場を虜にする。本編ラストの「笑う花」には、本日のオールキャストが勢揃いしたのだが、“僕の周りには感動があります”と仲間が集まったことを自慢気に締め括ったナカムラ（Vo&Gu）が印象深い。

拝啓、あなたという方が映画監督になってくれたことに、本当にどうもありがとう。